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epilogue — jkside
僕は夜の世界の住人、ヴァンパイア
人を魅惑し錯乱させ、
その血を吸って生きている
その血糧となるのはほとんどが女性だが
ごくごく稀に、1人の男性の血を魅力的に感じてしまうことがあるらしい
その血はどんな人のそれよりも、甘く艶やかで、思わず致死量を飲みきってしまいそうになるほどなのだと言う
世界のどこかにいるという、その男性を見つけられた時初めて、ヴァンパイアは一生の伴侶を手に入れられる
だが、問題は、人間の男性の血は基本的に苦い
不味いものを手当り次第吸うわけにもいかないのだから、
僕はどうやってその伴侶を見つければいいのか分からず、途方に暮れていた
なぜ途方に暮れなきゃいけないかって?
僕はもう血に飢える生活は疲れたんだ。
世界でたった1人の伴侶を見つけて、
その首に自分の血を入れたならば、僕らは互いに半人間となれる
つまり、頭からつま先までヴァンパイアの僕が、人間の食べるものを口に入れられるようになるのだ
ヴァンパイアからの解放。
その為だけに、毎日女性を噛み殺し喉を潤しながら、
僕は伴侶を求めてさまよい続けていた