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「!ゼラ!!」
『レオ…!』
駅で待っていると、レオの声が聞こえ其方を向くと手を振りながら嬉しそうにコチラへ駆け寄る
「ゼラ…相変わらず綺麗だね」
『えっ?や、やめてよ……』
「ほんとだよ。あ、近くのカフェにでも行こっか」
『あ、うん…』
相変わらず思わせぶりな言葉ばかりかけてくる
昔はこの言葉を信じて、ドキドキしていたけどレオにとってこれは普通の挨拶だと分かった瞬間悲しくなったのを覚えいる
少し切なさに胸を締め付けながら、シオンはレオの後ろをついて歩いた
「……ふーん、えらいイケメンさんやん」
「このルートだと、カフェ・ひとみしりに入りそうですね」
「人は手配しとん?」
「はい、ご安心下さい」
「そ、ならたっぷり聞かせてもらおか。どない話しとんか」
そう言って路地裏の影からカラスバは不敵な笑みを浮かべ2人を見つめていた
「どう?ミアレは慣れた?」
『うん、それなりには。』
「そっか、良かった。」
薄く笑みを浮かべ、コーヒーを飲むレオは様になっていて周りの女性達をも魅了していた
あれ…でも、レオってこんな甘い匂いしてたっけ……
『ねぇレオ』
「ん?」
『レオって…香水変えた?』
「いや、変えてないけどどうしたの?」
『そっか…ううん、なんでもない!』
気のせいか
カフェだし色んな匂いが混ざっているのだろう
そう思いながら、ゼラもコーヒーを1口飲んだ
「ゼラ、こっちおいで」
『ん?わっ!?』
「このピアス、ゼラに似合うと思ったんだ」
そういってゼラの耳元へピアスを持っていく
耳にレオの手が触れピクッ、と反応してしまう
「でもこのピアスも可愛いね」
『あ、これプレゼントして貰ったの』
「へぇ、友達?」
『そ。最近初めて友達が出来たの。凄く優しい人でね〜』
「その人は男?女?」
『男だよ〜』
その瞬間レオの顔色が少し曇る
しかし目の前のピアスに夢中なゼラはそんなもの知らなかった
『今日は本当にありがとうレオ』
「ううん、会えて嬉しかったよゼラ」
『またこっちに来てね』
「うん、ゼラにも会いたいし来るよ」
レオの言葉に少し頬を染めつつ、『何それ〜』と冗談っぽく笑うゼラ
そんなゼラが動く度、ふわっと匂うオリエンタル系の匂い
ゼラが滅多に付けない香水の匂いに少し不思議に思いつつ、手を取ろうとした時だった
「あれ、そこにおんのはゼラ?」
『!カラスバさん…!!』
ゼラがレオの元から離れ、声の主の方へ駆け寄る
ふと声の主を見ると柔らかく紳士そうな男の人が立っていた
「あ、もしかして言いよったお友達さん?」
『うん。』
「へぇ、えらいイケメンさんやん。こんばんは、オレはカラスバっちゅーもんです。よろしゅう」
そう言って目を細めレオへ握手を求める
そんなカラスバを少し見たあと、レオも笑みを浮かべて手を取る
「レオと言います。ゼラとは幼馴染なんです」
「ゼラからはよう話聞いとります。なんや偉い仲良うしとるみたいで」
「はい、ゼラとは昔からの仲ですから」
そう言いながら、手を離し笑い合う2人
しかしレオはすぐに勘づいた、此奴の香水の匂いがゼラと同じオリエンタル系の香水という事に
それに、同じαということは普通の人間じゃないはず
「…ゼラ、ミアレには仕事で長期いることになりそうだから。」
『えっ?そうなの?…それは嬉しいな……』
「また日程が決まったら連絡するね」
『うん、ありがとう…!!』
ゼラが笑う、しかしその瞬間ゼラから香水の匂いではない甘い匂いが微かに漏れる
その匂いにレオとカラスバが気づく
「(この匂い…いやまさか……)」
「(ゼラ此奴、βやったよな……)」
それはβは発することのないΩのフェロモンの匂いだった
しかしほんの微かでαである2人に害を与えるほどでは無い
どこかでΩにすれ違った匂いでも付いたのだろうか
「ねぇゼラ」
『ん?』
「最近、性別審査受けたのいつ?」
『え?いや最初の性別審査以降受けてないけど……』
「じゃあ10歳前後だよね、もう20過ぎてるし1度受けてみたらどうかな?」
その言葉にゼラは首を傾げる
『え?別になんも変わってないし……』
「稀に後天性のもあるからね」
その時何かを察したのかゼラの顔が青ざめる
今の状況、両脇にいる2人はα
その2人が何かを感じたということなのだろうか?
『ま、まって…?私ずっとβだよ?本当に何もなかったよ?』
「分かってる。けど、念には念を入れてね」
『い、嫌…やりたくない』
ゼラの瞳は怯えていた
もしこれでαでもβでもなくΩになったら?
カラスバもレオもきっと自分を避けるだろう
嫌われる。好きな人に嫌われる…ミアレでたった一人の友達に嫌われる。
そんなの嫌
「ゼラ、安心して。もしゼラがΩの可能性があれば今この場にいる俺達が少なからず何か反応してるはずだろ?」
『確かに……?』
「大丈夫だから、けど念にはって話ってだけ 」
ゼラは悩んでいるように瞳を揺らす
「レオさん、そろそろ電車出るんとちゃう?」
「!!っ……ゼラ、また近くに来るよ」
『う、うん……』
「…じゃあ」
カラスバを少し見つめたあと、ゼラの頭を撫でて急ぎ足で駅へ走っていった
それを横目にゼラを見つめるカラスバ
「…オレの知り合いに医者がおんねん。そこ紹介するさかい 」
『えっ?』
「オレはどんな結果でも、ゼラから離れん。やから、安心し」
その言葉に目を見開いたあと嬉しそうに頷くゼラ
『…ほ、んとですか…?よかった……』
「それにアイツが疑ったんは、お前にほんの少しΩの匂いがついてたんや」
『えっ?』
「けど、今は全然せんし。近くにΩでもおったんかもしれんな」
その言葉にゼラは安心したように大きく息を吐く
『よかった…すみません、ありがとうございました…!!』
「医者には連絡通しとくさかい。安心し」
『は、はい…』
ゼラと別れた後、カラスバは髪をかきあげながら迎えの車の中でクツクツと笑う
「あー、あの幼馴染ごっつゼラのこと狙っとるやん」
「…結局会われたのですね」
「彼奴がすぐ手出しそうやったからな」
綺麗な顔立ちだが、中身はゼラのことしか見えていない1人の男
「(にしても一瞬感じたあの匂いは不思議やな……)」
Ωの人間が近くにいたのだろうか?
にしてはかなり近くで甘い匂いを感じた
「…ま、オレとしてもΩの方が好都合やし」
しかし厄介なのはあの男もαという事
α男とΩ女では力の差も力前
あっという間にねじ伏せて無理矢理番になんてこともできてしまう
「…出来れば彼奴がおらん内に手の中に入れときたいんやけど……」
Ωであれば、簡単に手の中に入れれる。
しかしβだと少し話が変わる
「あんま…無理矢理にはしたなかったんやけど………」
検査の結果次第ではあの手を使わんとな
そう思いながら、カラスバは煙草を手に取った
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