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ある日、タカシは深夜の再放送で『HUNTER×HUNTER』を見ていた。 その中で銀髪の少年・キルアが、何事もなかったかのように「家庭の事情でね」と言い放つシーンを見て――タカシの心に雷が落ちた。
「かっけぇ……俺もキルアになる!」
翌日。
タカシは白髪染めで髪を銀色に変え、腕には100均で買った“傷跡シール”を貼って登校した。
「おい、タカシ!その傷、大丈夫か!?」
クラスメイトが青ざめる。
タカシは決め顔でこう返す。
「……この程度の痛みは慣れてる。家庭の事情でね」
「え!? ガチ!?」
クラス全員がざわつく。
さらに休み時間、女性の先生が駆け寄ってきた。
「タカシくん!その腕……どうしたの!?」
「……この程度の痛みは慣れてる。家庭の事情でね」
教室の空気は完全に凍りついた。
タカシは内心ニヤリと笑う。
(いや俺完全にキルアだわw ほんとw)
放課後。
鼻歌交じりで帰宅したタカシを待ち受けていたのは、まさかの展開だった。
――ピンポーン。
玄関のチャイムが鳴る。
「はーい」母が出る。
「失礼します。児童相談所の者です。お宅で虐待があると聞きまして!」
「え……?」
タカシは固まった。