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もし、癒良が生きている内に好きだと伝えられていたら。
もし、もっと癒良と一緒にいていれば。
もし、癒良に伝えることを伝えておけば。
もし、もっと早く行動していたら。
そんな後悔ばかりが残っていた。
後悔し続けて何年も経って、俺は19歳。
今日は癒良の誕生日。
癒良の墓の前で花を生けていた。
「俺、19になってもまだ夢叶えれてないんだ。遅いだろ?」
癒良に話しかけながら、花の向きを変えた。
「俺さ、バンドの仲間のこと、本当に大好きなんだ。」
俺がバンド結成したのは高校2年の頃。
それから2年、俺たちもテレビに出るくらいは有名になった。
「癒良が死んでから6年くらいだけどさ、未だに癒良が1番好きだよ。彼女なん
て出来たことない。だから毎日墓来てるだろ?」
俺は、癒良が死んでから一度も欠かさずに墓に来て、癒良に話しかけている。
例え、修学旅行の日でも、先生に事情を説明して墓に来ている。
めっちゃ遠くに修学旅行のときは、行かなかったり。
それくらい、癒良が好きなんだよ。
「ねぇ、聞いてよ。癒良。」
そう言って、癒良の前に寝転がった。
「バンドでさ、1番人気な歌があってさ。それ、癒良との想い出を詰め込んだ歌
なんだ。『君に好きだと伝えるのが俺の夢』って歌。本当にそのままなんだ。
癒良と出会って、癒良との日々があって、癒良が死んで、今までの全てを包み
込んだ歌なんだ。」
これから毎日、君を想い続ける。
例え、風の日だって雨の日だって。
それくらい君が好きだから。
───end……