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もし君が…だと知っても(完結済)

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もし君が…だと知っても(完結済)

13 - 君に好きだと伝えるのが俺の夢

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2023年09月18日

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君に好きだと伝えるのが俺の夢(番外編)

もし、癒良が生きている内に好きだと伝えられていたら。

もし、もっと癒良と一緒にいていれば。

もし、癒良に伝えることを伝えておけば。

もし、もっと早く行動していたら。

そんな後悔ばかりが残っていた。

後悔し続けて何年も経って、俺は19歳。

今日は癒良の誕生日。

癒良の墓の前で花を生けていた。

「俺、19になってもまだ夢叶えれてないんだ。遅いだろ?」

癒良に話しかけながら、花の向きを変えた。

「俺さ、バンドの仲間のこと、本当に大好きなんだ。」

俺がバンド結成したのは高校2年の頃。

それから2年、俺たちもテレビに出るくらいは有名になった。

「癒良が死んでから6年くらいだけどさ、未だに癒良が1番好きだよ。彼女なん

て出来たことない。だから毎日墓来てるだろ?」

俺は、癒良が死んでから一度も欠かさずに墓に来て、癒良に話しかけている。

例え、修学旅行の日でも、先生に事情を説明して墓に来ている。

めっちゃ遠くに修学旅行のときは、行かなかったり。

それくらい、癒良が好きなんだよ。

「ねぇ、聞いてよ。癒良。」

そう言って、癒良の前に寝転がった。

「バンドでさ、1番人気な歌があってさ。それ、癒良との想い出を詰め込んだ歌

なんだ。『君に好きだと伝えるのが俺の夢』って歌。本当にそのままなんだ。

癒良と出会って、癒良との日々があって、癒良が死んで、今までの全てを包み

込んだ歌なんだ。」


これから毎日、君を想い続ける。

例え、風の日だって雨の日だって。


それくらい君が好きだから。


───end……

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