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仁人side💛
付き合ったその日から、何かが劇的に変わったわけじゃない。
仕事は普通にあるし、メンバーともいつも通り。
勇斗も、変にベタベタしてくるわけじゃない。
いや、ちょっとは増えた。
勇「仁人、こっち」
移動の時、自然に俺の隣を確保してたり。
勇「今日寒くない?」
何でもないみたいな顔で、さらっと上着かけてきたり。
勇「仁人、もしかして眠い?」
撮影の合間、缶コーヒー渡してきたり。
前から優しい奴だった。
でも今は、それが全部、俺に向いてるって分かる。
だから困る。
しかも勇斗は、普通なら照れるようなことも平気で言う。
勇「今日もかわいいね」
勇「好きだよ」
勇「仁人と会えると元気出るわ」
恥ずかしくないのか…こいつ…
俺は未だに慣れない。
毎回ちょっと詰まるし、視線逸らしたくなる。
でも、嫌じゃない。
むしろ、ちゃんと嬉しい。
そんな日が続いて…
気づけば、仕事終わりに勇斗と一緒にいるのが当たり前になっていた。
勇「今日どっちの家行く?」
移動中、当然みたいに聞かれる。
仁「……うちでいい」
そう返すと、勇斗が少し嬉しそうに笑う。
最初は、たまに寄るくらいだったのに。
最近はもう、そのまま一緒に帰る流れが自然になっていた。
コンビニ寄って、適当に飯買って。
ソファでだらだらしながら、テレビ見たり、くだらない話をしたり。
特別なことなんて何もない。
でも、その時間が妙に好きだった。
今日も、勇斗が俺の家にいる。
ソファに並んで座って、勇斗が楽しそうに喋っている。
勇「でさ、太智が急に」
その声聞きながら、なんとなく隣を見る。
近い。
……勇斗の匂いする。
ふわっと鼻先を掠めた瞬間、胸の奥が熱くなる。
だめだ。
最近、勇斗が近くにいるだけでおかしい。
妙に落ち着かない。
心臓が変にうるさくなる。
でも、認めたくなかった。
まだ大丈夫だと思っていたから。
勇「仁人?」
不意に名前呼ばれて、びくっと肩が揺れる。
勇斗が少し眉を寄せる。
勇「大丈夫?」
仁「……別に」
でも、全然大丈夫じゃない。
自分でも分かる。
思い通りにならない体に、どうしてもイライラする。
熱い。
落ち着かない。
勇斗が、そっと手を伸ばしてきた。
その瞬間、
仁「……っ、今ちょっと無理」
反射で避けてしまう。
空気が止まる。
やばい、と思った頃には遅かった。
勇斗の手が、ゆっくり下がる。
勇「あ……ごめんな」
怒るかと思った。
でも勇斗は、困ったみたいに少し笑うだけだった。
勇「近すぎた?」
仁「……」
返せない。
勇「しんどいなら、今日は帰ろうか?」
その言葉聞いた瞬間、胸が、ぎゅっと締め付けられる。
勇斗が帰る。
それだけなのに…なんでこんなに嫌なんだ。
勇斗はもう立ち上がって背を向けようとしている。
その背中見た瞬間、気づいたら勇斗の服を掴んでいた。
勇「えっ」
小さく振り返る勇斗。
顔を上げられない。
仁「……帰、んな」
声が小さくなる。
情けないくらい弱い声。
でも、ちゃんと引き止めていた。
勇斗side🩷
後ろから、服を掴まれる感覚。
勇「えっ」
思わず振り返る。
仁人は俯いたまま。
でも、ちゃんと俺の服を掴んでいる。
仁「……帰、んな」
その声聞いた瞬間、心臓止まるかと思った。
さらに小さく。
仁「一人…やだ」
かわいいすぎる…
仁人は、甘えるの苦手で…
しんどい時ほど、一人になろうとするタイプだから。
そんな仁人が、自分から俺を引き止めた。
それが、信じられないくらい嬉しかった。
でも、絶対今抱きしめたらダメだって、ちゃんと分かってた。
多分今の仁人、自分でも余裕ない。
ヒート近くて、いっぱいいっぱいで、でも必死に耐えてる。
だから、
勇「……うん」
静かに座り直す。
それだけにした。
隣に座って、少しだけ距離空けて、仁人が落ち着くまで待つ。
部屋の中が静かになる。
テレビの音だけ、小さく流れている。
でも、嫌な沈黙じゃなかった。
少しして、隣から、ふぅ…と、小さい息が聞こえる。
見ると、仁人の肩から少し力が抜けていた。
多分、安心したんだと思う。
その顔見た瞬間、胸の奥がじわっと熱くなる。
……愛おしい。
本当に。
好きだから、触れたいし、抱きしめたい。
でも、愛おしいからこそ、ちゃんと守りたいし、待とうって思う。
この人が、自分から来てくれるその日まで。
コメント
5件

わあ愛おしい展開😭
今回短めですみません🙇🏻♀️💦 明日また更新予定です!