テラーノベル
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色んなこととか大変なこともあったけど、なんやかんや20日たった。
稀依 「あらまっ!食べ物がお菓子だけになっちゃったねぇ」
萌百 「私たちを拾ってくれる人、探すの?」
稀依 「うん、そうよ」
蓮逢 「あ、あの、すみません…」
〇〇 「はい?なんでしょうか…って、あなたたちボロボロじゃない!何があったの?」
稀依 「あ、私から説明させていただきますね」
稀依 「実は、かくかくしかじかで、捨てられてしまって…」
〇〇 「えぇー!そんな理由で捨てられることなんてあるのかい、すんごい世界になったもんだなぁ。実に責任感のない両親だな」
稀依 「あはは!でもまあ、そうかもしれませんね!w」
〇〇 「んでーさ、あなた達はなんで話しかけてきたんだい?」
萌百 「捨てられて20日目、さすがに食料が尽きちゃったんです。なので………っ」
稀依 「わ、私たち、貴方様のためにお金を稼ぐので、なので、私たちをあなたの家に住まわせていただけないでしょうかっ!」
〇〇 「え…」
萌百 (…そんなすんなり許可してくれるわけないよね…)
〇〇 「…そうねぇ、あなた達にとって、その歳で働くことは当たり前なの?」
蓮逢 「は、はい」
〇〇 「そう。なら、あなた達と私が一緒に居れる日まで一緒にいてくれるのなら、一緒に住んで。
あなた達が私の家に住んでくれると私の都合もいいの。 」
稀依 「…え、えぇっ!いいんですか!?そんな、赤の他人が何もせずに住まわせてもらうことができるなんて…」
〇〇 「いいのいいの。事情は私の家に行ってからお話するから、ほら、着いてきてちょうだい。あなたたちの家に帰るわよ」
稀依、蓮逢 「っ!あ、ありがとうございます!」
萌百 「…あ、…ありがと、うございます」
なんやかんやあって、〇〇さんの家に着いた。
蓮逢 「…」…ソワソワ
稀依 「…!蓮逢!なんかソワソワしてる?」
蓮逢 「あ…う、うん、なんだか、変な気持ち…このおうちの雰囲気は落ち着く感じだけど、
なんだか心が落ち着いてない。…何となく、心が跳ねてて、今にも踊り出したくなるような…楽しそうな感じ。」
稀依 「その感情はきっと、わくわくなんじゃないかな?」
蓮逢 「…!わくわく…か…なんだか、嬉しい感情がわかった気がする。いま、私、多分嬉しいんだと思う。
正直、お父さんとお母さんとの暮らしは息苦しかった。それから開放されたんだなって思うと…わくわくしたんだと、思う」
稀依 「ふふ、きっと間違ってないよ。感情は基本、嘘をつかないからね!」
蓮逢 「…う、うん!」
稀依 (…!蓮逢、少し明るくなった…?)
萌百 「蓮逢の言っていることよく分からない。けど、落ち着くのは、わかる」
稀依 「おお!萌百も精進したね!落ち着く感じ、わかるようになったんだ!」
萌百 「うん。雰囲気をとられることが得意になったと思う。…でも、嬉しいも悲しいも、分からない。」
稀依 「…大丈夫だよ。いつか絶対に、お姉ちゃんがわかるようにしてあげるね!」
萌百 「うん…」
〇〇 「皆、飲み物もってきたよ」
稀依 「あ、ありがとうございます!…あ、そういえば、お名前を伺ってもいいですか?」
〇〇 「あら、まだ言ってなかったわね。私は
茉莉(まり)だよ。貴方たちの名前は?」
稀依 「私は稀依です!このピンク頭が萌百で、この紫頭が蓮逢って名前です!」
茉莉 「稀依ちゃんと、萌百ちゃんと、蓮逢ちゃん…可愛い名前ね。よろしくね。」
稀依 「はい!よろしくお願いします!」
萌百 「…茉莉さんが先程言っていた「私にとっても都合がいい」とは、どういうことなのですか」
茉莉 「あぁ…話さないとね。」
茉莉 「9年前、私にも3人の子供がいたの。長女が当時9歳で、その下に弟と妹がいて、
2人は姉弟で、当時7歳だったの。でも、死んじゃったの。
私の子供は、ここより少し遠いところの学校へ通っていたの。
旦那は3人の送り迎えをいつもしてくれてたんだけど5月7日、
対向車が旦那の車に突っ込んできて、事故で旦那と子供が死んでしまって…グスッ」
蓮逢 「茉莉さん…」
茉莉 「2年後、稀依ちゃんは9歳、萌百ちゃんと蓮逢ちゃんは7歳になる。
そう、私の子供と同じ年に生まれたの。だから、あなた達が生まれ変わって私に会いに来てくれたんだって思うと…嬉しくって…!なんて、勝手に思ってるだけなんですけどね…」
蓮逢 「…私、わかりました。なんで私がソワソワしてたのか、なんで私が嬉しかったのか、本当の理由が、わかった」
稀依 「え、苦しさから開放されたからじゃないってこと?」
蓮逢 「それもある。でも、なんだかここ、来たことある気がしたし、茉莉さんと話したことがある気がする。
私、私と萌百とお姉ちゃんが茉莉さんの子供の生まれ変わりだと信じたい…いや、信じる…!信じてるっ! 」
茉莉 「…!…ぅう…嬉しい…蓮逢ちゃん、私もなんだか懐かしい感じがするわ…」
萌百 「…茉莉さん、私も、落ち着くのは、懐かしさがあったからだと思います。」
稀依 「…私も。この家に入った時、正夢かなって思うくらい、色んな出来事がフラッシュバックしてきました!」
茉莉 「萌百ちゃん、稀依ちゃん…!」
稀依 「私たち、血の繋がりはないけど、思い出の繋がりを感じます。
…家族として、住まわせてくださいっ!」
茉莉 「…こちらこそ!」
稀依 「私は基本風邪ひかなくてー、メンタルとかも強い方だと思う!毎日元気です!」
茉莉 「あらー、そうなの!稀依ちゃんはとっても私の子(長女)と似ているのね」
萌百 「私は…特に。」
稀依 「萌百と蓮逢は感情を表に出すのが苦手というか、友達と関わる機会が一切なかったので、
感情というものが分からない感じです。」
茉莉 「あらま、そうなのね。」
稀依 「それでそれで、~が〜なんですよ! 」
茉莉 「あら、そうなの!」
蓮逢 「〜だったりします。」
萌百 「そうだね。〜な時もあるけど…」
家族って、こんなに暖かいものだったんだ…。
コメント
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蓮逢の「わくわく」という感情に気づくシーン、すごく丁寧で心がぎゅっとなりました。そして茉莉さんの過去が明かされて、子供たちが“生まれ変わり”だと信じたいという気持ちに涙が止まらなかったです。「家族って、こんなに暖かいものだったんだ」の一文に、すべてが集約されていて…本当に素敵な回でした。ぽみにゅあぁさんの優しい筆致が光ってます🌷