テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
2件
ぴょん?!??!??????!!!!
「ただいまー」
「お帰り」
「はい、どうぞ」
「ありがとう!」
コンビニから買ってきたものを小柳君に手渡す
どうやら彼は今焼きそばパンにハマっているらしい
コンビニまでは歩いて10分もかからないのに小柳君は出たがらない
この生活に慣れてくると懐かしい小柳君が見れて嬉しかった
「こんな夜中にそんな物食べて‥‥太っちゃうよ」
「でも俺結構食べてても太らないんだよな。体質かな?」
「そうかもね」
そうだよ
昔からそうだったよね
でも俺はそれを言わない
それはあなたから教えてもらった術
慌てる必要はない
なんなら思い出さなくても良い
これから作っていけば良いだけだから
そう
頭ではわかってる
でもこの時は違う
夜
隣で眠る小柳君を見ている時
あれから数ヶ月
日中は笑いながら楽しく過ごしている
でも夜になると寂しくなる
すぐ側に小柳君がいるのに‥‥
触れられる距離にいる
触れられない人
小柳君は俺が記憶なくなった時
どうやって過ごしてきたんだろう
少しなら触れても良いかな‥‥
ゆっくりと手を伸ばす
そして小柳君の背中にそっと触れてみる
「‥‥‥‥ん」
「‥‥‥‥!」
俺は慌てて手を引っ込めて息を止め、目を瞑った
布団の中でモゾモゾと動く音
それが止まるとまた静寂に包まれる
俺はゆっくりと息を吐きながら右目だけを薄く開けていく
「‥‥‥‥はぁ」
小柳君はこちら側に顔を向けて寝ている
寝返りを打っただけの様だ
ただ背中に触れるだかでこんなにドキドキするなんて‥‥
これって本当に起きてないよね?
一度触れてしまったら衝動が収まらない
顔のすぐ側にある軽く握られた左手
その握られた手の間に自分の人差し指を差し込んでみる
それは赤ちゃんの様に俺の指を握った
「‥‥‥‥寝てる?」
「‥‥‥‥‥‥」
「寝てるよね」
もちろん返事はない
俺は何してるんだ
遊んでいた指を静かに引き抜こうとした
でもゆっくりと動かすと抜けそうもない
「‥‥離してよ」
自分から入れたのに俺はふざけて小柳君にそう言った
「ねぇ離してって、ぴょん‥‥」
ふと力が弱くなり指が抜けた
そして何気なく小柳君の顔を見る
大きな瞳と視線がぶつかり、俺は思わず声を上げた
「うわっ!」
「‥‥‥‥‥‥」
「ごめん、起こしちゃった?」
そう言って小柳君を見ていると、薄い唇が少し開く
その唇が何故か震えていた
「小柳君?」
「お前‥‥‥‥」
.