久しぶりに黒子ノbsk見て、赤司受けがまた再熱したから書いただけ
キセキ→赤(恋愛要素あんまりない、若干距離近いかな?くらい)/キセキが赤に勉強教えてもらうはなし。高校の範囲は、大昔に終わったので忘れてます。変なとこあったらごめんなさい。
6本構成。黄→青→紫→緑→黒→(赤)※俺司※
(0)プロローグ
「じゃあまたね、征ちゃん。いい夏休みをすごしなさいね〜」
「ありがとう玲央。君も楽しんでくれ」
軽く手を振ってそう応えれば、あるチームメイトは少しポカンとした後、くすくす、と嬉しそうに笑って歩いていった。
_夏休み。帝光にいたころは、到底遠かったものだ。というより、長期休暇というものは存在していたのだが、大抵の日には部活の予定が入っていて休暇とは言えないものだったためだ。しかし、高校へ上がった途端、長期休暇中の予定はバッサリと減った。休暇が1ヶ月だとしたら部活がある日は6、7回。初めは戸惑ったが、どうやら皆違和感を感じていないようだったので、慣れることにした。
_しかし、暇だ。玲央は、いい夏休み、と言ったが。…いい夏休みとは?口元に手を添えて考えてみる。過去読んだ本から引き出されたのは、友人、海、旅行、帰省……。帰省はまず無い。海…も行ったところで何が得られる訳でもないだろう。ならば旅行?だとしても一体どこに行く?そうなると、友人…………
プルルル、プルルル…
突然ポケットに入れていた携帯がなり始める。手でさぐって取り出し、画面を見る。そこに刻まれていたのは見知った名前だった。
「…もしもし」
「あ、もしもし。赤司君ですか?少し話したいことがあって…えーっと、黄瀬君の家に来て貰えますか?」
たんたんとした声が耳を揺らす。
「あぁ……構わないが、なにか緊急事態か?ならば急ごう」
「いえ大丈夫です。ゆっくり来てください。まだみんな来てないので」
…みんな?ほう、なるほど。
聡明な秀才の頭に浮かんだのは4人の顔。おそらく”キセキの世代”の人間たちだろう。それにしても、珍しい。高校が変わって少し疎遠になっていたが…。
赤司は、スクールバッグに携帯をしまい肩にかけ直す。そしてもう薄暗い街を歩き始めた。
ピンポーン…
何駅か跨ぎ、言われていた場所へと到着した。電気が漏れていたのでもう誰かいるだろう、とチャイムを押すが、未だ出てこない。寝ているのか、はたまた…?
と思っていれば、目の前の扉ががんと開く
「あ、赤司君…。来てたんですね、気付かなかったです」
そこには見慣れた黒子の姿があった…否、訂正しよう。今迄にないほど疲労の色をうかべた黒子の姿があった。ポーカーフェイスで有名な彼が、見たことのないほど目を虚ろにさせてぐったりしている。
「…なにかあったようだね。とりあえずお邪魔しよう。みんな来ているのかい?」
「あぁ、はい。もうみんな来てます。でも全然待ってないので、気にしないでください。
というか、無理を言ってしまいすいません。忙しかったですよね」
「いや、いいよ。俺も今日は終業式だったからね。暇になってたんだ、構わない。」
そうですか、そうへらりと彼は笑い、光の漏れているドアを開けた。
そこにはやはり、己の思っていた4人の姿があった。一気にこちらに集まる目線を、一つ一つ追っていれば_
「…赤司っち!!!!!」
どん、と衝撃が突然体に飛び込んでくる。己の胸元を見れば、そこに縋っていたのは黄色の髪。元チームメイト、黄瀬だった。
「…なんだ?」
「もうオレらじゃダメっす。お手上げです。」
「……?すまん、話の内容がよくわからないんだが……。何がダメだと?」
首をかしげ、未だ体に張り付いている黄瀬を密かに離れるよう、ぐいと押し出す。が、一向に離れる気配は無い。なんなんだ一体
「夏休みの課題と、テスト勉強っすよぉ」
