(俺の手で彼を淫らに、とことん感じさせてあげたい――)
そう思いながら感じるその部分に指を挿れて、ここぞとばかりに擦りあげてみた。
「アっ、ふぁ、あっ!! ソッコ……! あぁん!」
口からヨダレをたらし、快感に身を任せ必死にもがき倒す姿に、否応なしに躰が熱くなっていく。
「稜、どうしてココがこんなに濡れて、ぐちゃぐちゃになっているんだ?」
思わず、困らせるようなことを言ってしまうのは、心も躰も全部、ぎりぎりまで追い詰めてやりたかったから。大好きな君が俺の手によって、乱れる姿が見たい。
「そっ、そんな、だって――」
眉根をきつく寄せ、うまく答えられない彼に、更に追い討ちをかけてやる。
「何度抱かれたんだ? こんなにイヤラしくここをヒクつかせるなんて、ソイツじゃ満足できなかったんじゃないのか?」
「んッ、ああああああっ! そこやだッ、なんか変!! あぁあ! もう出ちゃう!」
「変というなら、止めてあげる」
稜の悲鳴に近い声を聞き、感じる部分からあっさりと指を抜いた。
「お願い……っ、出したい! イきたい!! きっと好きになるから……出させて! 克巳さんの好きにしていいから!!」
すると涙をぼろぼろ溢しながら俺の顔を見て、苦しげに喘ぐように頼み込む。
(――その言葉を待っていた)
「いいコだね稜。これは契約だよ、君の躰に刻み込んであげる」
快感を欲している部分に、熱り勃った太い杭を最初はゆっくりと――途中で勢いよく打ち込んでやった。
「ひゃぁっ……ふぁぁっ! あぁあ!!」
感嘆の声をあげて自ら腰を激しく動かす姿に、ほくそ笑みを浮かべてしまう。
稜の躰は、俺自身を待っていた待っていましたと言わんばかりに、これでもかと求めた。弓のようにしなる腰を持ち上げたら、ぎゅぅっと締めあげてくる。
「キツっ……くっ!」
「お願いぃっ、もっと、もっとぉ……んっ」
「ここじゃなく、もっと奥を突いてほしいのか?」
稜は声を出すのも辛いのか、両足を俺の腰に絡ませながら、首を何度も縦に振った。漆黒の長い髪を振り乱し、瞳を潤ませる姿を、瞼の裏に焼き付ける。いつでも思い出せるように――
「そんな顔してお願いされたんじゃ、断れないな。じゃあ気持ちいいトコ、たくさん突いてあげるよ」
もっと俺を求めてほしい、俺だけに感じてるその顔を見せてほしい。
彼の願い通り最奥を突きまくると、俺の腕に爪を立ててしがみついてきた。
「んっ、ひゃっ、あっイ……っくっ! やぁあっぁ! あぁああぁっ!!」
薄い胸を何度か上下させ、ビクビク痙攣しながら欲を吐き出し、ふっと意識を失う。慌てて上半身を抱き上げ、頬に触れてみた。
「稜っ、稜、大丈夫か?」
「うっ……ん……ぅうっ」
薄っすらと目を開けたが焦点が合っていなくて、ふらふらと彷徨っている感じだった。
「そんなに、俺のが良かった?」
「っ……ンンっ、克巳さ……」
長い睫を揺らし、何かを言おうとした稜の唇を塞ぐ。
何故だろうか、彼が愛おしくて堪らない。ずっと繋がっていたい、俺に縛りつけて離してやらない、絶対に――
禁忌を破るべく、稜の白い肌のあちこちに痕をつけた。己の印だと、彼に思い知らせてやりたかったから。
「稜、君の中はどこまでもあたたかくて、とろけそうだよ。できることなら、溶けてしまえばいいのにな。そうすればずっと、一緒にいることができるのに……」
両肩を掴み躰が逃げないように固定して、自ら腰を激しく前後させ、脱力しきったナカに欲を放った。
「イったあとなのに、まだ足りない……君の全部が欲しいからだろう。本当に欲張りだよな」
どんなに抱いても、稜の心は手に入らないとわかっているけど、それでも抱かずにはいられない。
「以前友人に言われた、おまえのような堅物は、恋に溺れると身を滅ぼすタイプだという台詞が、頭の中でリピートしているよ。でもどんな恋をしても冷静でいられたというのに、君に関しては違うみたいだ。実らないと思うからこそ、夢中になってしまうのかな」
しくしくとした胸の痛みを感じながら、ぐったりとした稜の躰をぎゅっと抱きしめた。この躰だけじゃなく、心も欲しいと思いながら――
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