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さて、時間も良い感じになってレイカの集中力も切れてきた。
るう「…そろそろお昼作るか…」
レイカ「作ってくれるの!?」
るう「私が作ることはもう確定してるんだね。」
レイカ「うん!」
るう「せめて取り繕ってくれると嬉しいかな。」
るう「ところで、嫌いな食べ物とかある?」
レイカ「野菜! 」
るう「分かった沢山いれとく」
レイカ「なにも分かってない…( ;∀;)」
「グシャッ」
るう「あ……」
結果、オムライスになり、私は今片手で卵を割ろうとして失敗した。
レイカ「なに作るの~?」
るう「オムライス」
レイカ「あのオムライスのお兄さんみたいな?」
るう「私は調理部じゃないよ?」
るう「あとあれは私達に出きるレベルじゃないからね?」
レイカ「すごい否定…」
るう「作ってみようとしたことはある」
レイカ「あるんだ…」
ライスの方はケチャップとウスターソースを2対1、それと砂糖を少し、卵は一人2個使ってバターを溶かし、その間に卵と牛乳適量、塩コショウ少々を混ぜてフライパンに流し込む。至って普通のオムライス。
お母さんは昔よく作ってくれたが、作られなくなって、私が作った完全再現のオムライス。
「…ちゃちゃ!」
調味料も、全て自分で再現した。味は完璧なのに、何か満たされなかった。
レイカ「るうちゃちゃ!」
るう「へ?」
レイカ「焦げてる!」
私はハッとした。さっきまで鮮やかな黄色い卵だったものは焦げたときの独特な臭いを放ちながら焦げ茶になっている
るう「あっ…」
レイカ「早く混ぜてっ!」
レイカ「スクランブルエッグならまだ間に合う!」
ボーッとしていると、レイカが焦れったいとでもいうように私の持ってる箸を取り器用に卵を混ぜ始めた。
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るう「…ごめん」
レイカ「ん?」
るう「……オムライス…」
焦げ茶になった卵(レイカいわくスクランブルエッグらしい)はレイカの口に放り込まれていく。
るう「別に食べなくても良いのに…。
せめて私が食べるよ?」
一応、ちゃんともう1つ作り、私の分とレイカの分のオムライスはある。でもレイカは焦げ茶の卵を悪い顔1つせず食べている
レイカ「別に良いって~!そもそも私は作ってもらった側なんだし!」
るう「うん、そういうこと言いながら人参とか私の皿にさらっといれとくのやめて」
レイカ「皿だけに?…ナンツッテ」
るう「……ごめんね。エアコンの設定温度あげてくる」
レイカ「ごめんて」
レイカ「久しぶりにこういうの食べたからさ~!」
るう「そっか…病院食だもんね」
レイカ「そ~そ!看護師さんも「お残しは許しまへんで~!」って…」
るう「それ本当に言う人いるんだ…」
何度そっくりに作っても、あのときのようには満たされなかった。何かが欠けていた
でも今は満たされている気がする
るう「……ありがとう」
レイカ「え…なに?何が目的だ!?」
るう「感謝ぐらい普通に受け取りなよ 」
君と居れば、きっと私は満たされるから。