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麗華໒꒱·̩͙
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__天宮家に生まれた女の子の噂聞いた?__逆に知らない人はいないわよね。
__なんせ呪力の量が凄まじいんでしょ?
御三家、それは呪術師界の頂点に立つ家。
だがその御三家とは別に特別な家があった。
“天宮家”
五条家の親戚。
その噂を聞いた五条家はその子を六眼をもった男の縁談相手として選んだ。
男は知らなかった。自分の縁談相手が決まったこと、ましてや自分のはとこにあたる人となんて。
**
13歳の時、両親に連れられて天宮家の屋敷に行ったことがある。
初めて会ったのは彼女が11歳のとき、4月頃だっただろうか。
彼女は庭園にいた。彼女は庭園に咲いている紫のライラックに触れていた。庭園には様々な花が咲いていた。彼女の触れていた花を見つめる。すると彼女がこちらに気づき振り向いた。彼女が微笑んだ。
吸い込まれそうな紫の目。春の暖かい日差しに照らされた綺麗な長い黒髪、どこか大人びた印象を持った。そして触れれば桜の花びらのようにひらひらと散ってしまうような儚さを持った女の子。
━天宮花恋。
彼女に目を奪われた。一目惚れだろうか。
ただ、この時間がもう少し続いて欲しいと思った。
**
私は売られたのだろうか。両親に。愛情は人一倍に貰って育ったと思う。なんせ呪力量の多い子供。それはもう、徐々に家から出る呪術師が少なくなり衰退していった家にとってはもっと権力を持つかもしれないという唯一の希望なのだから。別に珍しくなんてない。親戚同士が結婚することなんて。より呪力や術式の強い子を産むため。権力を強めるため。あーあ、私が男だったら良かったのに。呪術師の家系に生まれた女は顔、術式、呪力量、階級全てが完璧でないとならない。完璧でないと生き残ることは難しいから。縁談相手なんて正直興味なかったし、私は所詮より強い子供を産むための道具に過ぎないのだから。そんなことを考えながら縁談相手の貴方が我が家の門をくぐるのを見つめた。貴方が来るこの日のために両親は私を着飾った。どれだけ見た目を着飾っても中身は着飾れないのにね_。
貴方と会う日、私は庭園にいた。花が好きだから。貴方を一目見た時今まで感じたことの無い、甘酸っぱい気持ちが胸で広がったのを感じた。ふと目に入った花に触れた。紫のライラック。花言葉は「初恋」。
私は貴方に恋をしてしまったのね。他のことはもうどうでもいい。ただ貴方のその綺麗な瞳に映りたい。もう少しだけこの時間が続いて欲しい。
『…』
「…」
『、、初めましてニコッ』
『天宮花恋。よろしくね、』
「…五条悟。よろしくな」
貴方と喋りたかった。貴方の綺麗なその瞳に私は映っているだろうか。ううん、そんなことはどうでもいい。私と貴方が結ばれたらいいな。両家のための道具だったとしても。それくらい私は貴方に恋をしてしまった。
**
次にあったのは7月31日。彼女の誕生日だった。彼女は庭園にいた。また花に触れていた。触れていた花は黄色い少し小さいひまわりのような花に触れていた。
「…花が好きなのか?」
『ええ。大好きよ。面白いわよね。花一つ一つに花言葉があって誕生花まで決められてるんだから。』
「…そっか。俺にはわかんねぇわ」
隣でくすくすと笑う彼女。
花なんて全然分からない。特に花言葉なんて覚えられないし覚えようともしない。
だけどその時はらしくない質問をしてしまった。
「、、、その花なんて言うの?」
『ルドベキア。』
『少し小さいひまわりみたいでしょ?』
「うん」
『7月31日の誕生花なの。』
「へー」
「花言葉は?」
『…内緒』
彼女が何故内緒にしたのか分からなかったが別に気にしなかった。
**
彼と会うのは二度目。貴方はルドベキアについて聞いてきた。花言葉を聞かれたがあえて答えなかった。私のちょっとした告白だったから。花言葉は「貴方を見つめる」
こんなこと言えるわけない。だからあなたが気づいてね。
**
彼女と出会って2年経った。俺は15歳になり高専へ入学することが決まった。彼女と少しの間離れることになった。また二年後学校で同じになるけど高専は寮なので2年間会えないことになる。わかっていてもいざ目の前にしてみれば悲しい。それほどまでに俺は彼女のことを好きになってしまったのだ。彼女と会った時、彼女の触れていた花のことがどうも頭から離れない。そしていつも花言葉を教えてくれないこと。だから気になって調べた。最初に会った時に触っていた花。紫のライラックの花言葉は「初恋」、2回目にあった時はルドベキア。花言葉は「貴方を見つめる」、そして最近会った時はブーゲンビリア。花言葉は「貴方しか見えない。」
全て彼女の触れていた花には意味があったのだ。
「…そういう事か、」
気づいたら俺は天宮家の屋敷まで来ていた。
「花恋!」
彼女は庭園にいた。彼女の触れていた花はピンクの胡蝶蘭。花恋と出会って3度目の春。
ピンクの胡蝶蘭の花言葉は
“貴方を愛しています”
「花恋、愛してる、俺はお前しか見えてない。」
彼女がニコッと笑う
『遅いよ』
そういいながらくすくすと笑う貴方はとても愛らしかった。そして俺は庭園に咲いていた白いアザレアを手に取った。
その花に触れた俺を見て彼女は一瞬驚いた表情を見せた。
**
貴方が天宮家まで来たとことにとても驚いた。今日会う予定はなかったから。私はピンクの胡蝶蘭に触れていた。貴方のことを想って。
「愛してる、俺はお前しか見えてない。」
その言葉を聞いた時やっと彼が私の行動を理解してくれたと思い、とても嬉しかった。
『遅いよ』
くすくすと笑いが出た。そしてそのことを伝えるために走ってきてくれたのだろう。
そして彼は庭園に咲いていた白のアザレアを手にした。私は驚いた。彼が白いアザレアの花言葉を知っているということに___
白いアザレアの花言葉は
“貴方に愛されて幸せ”
コメント
1件
ああ、素敵な話でしたね…!花言葉で想いを伝える彼女の繊細さと、最後にやっと気づいて駆けつける悟くんの告白、胸がぎゅっとなりました。白いアザレアの花言葉「貴方に愛されて幸せ」を彼が選んだところ、もう最高です。お互いを想う気持ちが花に乗って溢れていて、読んでいて甘く切ない気持ちになりました。続きがすごく気になります…!素敵な作品をありがとうございます🤍