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階段からドンドンと誰かが降りて来る音がした。


「おや、アンタらだけで泊まりに来たのかい?」


杖をついて出ててきたのは、髭が長い老人だった。


「は、はい!俺ら、今すぐ休みたいので部屋を貸して欲しいんですが…。今日寝るだけなので、そんなに長居はしません。」


「いやいや、全然大丈夫じゃよ。部屋は何個も余っておる。」


老人は、カウンターに来ると引き出しを開けてガチャガチャと何かを取り出し、差し出した。


「これ部屋の鍵じゃ。部屋は基本的に何でも揃っておるから、安心しなさい。」


「お腹は空いておらんか?それか飲み物なんかも。必要なら、後で部屋へ持って行こう。」


ヒューゴは、ミリーの方をチラッと見る。


「ミリー、お腹空いてるか?」


「……飲み物だけでいい。」


「じゃあ、俺も。……飲み物2つお願いします!」


「分かった。じゃあ、部屋は申し訳ないがお嬢さんは101号室へ、坊ちゃんは109号室へ行ってくれ。」


(部屋余ってるのに、随分離れてる。)


それぞれ鍵を貰い、階段を上る。階段は、今にも壊れそうな程ギシギシと鳴っている。


「やっぱり部屋変えて貰えば良かったな。離れてるから、何かあったら駆けつけられないし。」


「…それについて話したいことあるから、私の部屋入って。」


「お、おう。」


数分後…


「じゃあもうそろそろ寝る。」


ヒューゴがドアノブに手を掛けようとしたとき、思い出したようにミリーに向き直る。


「ああ。……なぁ、1つ謝りたいことあるんだ。」


「何、早くして。」


「お前の魔法は凄い!正直、お前は魔法が使えない魔女だって知っててあの日助けを求めたんだ。」


「えっ…。」


「でも、俺は知ってた。深夜の数日前に路地裏で魔法を練習してたところ。だから!魔法が使えない魔女なんてことは嘘だって分かってたんだ。本当は、魔法使えるのに。」


「魔法は…使えるけど魔力が弱くて…使えないのとほぼ同じ…。」


「魔力が弱いとか魔法が使えない魔女とかそんなのは関係ない。あの時、今にも消えそうな親父を救ったのは紛れもなくお前だ。」


「だから、、本当に感謝しているんだ。」


「…ありがとう。…私もあの時怒鳴ってごめん。」


トントン


「誰か上ってくるぞ!」


「じゃあ作戦通りに。」


ガチャ


「ミリーさん、アップルティーを入れたぞ。 お口に合えば良いんじゃが。」

「ありがとう。……戻らないの?」


「っ!?…では。」


ガチャ


プルルルッ


「はっ…!電話…!」


老人は、サッと受話器を手に取る。


「すまん、すまん。さっき電話くれとったやろ?席外してほんますんません!」


「で、話によると今おるんやな?」


「ああ。とりあえず、睡眠薬を入れた飲み物を渡したぞ。」


「おんおん、優秀!深夜、オレと部下の1人連れて行くからよろしゅうなー。」


「はあ。了解じゃ。」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


深夜


サッサッ


「まさか2人だけで行くなんて…馬鹿過ぎる。」


「ええやろ。ていうか、先輩に馬鹿って何なん!?」


「馬鹿は馬鹿。相手は魔女分かんない?僕も爆弾女も逃しちゃったし、あんまり舐めない方がいい。」


「言っとくけど、あの魔女は魔力が弱いねんで。だから、ほぼ能力無し。」


「うわ、知ってるなら早く言えよ。……もう〜ねむ!」


「お前らのせいでここに来とるんや、文句言うな。収穫無しには、帰られへん。」


「あー、そうですかー。…あっ、そういえば魔女以外にもいたような。あのオジサン、ヒューゴって言ってたっけ?」

「あ〜、、あいつおるんやな。なんか楽しくなって来たわ!!」


「なに、キモ。」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ガチャ


「うわぁ…古すぎ。この建物。」


謎の男性達が、宿屋に入るとぐるっと周りを見渡す。


「待ってたぞ…。魔女は、101号室。もう1人は、109号室じゃ。」


「ヒューゴってヤツも捕まえる?」


「…いや、魔女だけでええわ。」


「…分かった。」


2人は、101号室の扉の前に立ち、関西弁の男がそっと扉を開ける。


ベッドが少し膨らんでいた為、ミリーはそこにいるんだろうと関西弁の男は 考えた。そして、ベッドの毛布を勢いよく取った。


「……!?」


「は?」


ベッドの中にいたのは、ミリーではなかった。ヒューゴだったのだ。


「部屋を交換してしみたんだ!ミリーの提案だぞ……え?」


ヒューゴは、関西弁の男の顔を見た瞬間青ざめた。


「ヒューゴやん!オレ、会いたかったんやで!」


ぎゅーっと強く抱きしめられ、ヒューゴは思考停止していた。


「なになに?どうでもいいんだけど、じゃあ魔女どこ?」


「ねえ、キミ早く教えて。」


「………。」


「はぁ…あの魔女と一緒。……でも、コイツを置いてあの魔女が逃げる訳ないよね。」


「そうやな!じゃあ、早いとこ見つけよか。」


関西弁の男は、長い剣を出し、ヒューゴの首元に当てる。


「…ソイツ、お前の知り合いじゃないの?」


「知り合いやなくて、兄弟やで。…今は敵同士やし、あの魔女の居場所を今は吐いてもらわなあかんしな。」


「ヒューゴ、はよ教えて?教えらんかったら、血の繋がってる兄弟でも殺すで?」


「………!?」



あの魔女を殺して下さい。

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