そう言って、黄瀬は困ったように赤司を見上げた。おそらく他の3人もそうなのだろう。…しかし、黒子と緑間がいて、それほどぐったりすることになるだろうか?緑間は言わずもがなだが、黒子も案外頭は冴えているはずだ。紫原も悪いわけじゃないだろうに。
そう考えていれば、黒子が赤司の肩に手をのせる。なんだ、と思ってそっちを見れば、黒子は謎の微笑をうかべていた。
「……その顔はなんだ」
「…問題は、青峰君ですよ」
「青峰…?」
はっ、と気付く。そうだ、青峰はこの5人の中でダントツで成績が悪い。本当に。信じられないほど。…あぁ、もしかして教えながらやっているのか。
過去、青峰に勉強を教えていたことを思い出し、その時の悲惨さが蘇ってきた。ひとりでに納得し、とりあえず赤司は座ることにした。黄瀬を剥がし、スクールバッグを下ろしてフローリングに座り込む。救世主に目線が集まる
「……なんとなく事情は理解した。…じゃあ、青峰。俺が教えてやろう。
だから長期休暇中、何日かお前の家を訪ねるよ。そこでじっくりやろう。」
「マジ?……そうか、俺の家に…」
赤司の提案に信じられないといった顔をした青峰は、顔をかすかに俯け口を覆うようにして、手を顔へ動かした。我ながらいい提案では__
「ちょっ、ストーップ!!!!」
衝撃。…デジャヴだ。ため息をついて後ろへ視線を向ければ、やはり想定通りの人物。
少し焦ったようにして、黄瀬は赤司を抱きしめていた。
「ダメっすよ、青峰っち!赤司っちのこと独占しちゃ」
「は?」
「いや、赤司が自分で提案したんだろ?それを受けない訳には行かないね」
「な、なに」
「ぜーったいダメです!!2人きりで家にいるなんてダメ!!!俺が許さないっすよ!!!!」
キャンキャンと子犬のように青峰に噛み付く黄瀬。それを嘲笑うように青峰は黄瀬を軽くいなし、赤司へ手を差し出す。
「赤司、教えてくれんだろ?なら毎日来てくれよ」
眉を片方上げ、首を傾けながらそう尋ねる。
「毎日は無理だ。ふざけないでくれ」
しかしザン、とその要求は赤司によって無様な程に裁ち切られた。
その論争を、3袋目のポテチを開きながら聞いていた紫原は口を開いた。
「ならさー、みーんな赤ちんに教えてもらえばいーじゃん。俺もわかんないとこあるしー」
騒がしい部屋を鎮めた鶴の一声…とでも言おうか。その一言は、我らが元エースに熱烈な感情を抱いている5人には、最善策にも思えた。
「…そうだな。争いを無くすにはそれが一番の方法だろう。」
黙っていた緑間がそれに賛同し始める。それは想定外だったようで、赤司は絶望したように緑間を見据えた。
「あぁ、それいいッスね!独り占めもなくなるし、みんな平等だし!
やったー!!赤司っちに勉強教えてもらえるー!!」
「…チッ。……ま、いいか。来んのには変わりねーしな」
胸ぐらを掴みあっていた2人も、その提案に納得したようでお互いから手を離した。
かってに話が進んでいるのだが、当の本人は理解不能のようで、頭の上にクエスチョンマークを浮かべながら、顔を顰めていた。
「ならそういう事でいいですね。じゃあ、よろしくお願いします、赤司君。」
そんな赤司に手を差し出し、声をかけたのは黒子だった。赤司は存外黒子に甘いようで、頼むには最善だろう。
秀才の頭が今までの情報を処理し始めた。ぐるぐる、と彼がローディングしているのが分かった。数秒後、処理が済んだようで、立ち上がっている黒子を見上げた。
「…まあ、いいだろう。だが僕にも予定がある。出来ない日があっても文句は言わないでくれ」
そんなエースの言葉に、他5人は「もちろん!」と威勢よく返した。
さて、どうなる?夏休み。
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