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柔太朗side🤍
車は、静かなまま走っていた。
会話は、ほとんどない。
ただ、エンジン音と、たまに聞こえるだいちゃんのスマホの操作音だけ。
やがて車がゆっくり止まる。
太「じゃ、お疲れ〜」
だいちゃんが、先に車を降りる。
舜「おつかれ」
柔「……おつかれ」
短いやり取り。
ドアが閉まって、また静けさが戻る。
気まずい…
さっきから、隣の気配を意識しすぎている。
でも、見れない。
見たら、何か言われそうで。
言われなくても、何か崩れそうで。
数分後。
車が、自分の家の前で止まる。
「はい、到着」
柔「……ありがとうございます」
小さく言って、ドアに手をかける。
降りようとした瞬間、
舜「あ、俺もここで降りるわ」
柔「は?」
思わず振り返る。
舜太は、普通の顔で続ける。
舜「今日、柔の家泊まるんで」
柔「いや、は?ちょっ…」
止めようとする。
でも、
「あ、そうなの?明日二人一緒の現場だし、それだと助かります」
マネージャーに、そう、さらっと言われる。
柔「……っ」
言葉に詰まる。
その一瞬の隙に、舜太はもうドアを開けて降りていた。
舜太「ほな、お疲れさまです」
軽く頭を下げて、ドアが閉まる。
そのまま、車は発進する。
夜の静けさの中、取り残される2人。
柔「なんなんだよ」
小さく、吐き出す。
振り返ると、舜太が、少しだけ真剣な顔でこっちを見ている。
柔「帰れよ」
突き放すように言う。
柔「こんなん…気まずいだけだろ」
舜「……」
一瞬、黙って、それから、一歩近づいてくる。
舜「ごめん」
柔「……は?」
舜「でも、このままにはできんし」
真っ直ぐな声。
逃げ場をくれない。
舜「ちゃんと話したいし…ちょっとでええから、上がってええ?」
柔「……」
断ろうと思えば、断れた。
でも、何も言わないままなのも、ずっと避け続けるのも、違う気がして。
小さく、息を吐く。
柔「……好きにしろ」
それだけ言って、先に歩き出す。
部屋に入る。
いつもと同じはずなのに、空気が違う。
舜太は、靴を脱ぎながら、
舜「お邪魔しまーす」
いつも通りのテンションで入ってくる。
その明るさが、逆に、刺さる。
キッチンに向かいながら、
柔「飲み物、適当に出すわ」
舜「おー、ありがと」
変わらない声。
でも、もう限界だった。
コップを持つ手が、少し震える。
そのまま、ぽつりとこぼれる。
柔「……正直に言えよ」
舜「ん?」
柔「……引いたろ」
静かに落とす。
空気が、一瞬止まる。
舜「引くわけないやろ」
即答。
迷いもなく。
柔「……」
舜「でも…」
少しだけ、真剣な声。
舜「なんで言ってくれんかったん?」
柔「……は?」
思わず、強く返す。
柔「そんなの」
握っていた手に力が入る。
柔「親友だからに決まってんだろ」
強めに、言い切る。
一瞬の沈黙。
そのあと、
舜「……そうよな」
ぽつりと。
舜「俺もそうや」
柔「えっ」
顔を上げる。
舜太は、少しだけ視線を落としてから、ゆっくり口を開く。
舜「俺も、αやねん」
静かに。
でも、はっきり。
舜「隠してて、ごめん」
柔「……っ」
息が詰まる。
数秒、言葉が出ない。
それから、
柔「……いや」
小さく、首を振る。
柔「俺も……隠してて、すまん」
やっと、言葉にする。
その空気を、舜太が受け取って、少しだけ笑う。
そして、軽く息を吐く。
舜「やっぱ帰るわ」
柔「え?は?」
舜「いくらメンバーでも」
少しだけ、苦く笑う。
舜「αと二人きりは、気まずいやろ」
踵を返そうとする。
その背中を、咄嗟に、掴んだ。
柔「待って…」
震える手。
離したくないのに、力がうまく入らない。
柔「俺がΩでも、舜がαでも…」
声が、震える。
息を吸って、ちゃんと、言う。
柔「……これからも、親友でいてほしい」
舜太side❤️
掴まれた手。
弱くて、でも、必死で。
すぐ振り返る。
そこにいたのは…半泣きの柔。
目が潤んでて、今にも崩れそうな顔で。
なんやこれ…
胸が、ぎゅっと締めつけられる。
同時に、可愛い、なんて思ってしまう自分に少しだけ戸惑う。
でも、それ以上に、離したくないと思った。
舜「俺な」
ゆっくり、言葉を選ぶ。
舜「頼りないかもしれんけど」
視線を合わせる。
舜「これからも、柔には頼ってほしい」
少しだけ、笑って。
舜「頼ってくれへんかったら、寂しいし」
本音を、そのまま落とす。
舜「勝手なこと言ってるのは分かってる」
一瞬、息を吐いて。
舜「でも」
真っ直ぐ。
舜「これからも、柔の一番近くで…柔の親友でおりたい」
静かに、でも確かに。
その言葉に、柔が、こっちを見る。
そして、口を開く。
柔「……俺は」
ゆっくり。
言い聞かせるみたいに。
柔「自分のバース性、大嫌いだし」
視線が揺れる。
柔「メンバーだからこそ、親友だからこそ、 知られたくなかった」
少し、間を置いて。
柔「でも」
小さく、息を吐く。
柔「こうやって知られて、秘密、共有するようになった以上」
目を逸らさずに。
柔「ちゃんと向き合わないとなって思う」
柔「舜とも、親友でいたいし」
その言葉を聞いた瞬間、気づいたら、体が動いていた。
ぐっと、抱きしめる。
柔「……っ」
一瞬、驚いた気配。
でも、すぐに力が抜ける。
腕の中で、柔が、いつものように少しだけ笑う。
その感触が、やけに安心して。
よかった…
さっきまでの不安が、少しだけほどける。
静かな部屋。
でも、さっきまでとは違う。
ちゃんと、繋がってる空気。
その温度が、心地よかった。
どーも!ちゃです!
やわしゅんも進めていきたいところです…💓これから2人はどうなって行くのか…楽しみにしていただけると嬉しいです☺️
ちなみに今回、🤍から❤️の呼び方を舜太にするか舜にするか、迷いながら実はちょっと変えながら書いてます。🤍の中で弱いながらも出てくる本音の時は、舜呼びの方がしっくり来るのかなぁなんて思いながら書きました!
コメント
3件
やわしゅん最高です❣️
