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・・・それから数日後。無差別動物殺傷事件の犯人たちは見事全員捕まった。
どうやら、そこでは、動物を実験していたらしく。更には人まで殺していた。
恐らく、出てくるには時間がかかるだろう。
✵✵✵✵✵
「どうやら、無差別動物殺傷事件の犯人たちは、あの神話に出てくる“エンシェント・ウルフ”を人工的に作ろうとしたようですね」
ブラックの手元には、たくさんの書類が。
「・・・?エンシェント、ウルフって?」
と、聞いたことない言葉に、すまないは首を傾げた。
「エンシェント・ウルフ。古代に生きていたとされる。獰猛な爪を持ち、魔法を使うとされる神獣です。・・・絶滅と噂でしたが。まさか、この目で見ることが出来るとは・・・」
と、ブラックは大層驚いたようにそうこぼす。
「恐らく、その人たちは、実験でエンシェント・ウルフを人工的に作ろうとし、一体は完成したが、どこか不調があったのか、言うことを聞かなかったのか、捨てられたのでしょう。そこで運がよくすまない先生が拾った。と言うことでしょう。」
「へぇ・・・」
そうすまないはこぼした。
「にしても、本当にすまない先生が拾って良かったですね」
「どうして?」
すまないの疑問に、ブラックは答えた。
「・・・エンシェント・ウルフは、“育ててくれた親によって、良い狼にも、悪い狼にもなる”という性質があります。すまない先生や天満たちが優しく育ててくれたから、彼は人を守る神獣となったのでしょうね」
と、ブラックの答えに、すまないは少し頬を染める。
「まぁ、しばらくは経過観察で見ましょう。それでは、また検査の日に」
「うん、またね」
と、ブラックとすまないはそう答えた。
✵✵✵✵✵
「わふ・・・」
と、腕の中にいるハチクは唸っていた。恐らく採血の為に注射したのだが、それが痛かったのだろう。すまないはクスッと笑う。
──エンシェント。なんて凄い名前だけど、僕らからすれば大切な家族だよ。
ふと、天満たちが手を振っていた。すまないは振り返し、ハチクと共に家族の元へと帰って行ったのだった。
END