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アキデン

1 - アキデン

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2023年02月01日

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 注 意 

アキデン

語彙力 ×

キャラ崩壊

——————-‐





「 …なあ 」


「 何だ 」


「 …やっぱ何でもねェ! 」


「 何だそれ… 」


——————-‐



最近、デンジから話しかけられることが多くなってきた。

けれど、内容を伝えようとはしてくれない。


何かやったのかと不安になるが心当たりがないし…

かといって本人に聞いても絶対に答えてくれない。


どうしたものか…


「 早ぱーい!! 」


「 ん、どうした 」


「 んや、特に何もない。近くに居たから声掛けただけ。 」


「 …そうか。 」


「 おー…」


「 … 」


「 … 」


き、気まづい……!

なんで話の話題が思い浮かばないんだッ…


こういう時にパワーが居れば…ッッ!

「 んね、早パイ。 」


急にデンジが口を開いたからか、ビクッと肩が震えた。


「 ど、どうした? 」


「 …俺って、………………………………」




「 …やっぱりなんもないッ…! 」

まただ。


…何故か分からないが、言うなら今しかないと、強く思った。

深く呼吸をして口を開いた。

「 …デンジ。 」

先程の俺と同じように肩をビクッと震わせて、こちらを振り向いた。


「 …最近、よく話しかけてきてくれるのに、何で内容は伝えてくれないんだ。」






言ってしまった。


気づいた頃にはもう遅い。

目を潤ませ、口をパクパクさせている。


今更だが……この現場を一般人に見られたらとんでもない誤解を生んでしまう。


「 …場所、変えようか、」


黙ったままんまだったが、コクリと頷いていた。

デンジの手を引いて薄暗い路地裏に駆け込んだ。


「 … 説明できるか? 」


赤子をあやす様な、できるだけ優しい口調で問いかけた。

また何も言わずにコクリとだけ頷いた。


「 … 俺って、早パイにとって必要なの…? 」

久しぶりに口を開いたと思ったが、口から出た言葉はあまりにも重い言葉で…


何故かそんなふうに思っていたデンジに少し腹が立った。でも同時に悲しい気持ちも込み上げてきた。


「 …最初は。俺の家で、人でも悪魔でもなくて、ヤクザに片眼と金玉売らねぇと生きていけねぇ様なやつと同居するなんて地獄だって思ってた。」


凄く怯えたような顔をして俺の話を聞いている。


「 でも、お前が過去の話を俺にし終える度に、お前の知らない物、知らない所、全部俺が教えてやりたいとか、何で何も悪くないお前がそんな辛い思いしなくちゃいけねぇのかとか、そう思うようになっていったんだ。」


「 … なぁデンジ。」


「 … な、に… ? 」


「 世界中の皆がお前のことをバカにしたり、要らないと思ってても、俺は、お前のことを、ずっと守るよ。」


「 だからデンジ。」


「 俺の傍から離れないでくれ……」


言いたいことを全部言って、しまいには涙が溢れてきて…

カッコ悪ぃな。


「 … 俺ね、」


「 …ん?… 」


「 いつもさっき言ったこと聞こうとしてたんだけどよ、」


声が震えている。


「 お、俺、早パイのこと、好きだからッ、必要ないって、もしも言われたらすっげぇ、…イヤ、だからッ、 … 」


そんなに悩んでいたのかと、抱きしめようとした。

でもデンジがさっき言っていた言葉の中に爆弾発言が入っていた気がした。


デンジが先程まで言っていた言葉を振り返ってみる。






















ん??


好き???


好きって言ってたか??


「 …デンジ。」


「 ん、ぅ …? 」


泣いているからか、弱々しい声の返事が返ってきた。

「 す、好きって言ったか…??」


「 …言ったァ…」



oh……





今自覚するとはなあ…



こんなにも目の前の少年を、



愛しく感じるなんて。












「 デンジ。」


「 … はぁ!?!?!?」


「うおっ!?」


いきなり大きい声を出したかと思うと、顔を真っ赤にして、「ぅ……」と間抜けな声を出している。



「 なぁデンジ。」


「 ッ〜…こっち見んな!! 」


「 俺の目を見ろ。」


「 や、だぁ!!」

無理やりこっちを向かせた。

目が潤んでいて、首まで真っ赤になってて、…

変な気分になりそうだった。


「 さっき言ったこと、本当か…?」


耳元まで、口を持ってって優しい口調で言う。


「 〜 ッ!!」


「 …そうだよッッ!!」


これはもう伝えるしかない。

今更気づいた自分の本心を。


「 …俺も、」


手汗が凄い。

自分でもわかるぐらいに。


「 お前が好きだよ。 」


こいつにしか聞こえないぐらいの声で、

愛を込め、伝えた。




口をパクパクさせて、今度は手も赤くなっていた。

自分のせいでこうなったと思うと、凄く愛しくて……もっと虐めたいという腹黒い気持ちも出てきた。


「 好きだよ、ずっと好きだよ。 」

「 ッ~…!」

「 わ 、わかったからッ…! 」

「 耳元で言うの止めてくんないッ!? 」


「 …何で、」


「 ……俺、耳… 弱いから…? 」


何で疑問形で言ったのか知らないが、いい事を知れた。


「 … ふっ、そうか。 」


「 …笑ってんじゃねェ… 」




——————-‐


「 んねぇ、 早パイ? 」


「 何だ。 」


「 好き。 」


「 … 」


「 お前なぁ…」

「 んへへ、」
















絶対に離さない。

もう、何も失いたくないから。



END。

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からかうのは、楽しい(〃`𓎟´〃)

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