この作品はいかがでしたか?
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『あ、あのぉ….私、次は何処に行けば….。』
あれやこれや話し込んでいるゾムとトントンの話を遮り、早くこの場を去りたい一心で聞く。
tntn「待て、今次の場所について話しとるから。___で、ゾム、お前の魔術でシザー嬢を生徒会室まで隠せるか?」
zm「あー、出来ると思うで。でもええんか?学園長に報告せんで。」
tntn「それは後で、グルさんと身内のクロノアさん、シザー嬢に言ってもらうから大丈夫や。」
あ、コレ、めんどくさくなるフラグだ。去らねば。
『じゃねばいッッ‼︎』
はい猛ダッシュで入口に突っ走ります。当たり前だよなぁ〜!?
tntn「あ“!?まてぇ!!話は終わってへんぞ!また迷子になるやろがい!」
『逃げれるなら迷子になっても構いませーんッッ‼︎』
『はぁ、はぁ、….さっすがにここまでは直ぐには来ないでしょ…。』
講堂の外から少し離れた小さな森に身を隠すように木にもたれかかる。
(にしても伝承とか絶対めんどくさいフラグナンバーワンじゃん。生徒会とか役員には今世は関わりたくないんだよ私は…!)
『はぁ…ただの乙女ゲーはお求めにはなってないんですぅ…。』
「なんですの?そのおとめげー、というのは。ねぇ?シザー家のご令嬢?」
聞き慣れない声が背後から聞こえた。
最悪の展開を想像しながらギリギリと音が鳴りそうな首を後ろにまわす。
『ア…ゴキゲンヨウ…。白髪がお綺麗デスネ..。』
vai「えぇ、貴女も血のような赤髪がお綺麗だこと。で、入学式に迷子で遅刻、伝承の黒水晶を作り出した貴女が、何故こんな所まで脱兎のように逃げ出すのです?」
氷の様に冷えた双眸(そうぼう)をこちらに向けてくるヴァイス家のお嬢様。
失礼だが、悪役令嬢にピッタリな声音(こわね)と目だ。
『…貴女こそ、なんでこんな所に?まだ閉会式は終わってませんよ?』
vai「あら、私が何処に行こうとも周りの皆様はお気になさらないようでしたから…。心底興味のない式は抜け出してきましたわ?それが何か問題でも?」
『そ、そうですか….では、私は、これで…。』
vai「待ちなさい。」
自然な流れで去ろうとしたら前に立ち、止められた。
『….まだ何か…?』
vai「貴女は生徒会に興味が無さそうね。逃げ出すくらい。」
『まぁ、はい、そうですけど…。』
vai「じゃあそんな貴女を生徒会に強制したらどんな苦痛に塗(まみ)れた顔をするのでしょうね?」
『____は…?』
少し状況が掴めずポカンとしていると、不意に右腕を掴まれる感覚が状況を嫌でも理解させる。
zm「はい捕まえたー(笑)」
『ヒュ….ッ』
zm「いきなり逃げんで欲しいわー、流石に俺もビックリしたで〜?」
『生徒会には入りませんので腕を離してくれると嬉しいですゾムさん。』
早口で、この場から去りたい一心でそう告げる。
zm「それは無理な話やな〜、もうトントンがメンバーに話してしもうたし。それに____黒色伝承がホンマか確かめたい、ってのもあるから。」
…どうやら逃げ場は無いようだ。
『いやヴァイス家の令嬢には見向きもせんのかい…!?』
いつの間にか隣に居たはずのヴァイス家のご令嬢様は居なくなっていて、一人ツッコミみたいな状況でゾムさんが、
zm「?、ヴァイス家の令嬢はもう帰ったやろ?生徒会に申請して早退や。」
おうふ….早退すんならウチに構うなよ〜…、お陰で面倒いルート入ったやろこんちくしょー。
zm「ほらほら注目浴びたくないんやったら俺に着いてくる!さっきの反応やと、注目されるの、嫌なんやろう?」
ケタケタ笑いながら、まるでアタリを引いたかのような笑顔で此方(こちら)を見る。
『はぁ….もうどうなっても知らネー。(棒)』
〇〇学園__生徒会室前、
ガラッと勢いよく生徒会室と書かれた部屋の扉を開け、ゾムさんが、
zm「トントーン!任務完了やで〜!!」
tntn「おー、ようやったでゾム〜。でまぁ、シザー嬢は此方の席に腰掛けて貰ったらええので、どうぞ。」
『ア、ハイ。』
tntn「グルさーん!一旦そっちの作業置いといてこっち来てやー!」
