テラーノベル
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初投稿です。何故か妹から小説を書かされました。
よろしくお願いします。
誤字脱字等はご容赦くださいませ。😭
死ネタ、nmmn注意でございます。
ーーねぇ、まだ俺の相棒で居てくれる?
雨が降っていた。人気のない廃ビルの一室。割れた窓から吹き込む風が、床に散らばった書類を揺らしている。
「……やっと見つけた。」
緋八マナの声に、窓辺に立っていた男が振り返った。
伊波ライ。
かつては同じ制服を着て、同じ正義を掲げていた男。
今は黒いコートを羽織り、政府から指名手配されている「ヴィラン」。
「あ。マナじゃん。」
まるで、いつもの待ち合わせに少し遅れてきた相手を迎える様な口調だった。
「久しぶり。元気にしてた?」
「………ライ。」
「ん?」
「何してんの、ほんまに。」
ライは首を傾げた。
「何って?」
「とぼけんなや。」
マナは一歩近づいた。
「お前がやったこと、全部見た。研究施設の襲撃も、ヒーロー達への攻撃も………街の被害も。」
「うん。」
「…………人、死んどるんやぞ。」
「そうだね。」
あまりにもあっさりとした返事だった。
マナの拳が震える。
「……なんでや。」
「何が?」
「何で、そんな平気な顔してられんねん………!」
声が裏返った。
怒っているはずだった。
目の前の男を殴りつけて、胸ぐらを掴んで、どうしてこんなことしたのか問い詰めてやりたかった。
なのに。
顔を見るとできなかった。
いつも通りの顔だったから。
少し眠たそうな目も、気の抜けた立ち方も、言葉の最後にほんの少し笑う癖も。
何も変わっていないように見えたから。
「………なぁ、ライ。」
「んー?」
「俺、まだ信じられへん。」
マナは唇を噛んだ。
「お前が、ほんまにこんなことする人間やって。」
ライは黙っていた。
「俺ら、一緒にヒーローやっとったやん。」
「……うん。」
「おまえ、いつも言うとったやん。困った人がいたら助けるんが俺らの仕事やって。誰かが泣いとったら、そいつが笑えるようにするんがヒーローやって。」
「言ってたね。」
「俺、あれ………ほんまに好きやってん。」
マナの声が小さくなった。
「ライのそういうとこ、ほんま好きやった。」
雨音だけが響く。
ライは笑わなかった。
「…………そっか。」
「せやから、今のお前がわからへん。」
マナは顔を上げた。
「何があったん?」
その問いに、ライの瞳がほんのわずかに揺れた。
「………別に。」
「嘘や。」
「嘘じゃないよ。」
「嘘やって!」
マナが叫ぶ。
「おまえ、昔っから嘘つくとく、目ぇ逸らすやん!」
ライの視線が止まった。
「まだそんなこと覚えてるの?」
「覚えとるに決まってるやろ!」
マナは一歩、さらに近づいた。
「何年一緒に居たと思っとんねん。お前のことずっと見てきたんやぞ。」
「…」
「お前が無理して笑う時も、ほんまはしんどいのに大丈夫っていう時も、全部…………」
声が詰まる。
「………全部、知っとるつもりやったのに。」
ライはゆっくりと目を伏せた。
「………マナ。」
「うん。」
「君ってさ。」
いつもの、少し気の抜けた声。
「ほんっとに変わんないね。
「………は?」
「昔っからそう。何でもかんでも信じて、何でもかんでも背負い込んで。」
ライは笑った。
「自分が傷つくってわかってても、絶対に手ぇ話さない。」
「それは………」
「それで、何人救えた?」
マナの言葉が止まる。
「君が助けた人たちは、今も君のことをヒーローって呼んでくれる?」
「……」
「君が守った正義は、君を守ってくれた?」
「やめてや」
「ねぇ、マナ。」
ライが振り返る。
「マナの信じてるものって、本当に正しいの?」
「………やめろ」
「それとも、正しいって信じていないと、自分がなんのために戦ってるのかわかんなくなっちゃう?」
「やめろって言うとるやろ……!」
マナはライの胸ぐらを掴んだ。けれど、殴ることはできなかった。その代わり、必死で顔を覗き込む。
「……なぁ。」
声が震えていた。
「頼むから、もうやめてくれ。」
ライは何も言わなかった。
「お前が何をみたんか、何があったんか、俺にはまだわからへん。でも、話してくれたらええやん。」
マナは手を離した。
「俺にできることならなんでもするから。」
「………なんでも?」
「うん。」
「俺が今まで傷つけた人たちにどう償うのかも?」
「一緒に考える。」
「俺がもう昔みたいなヒーローに戻れないとしても?」
マナは一瞬だけ目を伏せた。
それでも答えは変わらなかった。
「それでも。」
そして、笑った。泣きそうな顔で。
「それでも、俺はお前と一緒に帰りたい。」
ライはじっとマナを見つめた。
「……」
「なあ、ライ」
マナは手を差し出した。
昔、任務が終わるたびに交わしたハイタッチのように。
何度も何度も、当たり前に伸ばしてきた手。
「戻ろう」
その言葉は、ひどく優しかった。
「一緒に帰ろうや」
ライの目が、わずかに見開かれる。
「……もう、ええねん」
マナは微笑んだ。
「もう一人で頑張らんでええから」
ライは何も言わなかった。
差し出された手を見つめている。
それから、ゆっくりと顔を上げた。
「……そうだね」
小さな声だった。
「帰ろっか」
マナの顔が、ぱっと明るくなった。
「……ほんま?」
「うん」
「ほんまに、戻ってきてくれるん?」
「……うん」
ライは微笑んだ。
昔と同じ、あの笑顔で。
「マナがそう言うなら」
「……っ、ライ!」
マナが一歩、近づいた。
その瞬間だった。
ライの手が、マナの背中へ回る。
抱きしめるような、懐かしい仕草
マナは何の疑いもなく、その腕を受け入れた。
「……よかった」
小さく、マナが呟いた。
「ほんまに、よかった……」
ライの肩に額を寄せる。
「俺、ずっと……お前が帰ってきてくれるん、待っとったんやで」
「……うん」
「また一緒に、ヒーローやろうな」
「……うん」
ライの手が、マナの背中で動いた。
金属が擦れる、小さな音。
マナがそれに気づいたときには、もう遅かった。
どうも。
47
めあ
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@ ぉよよ
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コメント
1件
読ませていただきました…!冒頭から惹き込まれました。何より、関西弁のマナの必死な想いがまっすぐ伝わってきて胸が詰まりました。「嘘つくとく目逸らすやん」って台詞、長年の距離を感じさせて大好きです。ラストの抱擁からの転調、あれは反則です…。まだ1話なのに、このふたりの過去とこれからが気になって仕方ありません。初投稿とは思えない、大切に育てたいお話だと思いました🌷