TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

knsm

一覧ページ

「knsm」のメインビジュアル

knsm

8 - kn4. 俺らなりの

♥

1,202

2024年06月28日

シェアするシェアする
報告する


『やっぱり触れたい』つづき

R18表現ありません




kn視点



あれから、メンバーで集まる日は、スマイルに近づかないように、近づかないように、と強い意志を持って行動した。もともとそんなに2人で喋るというわけでもなかったので、他のメンバーから不審に思われることもなく、ただ普通に過ごすことができた。スマイルからなにかアクションがあることを杞憂していたが、本当に全く何も無かった。

友人として過ごしたいんだから、遠回しに“あなたのことが好きかも”みたいなことを伝えてしまったのが、なにか向こう側に感情の変化を起こしてしまっているのではないかといちばん怖い。

ただ、ここで、俺は本当に彼の友人でいいのか分からなくなってきている。やっぱり俺は彼と恋愛関係に至りたいのではないのか。そもそも触りたいって言う感情が、恋愛的なそういうことをしたいって思っていることと同義なのではないのか。

分からない。俺はどうしたいんだろう…。


そんな中、LINEに彼からのメッセージが届く。


『この前のことをちゃんと話したい。今週末空いてないか?』


ついに彼からアクションがあった。一体一で会うのが怖い。ただ、俺もこの曖昧な関係はダメだと思う。とりあえず会ってみるか。


『空いてるよ。』





当日、俺は緊張していた。なんとかなるといくら思い込んでも、緊張はしてしまう。

バーで集合となっていたので、バーに向かうと、スマイルから『先に店入ってる』と連絡が来た。

バーのドアを開けると、


「きんとき、ここ。」


スマイルが既にお酒を飲んで待っていた。


「ああ、ごめん、ちょっと遅れた?」


「お前は遅れてねぇ、俺が早く来ちゃっただけ。」


彼の様子を見ると、だいぶ酔っているように見える。


「お前酔うの早くね?いつもそんなんだっけ。」


「…なぁきんとき。お前はどうしたいの?」


彼は俺の話を聞かず、カランコロンとお酒を飲みながらゆったりと話し出す。


「…俺が、恋愛的に、なんて言ったことか?」


「うん…。」


「俺はお前と友人でいたいと思ってたよ。ただ、今は分からなくなってる。」


「ふーん、そっか。俺もね、いろいろ考えてたんすよ、きんときが俺のこと避けてる間。俺はねぇー、お前に撫でられるの別に嫌いじゃなかったよ。…なんなら心地よかったかも。恋愛的な好きは無いかもだけど、受け入れはできるよ。たぶんね。」


すごく回りくどい言い回しをされていると感じる。


「どういうこと?付き合うとかそういう話?」


俺は勇気を出して直球に聞く。


「…まぁ、そういうことだよ。」


スマイルの手が俺の方に急に伸びてくる。


「なっなに?」


「……。」


彼の手が俺の頬に触れる。

ひんやり。少しビクッとしてしまう。


「確かに俺もこういうことお前にやりたいかも。」


彼はフッと目を細めて笑った。


「なぁきんとき、俺たち付き合ってみないか?普通のラブラブカップル〜とかじゃなくてさ、俺らなりに。」


まさかスマイルからそんな提案をされるとは思っていなかったから、衝撃で言葉が出なくなる。喜ぶべきなのか落ち込むべきなのか分からない。ただ、そんな関係性を俺は求めていたのかもしれない。


「スマイルはいいの?それで。」


「分からねぇ。」


俺は少し考えようとする。しかし、考えるより先に言葉が出ていた。


「…そうか、じゃあよろしく。俺らなりに付き合おう。」


「…ん。」


どうなるのか全く想像できない、彼と付き合うなんて。今までそんなこと考えたこともなかった。ただ俺は嬉しいと思っているみたい。




「あ、スマイルお前、酒のせいで明日になったら忘れたとか言うなよ絶対?!」


「言わねぇよ笑。じゃあ今日はお開きにしよう、飲みすぎて頭痛い。帰って寝る。」


「お前1人で帰れる?」


「うん、いけるよ…。あ、付き合うっていっても、互いにどういうことを求めるか、また今度ちゃんと話し合おう。」


「もちろん。」


「じゃあおやすみ、またね。」


「おやすみ、また。」



loading

この作品はいかがでしたか?

1,202

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