〈ななっし~視点〉
「さもくん!?」
私は部屋から出ていったさもくんを急いで追いかけた。
ここで少し時を戻そう
ついさっきのこと、私はリビングの机にさもくんのスマホが置いてあるのに気が付いた。
あ、さもくん忘れちゃったのかな、部屋に届けに行こっと
…その時画面を見なければそのままの関係だったのに。
スリープ状態が解除されたスマホ。
画面に手が当たっただけでも解除されるようになっていたのは、私達のスマホも同じだった。
だからだ。目を逸らしていれば問題はなかった。
mmmrの連絡先
私は恐る恐る連絡履歴を見る。
odmn、政府、その他特殊部隊の重要情報
電話の履歴だってあった。
…どうして早く気付けなかったんだろう。
どうしてもっと話しておかなかったんだろう。
どうして私も同じだって言わなかったんだろう。
さもくんはとっくに壊れてた。
さもくんは大丈夫だって、無意識にそう思ってた。
でもさもくんだって超人じゃない。同じ人間だ。
ごめん、さもくん…
私はいてもたってもいられず、さもくんの部屋に向かった。
………それが間違いだった。
「さもくん!!!!!どこ!!!!!」
私は叫ぶようにさもくんのことを呼びながら、雨の中全力疾走する。
そして見えた。特徴的な鮭のパーカー
「さもくん!!!!!!!」
私はさもくんの腕を掴み、さもくんの名前を叫ぶ。
さもくんが振り返る。
「……………………ぅ、ぅ…」
私は何も言えなかった。
さもくんの絶望した、光のない目。
雨に紛れた涙。
さもくんは私の手を振り払い、走り去ってしまった。
………………………ごめ、ん、なさい…
「ごめんなさい……………………」
望みのようなその言葉は、雨の音にかき消された。
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