テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#いらすと部屋
クッキー
1,567
胡蝶蘭
50
1日目と2日目より長いです
いるまを見送ってから家に帰る
さっきまでは足が軽かったはずなのに
今はもう鉛の様に重い
『帰りたくないなぁ』
あぁ今が冬で良かったな
“夏目”なんて名前なんて合わない
夏なんて来ない方が良い
人に肌を見せたくない
俺の心を分かろうとしないで
分かったフリしないで
考えてば考えるほど時間が溶けてゆく
だから俺はもう家の前に来てしまっている
『帰りました…』
〈オイ!!遅ぇぞ!!!〉
ボコッ
嗚呼また始まった
『ごめんなさい』
〈チッ 謝るぐらいなら酒買ってこい
酒ぇ!!!〉
ボゴッボコッ
『だから俺未成年だから買えない…』
〈うっせぇよ!取ってこい!早く!〉
『はい…』
酒なんて買わない
そうすればアイツから少しは逃げられる
制服のままだから広い所にいれば警察に見つかる
だから狭い道に行く
金稼ぎの為
今日はいつもの常連さん
〔今日もよろしくね〜♡〕
『はいっ!』
身体を売れば金が貰える
簡単なことで人は騙される
相手に好意を持ってるフリをすれば
皆騙される
相手の中には怪我を心配してくれる人もいる
終わったら家から離れた公園とかで一晩を過ごす
警察が中々来ない穴場
ご飯はコンビニの弁当とかおにぎり
そんで朝になって家帰って父に殴られ
いつも通りの「顔」で「笑顔」で
いるまを迎えに行って一緒に登校する
こんな生活いるまだけには知られたくない
コメント
1件
つらい…読んでて胸がぎゅってなった。 帰りたくないって思うのに、足が勝手に家に向かっちゃうとことか、殴られて謝るしかできないとことか、読んでて息ができなくなる感じがした。特に「いるまだけには知られたくない」って最後の一文が、静かに刺さる…。 身体売って生き延びてる描写も、好きでもない相手に好意のフリして騙すって冷静に言える主人公が、逆にすごく痛々しい。 夏が来ないでほしい、って思わせる背景が気になるし、いるまは何も知らないんだろうなって考えるだけで切なくなる。 次も読ませてもらいますね。この“闇”の表現、好きです…🥀