テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
学校が始まった。いつも通り私はいろいろ揶揄される…と思ったが「ねぇねぇ!君の名前なんていうの?」見たことない男子。でもかっこいい。また名前を言って、いじめられるのだろうか…でも無視するのは違う。「ひのり…です…」小声で言った。「ひのりちゃん!?いい名前だね!そうだ!今度一緒に遊ばない?」心の雲が過ぎ去った。「おいオバケ!」うわ、またちがう人からの揶揄…「一緒に行ってあげてもいいけど…遊び」あれ?なんで?と聞くと「転校生くんと遊びたいだけだから!こんなオバケには興味ないの!」違う男子もやってきた。「おい地味オバケ‼︎俺も遊び誘えよ!入れないと知らねえぞ?」そうか。でもいつもなら私を無理やり引き剥がすのに、私は愛せる人が増えたのだろう。
朝の会
「転校生くん!名前を黒板に書いてください!」
かっかっかっかっ
「赤谷 和一」
私は何かを考えた気がした。
帰りに叔母の家に直行した。叔母は刑務所、和一くんはいない。つまり家の中はいつも1人だ。でも去年の9月に、2人になったんだよね。紙粘土で守護神の形を作ってお供えした。さあ、そろそろ帰…うわっ!何かを踏んで滑った。
オレンジジュースだった。
[写真と一緒にオレンジジュース?と映る]
好きなもの、わかってるね
fin
コメント
1件
読み終えました。まず、転校生の赤谷くんが「ひのりちゃん!いい名前だね!」って言ってくれたシーン、本当に救われましたね……。今まで揶揄われてきた中で、初めて名前を肯定された瞬間だからこそ、心の雲が過ぎ去った描写が沁みました。最後のオレンジジュースと写真、これは去年の9月に一緒に過ごした誰か、たぶん赤谷くん自身からのメッセージですよね。好きなもの、わかってるね――この一文に全ての寂しさと優しさが詰まっている気がします。続き、すごく気になります。