テラーノベル
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【1日目】
sh視点
全身の痛みとともに目を覚ます。
心地よい温度感に身を任せてもう一度意識を沈ませかけた時、腕の違和感に気がついた。
sh「、はッ…っ、ッ?」
身体の後ろに回された腕を動かそうとすると、両手が離れることはなく金属音がなるだけだった。
もともと、ここは何処なんだ。
空調は効いているが、電気はついていない。
遮光カーテンの隙間から僅かに差し込む陽の光を頼りに周りを見渡す。
片側が壁につけられたシングルベッド。
モニターとマイクが設置されたデスク。
部屋に馴染んだゲーミングチェア。
上半身を起こしてベッドから足を下ろす。
ふわりと沈みこんだラグに少し驚いた。
しばらく眠っていたのだろうか。
力が入りづらくなった足を無理矢理動かして扉に近づく。
何が起きているのかわからないままただただ脱出を試みた。
ドアノブに手をかけた瞬間、がちゃりと音を立てて扉が開く。
kn『あれ、起きたの』
sh「誰だお前、っ」
kn『うーん、』
目の前の男はくすりと鼻で笑った。
そのまま肩を押されてベッドに座らされる。
sh「なんだよ、何が目的なんだよ」
kn『そんなに怖い顔しないでよ、怖いことしないよ』
sh「やめ、ろッ」
頬を撫でる手に反射で顔を背ける。
それでもなお、俺を見ては笑顔を浮かべる男がとにかく気持ち悪い。
そんなことを考えていると突然両肩を捕まれた。
sh「おま…離せ、っ」
kn『ねぇ、』
sh「…んだよ」
kn『まずその口のきき方どうにかしようか』
微笑んだ表情のその裏に、黒いなにかを感じた。
kn『はい、まずルール1、この部屋から勝手に出ないこと』
kn『ルール2、ご飯は残さず食べること』
kn『ルール3、お風呂は一緒に入ること』
kn『ルール4、トイレは必ず申告すること』
kn『ルール5、俺の言うことに絶対従うこと』
kn『分かった? 』
sh「意味わかんねぇ、なんで俺がこんなことになってんだよ」
kn『今の説明でルールが理解できたかって聞いてるんだけど』
sh「だからなんで俺がこんなふざけたルール守んなきゃなんねぇの」
kn『それじゃ質問の答えになってないよ』
sh「まず事の経緯を説明しろよ、そこからだろ」
kn『…わかった』
kn『お金無くて困ってたんでしょ?だから俺が買ってあげたの、意味わかる?』
sh「買った…?」
kn『だから主従関係にあるべきだよね』
kn『これからは俺がルール、わかった?』
金に困っていたのは事実だが、俺がいつ売られたというのか。
kn『ねぇ、わかった?』
sh『はぁ…、っ』
kn『理解できた?』
sh「理解っていうかッ」
kn『わかったかって聞いてんだけど』
sh「いゃ、え、…っ」
kn『YesかNoか』
kn『答えられないの?』
kn『答えられないなら力づくにでもYesって言わせるけど』
sh「わか、った…、ッ」
kn『うん、” わかりました ” ね?』
こんなところでやってられるかよ。
コメント
2件
新連載だぁぁぁぁッッッ 最高ჱ̒˶ー̀֊ー́ )めっちゃ読む