トントンさんが生徒会室の奥にある扉に呼びかけると、ガチャッと開き金髪に綺麗なライトシアン色の目をした生徒が、
gr「あ“ー、伝承読み解くのめんどくさかったぁ〜。」
tntn「そんな事いったち、歴史読み解けるのグルさんとエミさんしか居らへんのやから、しゃあないやろ。」
gr「あーはいはいソウデスネー(棒)
….で、この娘が水晶を真っ黒に?」
zm「せや!俺見たで水晶が秒で真っ黒になったとこ!」
gr「ゾムが言うなら本当なのだろうな。で、シザー嬢?もう一回この水晶に手を翳して(かざして)くれるかな?」
目の前には測定で使った水晶より一回りは大きい水晶が置かれた。
『…分かりました。』
言われるがまま手を翳す。そうすると____
水晶は検査の時の様に即真っ黒になった訳じゃ無かったが、それでもあっという間に黒くなった。
そのまま手を翳したまま水晶を見ていると、ピシッピシッと水晶にヒビが入った。
『おわぁ!?ビックリした…!いきなりヒビ入らないでもろて、本当。』
gr「へぇ、この水晶でも測りきれないのか。ますます興味深い。」
グルッペンはまるで悪戯を考えついた子供のような笑顔で、此方をみる。
gr「なぁ、一体どの水晶なら君の魔力量を測れるのだろう?これから学園長の元へ一緒に強請る…じゃない、交渉しに行かないか?」
(今強請るっていったような…。)
tntn「グルさん。そんなに総魔力量を見たいんやったら水晶の魔窟に行きゃあええやろ、強請に行くな仮にも生徒会長やろ。」
gr「魔窟に行く暇があったら強請る方が楽だろ。」
もはや強請る事を否定せず、キッパリとそう告げる。
tntn「はぁ….で、黒色の事は此処の生徒会メンバーしか知らないように、一応、やっといたでグルッペン。」
gr「情報操作あざース!」
__やべぇな生徒会(真顔)
『あの…!結局私を連れてきたのはなんでなんですか!コレで終わりならそろそろ帰らせて貰います!』
全然本題に入る気がしないため、声を大きくして催促をした。
少し二人は目を見開き驚いたが、すっと元の調子に戻り
tntn「あー、それはグルッペンが言う。ほら、言えよ。」
gr「なんで命令形なんだよっ。」
tntn「全ての元凶が何言うてんねん。」
gr「はぁー…。シザー嬢、生徒会に__」
『お断りします。』
gr「話は最後まで聞けよっ!?」
『普通に過ごしたいんです私は!』
tntn「なら尚更グルさんの言う事聞かんとやばい事なるで、さっき言ったやろ?“黒色の事は俺ら生徒会しか知らん”って。」
『….脅しっすか。』
tntn「勘違いせんといてな、別に“俺は”君が生徒会に入らなくてもええんや。けど生徒会長がどうしてもって言っとるんやから従うしかないやろ?(暗黒微笑)」
『ぐぬぬ….とんだ生徒会ですね。』
恨み辛みを含めてそう言う。
gr「まぁまぁ、そんな顔するなシザー嬢。生徒会に入ったとしても、お兄さんも入っているのだから変な噂は立たないと思うぞ?なぁ?」
Kur「そうですね、とりあえず髪色だけで人を善悪決めるヤツは誰だろうと容赦はしませんよ、安心して下さい。(ニコッ)」
….その笑顔が怖いです、お兄さん。
gr「なんなら弟さんも入れるか?一人だけ入ってないのも可哀想だろ。」
『スマイルs….、弟まで巻き込むのは筋違いだと思いますが!?』
gr「ならそれは辞めておこう、入ってくれるのならばの話だが。」
ふっ、と少し笑みをこぼしながら話を持ち掛ける。
『…はぁ、、、良いですよ。』
gr「本当か!!なら、トントン、学園長の元にシザー嬢と一緒に行くから後よろしくな!!」
『ぴゃ!?急に手を掴まないで貰ってぇぇぁぁー!』
tntn「おいこら待たんかいコラァッッ‼︎」
さぁ、学園長の元まで楽しい追いかけっこの時間だよ☆(?)
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コメント
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キャラの個性が凄い出てて好き 久しぶりに見返したけどめっちゃ展開が楽しみ
久しぶりにみたな、、、w面白いの出してたんだね。ただいま帰りました。真白様。