タクシーを拾って帰路に着く。
電話したみんなから折り返しがあったから、グループのメッセージに『阿部ちゃんのこと思い出した、もう大丈夫』と送った。
帰ってひっくり返ったままの部屋と、置いていかれてソファでふて寝しているしょっぴーを見て一緒に苦笑いし、起こさないように片付ける。
💚「思い出すきっかけとかあったの?」
🖤「阿部ちゃんがいなくなった時さ、俺急に日常が崩れた気がしてすごく慌てて」
💚「うん」
🖤「でもしょっぴーに言われて、阿部ちゃんがずっとこんな気持ちでいたんだって初めて気付いて…急に居場所にあの砂浜が浮かんで、そこから」
💚「そうだったんだ。翔太に感謝しなくちゃね」
🖤「肉でいいぞとか言いそう」
💚「ふふっ」
しょっぴーを起こしてお礼を言うと、やっぱり『お礼なら肉でいいぞ』と言って帰って行ったから2人で笑い転げた。
その日、一緒にお風呂に入って、ベッドで抱き合った。
🖤「記憶のない俺、こんなに可愛い阿部ちゃんが目の前にいたのに何もしなかったなんて勿体ない」
💚「そんなふうに言われると恥ずかしいんだけど」
🖤「本当のこと」
これまで一緒にいるけどよく知らない人だったから、いつぶりかわからないキス。
唇が離れたら、また阿部ちゃんの目から涙が零れていたからその涙にもキスをした。
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あ。まだ続くんだ。