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放課後の図書館は、いつも静かだった。
ページをめくる音と、時計の秒針だけが、薄曇りの午後に響いている。
凛は窓際の席に座り、問題集を開いたまま赤ペンを握っていた。
雨の気配があると思っていたら、いつの間にか本降りになっていて、外の景色は白い筋で霞んでいる。
凛:「…帰るまでにやむかな、」
傘は持っているから、帰ることはできる。が、帰れば母の小言と課題の山が待っているだけだ。
だから、ここで一人静かに時間を過ごしたほうがずっといい。
__ガラッ。
扉が勢いよく開き、凛は思わずペンを止めた。
駆け込んできたのは、制服のボタンを少し開け、濡れた髪を後ろでかきあげながら笑う一人の少女。
葵:「やば、ずぶ濡れ…!」
彼女__神崎葵は目立つ存在だった。いつも明るくて友達が多く、先生に注意されても全然へこたれない。
凛とは、まるで正反対のタイプ。話したことも多分一度もない。
葵:「図書館、入っていいのかな」
葵は入り口で立ち止まり、外の雨を恨めしそうに見上げた。
凛:「静かにしてくれるなら」
凛は思わずそう答えていた。我ながら、少し冷たかったかもしれない。
葵:「ありがと~。助かった」
葵は無邪気に笑って、ずかずかと窓際の席にやってきた。
びしょ濡れの髪先から、しずくが床に落ちる。
凛:「…傘、持ってないの?」
葵:「うん、忘れた~。朝晴れてたし、油断した」
葵は苦笑いしながら、窓の外を見つめた。
普段ならこういうタイプの子は少し苦手だ。けれど、なぜかこの時は、葵と話すのが心地よかった。
雨音とページをめくる音の中に、彼女の声が少しずつ混ざっていく。
ノベル書くの初めてで、これが長いのか、短いのかよくわからないので誰か教えてくれるとうれしいです!
また次回も見に来てください!♡、コメント、フォロー、よろしくお願いします!