テラーノベル
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貴方が食べ残したままのショートケーキ
もうカビて腐ってハエが飛んでる
貴方が
ずっと取ってて
とか言うから
まだ捨てられなくて困ってる
宙に浮かんだままの気持ちが
着地することなく舞ってる
来週どっか行こうよなんて
いつも簡単に言うから
また今日も待ってた
貴方がフラっと帰ってくるのを
言えないこと全部黙ってた
タイムマシンに飛び乗って
貴方と出会った日に戻って
貴方と出会った場所に戻って…
裏路地で
不審者に襲われる貴方を 見逃せなかった
側溝蓋を掴んで振りかぶった
貴方の手を引いて
後ろを見ずに走った
夢だと思った
ステージにしか居ないはずの貴方が
私の目の前に現れるなんて
とてもじゃないが信じれなかった
全部なかったことにしちゃおうか
そんなこと話すと起こるかな
次はまっすぐな子になれるかな
でもチャイムがなって目が覚めた
あの日
君が私に笑いかけてくれたこと
今でも私は覚えてる
きっと来世はもっと元気
いつかまた逢えたらちょっとハッピー
君の前髪が風に吹かれて
その美しさに目を奪われて
ついうっかり明日も生きてしまいそう
来週どっか逝こうよなんて
笑顔で言うから困っちゃうな
貴方の声を思い出すとき
私少しだけ泣いてしまうんだ
好きだったのに も
ずっと載れなかったヒットチャート も
全部いらない
何もいらない
欲しいものは貴方ただ一つだけ
眠い目をまた擦れば
貴方がいたような気がした
手を少しだけ延ばせば
届いてしまいそうで怖かった
この部屋に天使はいない
この世界にきみがいなくても
コメント
4件
今回もめちゃくちゃ良かったです!!!! 語り手は大切な人である貴方との日々を 想像してしまうのでしょうか… ですがもしかしたら貴方は想像ではなく 悪魔の囁きなのかもしれません… そして恐らくずっと語り手は… 帰って来るはずが無いと分かっていても 貴方が帰って来るのを 今も待っているのでしょう… ずっと好きだった貴方がいなくなった事を 悲しみながら…これからも語り手は 貴方を待ち続けるのでしょうか…
ああ、このお話……詩のような文体と、甘くて苦い余韻がすごく胸にきましたね。特に「食べ残したショートケーキ」が腐ってハエが飛んでるっていう冒頭、それでも捨てられないもどかしさが、語られない気持ちの重さをそのまま伝えてきて。タイムマシンで出会った日に戻る想像と、実際はただ待ち続けるだけの今とのギャップが切ないです。「明日も生きてしまいそう」って一文に、全部詰まってる気がしました。好きだとか未練だとかじゃなくて、ただその人の存在が明日を成り立たせてる——読んでる間、ずっとそれが胸の奥で響いてました。