昔々…、あるおじいさんと少女がいました。
少女は毎日の様におじいさんの家を訪ね、楽しそうに笑っていました。
ある日少女はおじいさんに
「どうしていつも1人なの?」
と聞きました。
おじいさんは少し黙ったあと、
「いつでもみくらが来ていいように独りなんだよぉ。」
と言いました。
……その日から、おじいさんには会えなくなりました。
その時少女は幼かった為理由に気が付きませんでしたが……。
__という夢を見たような気がするんだ。
結構昔の記憶な気がする……。
今はもう詳細を思い出せないけどね。
だってもう約1000年も生きてるんだから…。
今更だけど、あたしはみくらって言うんだ!
泡沫みくら、ベニクラゲなんだよ〜!
人間さんとお話することが大好き!
……理由は忘れちゃったけどね…。
だから、今日もお話にいくんだ!
よくお魚さんに止められちゃうけど、今はいないから今のうちに〜、!
彼女は人間の姿になって海から出てくると、人間がいないか探しはじめた。
そして1人の人間を見つけると、嬉しそうに駆け寄っていった。
「人間さん、お話しよ〜!!」
すると人間は驚いて、1歩2歩と後退りをした。
「……何?」
人間は明らかに不機嫌な態度をとっているが、みくらはそれに気付かずに話を続けた。
「人間さんのお話が聞きたい、!」
みくらは目をきらきらと輝かせている。
「…、このあと私は用事があるの。悪いけどそのお話とやらはできないわ。」
人間がそう言うと、みくらは納得して帰っていった。
「……気持ち悪い…。」
自分とは異なる存在に、人間は不快感を覚えている。
納得して帰ったみくらは、こんなことを思った。
(なんで、いつも楽しい筈の会話が物足りなく感じるんだろう…。)
(あたし、おかしくなっちゃったのかな……。)
人間との会話で心が満たされないことに不安を感じていた。
人間が嫌いな訳では無いし、話すことが嫌いな訳でも無い。
まるで心にぽっかり穴が空いたみたいだ、と思った。
今まで、みくらは過去の出来事から
人間と話すこと=楽しいこと
という方程式が成り立ってしまっていたのかもしれない。
その思い出を、大切に宝箱にしまっていたのに。
いつの間にか無くしてしまったみたい!
探さなきゃ、と思うといてもたってもいられなくなった。
……謎の衝動感に駆られた。
kaiyouseibu no sagasimono
1、 失くしもの
というのを、書いてみたらどうだろう。
私の日記を元に、独り芝居をしよう。
ちょうど記憶整理にもなるし。
まだ、見つかってないのだから__。
コメント
14件
めちゃくちゃ楽しみすぎる件について(?)