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「ピピピピピピピピピピピピピピピピピピ……!」
耳朶を、いや、脳髄を直接揺さぶるような警告音がコクピットに鳴り響く。ゼロの視界は、青白い光と無数の数字で埋め尽くされていた。
「うわぁっ!?なんだこれ!勝手に情報が流れ込んでくる……!?」
混乱するゼロの眼前で、モニターには3機のオーリー改の動きが、まるで未来を映し出すかのように線で予測されていく。しかし、それが何を意味するのか、今のゼロには理解できない。
「ガキ、出てこい! そのガンダムもろとも叩き潰してやる!」
容赦なく放たれたビームライフルが、横倒しになったプロト・ウイングエックスの腕部に直撃する。ズシンという衝撃と共に機体が揺れ、ゼロは思わず頭を抱えた。
「くそっ、動け! なんで動かないんだよ!?」
必死にレバーを操作するが、機体は反応しない。かつて誰も乗りこなせなかった「欠陥機」の烙印は、伊達ではない。機体はゼロの意志を拒絶しているかのようだ。
二撃目が迫る。装甲を焼く焦げ臭い匂いが、コクピットを満たした。
「このままじゃ……死ぬ……! 村の奴らが、俺が死んだら、またあいつらの好き放題になっちまう!」
脳裏に、村人たちの笑顔がよぎる。祖父の口うるさい教えが蘇る。そして、目の前を横切ったオーリー改の無慈悲な姿が、ゼロの怒りに火をつけた。
「――死んでたまるかぁぁぁぁぁ!!」
絶叫と共に、ゼロは操縦桿を文字通り「へし折る」勢いで強く握りしめた。
その瞬間、沈黙していた機体の深部から、まるで魂が宿ったかのような激しい脈動が伝わってきた。
ゼロ・システムの予測表示が、青白い光の奔流となってコクピット全体を包み込む。
ゴオォォォッ!
轟音と共に、プロト・ウイングエックスの**黄緑色のカメラアイ**が強く輝き、横倒しになっていた巨体が、ゆっくりと、だが力強く立ち上がった。その姿は、まるで眠りから覚めた巨神のようだった。
「……動いた、動いたぞ! こいつ……俺に応えてるのか!?」
戸惑いながらも、ゼロは操縦桿を握り、機体を前進させる。オーリー改が放つビームを、ゼロ・システムが正確に提示する回避軌道をなぞり、最小限の動きでかわしていく。
「面白いじゃねえか! なら、こっちも遠慮なく行かせてもらうぜ!」
バスター・サテライト・ライフルを構え、トリガーを引く。放たれた高出力ビームがオーリー改を掠め、怯んだ敵機が後退する。不慣れな操縦ながらも、機体がゼロの体の一部になったかのような感覚。圧倒的な性能差と予測不能な動きに、敵パイロットたちは戦意を喪失していく。
「な、なんだあの動きは!? 撤退だ! あんなバケモノとは戦えない!」
3機のオーリー改は、怯えきったように一目散に上空へと逃げ始めた。
ゼロは逃げ去る敵機を視界に捉えながら、無意識にメインコンソールのあるスイッチに指を伸ばした。
――カシャン!
背部から重厚な機械音が響き渡る。
斜め下向きに固定されていた2門のブラック・キャノンが、まるで生き物のように跳ね上がり、背中のレールを滑るようにして**肩の上**へと展開した。
連動して、コクピット内のモニターが「SATELLITE SYSTEM: READY」の表示に切り替わる。
その日の空は、雲ひとつない快晴。
高く昇った**満月**が、荒野を青白い光で照らしていた。
**次回予告**
月光を浴びて、白い翼が広がる。
プロト・ウイングエックス、初のトリプル・サテライト・バスター発射!
次回、『月と共に:月光の制裁』
**「てめぇらが機械を泣かせるって言うなら……俺が、この機体と一緒に、あんたらを止めてやる!」
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