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獪善♀
※月経表現あり
獪が善に少し甘です
獪side
ガチャ
善 あっ…!おかえり〜 (泣)
獪 げっ…
このソファでお腹をさすりながら俺に助けを求めてくるかのようなマヌケずらをしているやつは義妹の善逸。
お腹をさすってる理由はなんとなく理解できる。
獪 お前、生理中?
善 はーっ!?アンタにはプライバシーとかいう概念ないわけ!?
獪 いちいち騒ぐな。今更だろ。
善 そんなド直球に言われたらなんか恥ずかしいじゃんやめてよ!
獪 うるせー
プンプンしやがって。腹痛いなら横になって寝ときゃいいだけの話だろ。
そう思いながら俺はだる着に着替えてまた家を出ようとする。
善 えっ、ちょ、どこ行っちゃうの?
獪 おまえに関係ねーだろ
善 もーーーせっかく誰か帰ってきたと思ったのにー!!ひどすぎるー!!
獪 せいぜいぼっちで映画でも楽しんでろよ。
じゃーな
行き先を言うのは俺のプライドが許さなかったから後ろから聞こえる俺を呼び止める声を無視して家を出た。
ガチャ
善side
あーあ行っちゃった。
ただでさえ辛いってのにまた一人じゃん。
獪岳は昔から冷たかった。
昔から変わったことといえば、時々優しさを見せてくれるようになったこと。
善 は〜……。
ひとりで暇だし、獪岳が言ったとおり映画でも見よーっと。
獪岳が家を出てから1時間たった頃。
ガチャ
善 あー!!やっと帰ってきた
どこまで行ってたの もー!!
リビングに入ってきた獪岳は、右手にビニール袋を持っている。
善 買い物してきたの?
獪 ……。
獪岳は自分の問いかけに一切答えず無言でこっちに向かってくる。
善 え、なに、こわいんだけど。ちょっ!
獪岳が右手に握ってたビニール袋が自分をめがけてふっ飛んできた。
善 え…、これ、
中身には暖かい飲み物と俺がだいすきな桃のスイーツその他もろもろが入っていた。
善 わざわざ買ってきてくれたの!?
おれのために!
獪 お前以外誰がいるんだよ。
獪岳の珍しい優しさが嬉しすぎるあまり、思いっきり前から抱きついてしまった。
でもそれくらい嬉しかった。
いつも通り突き放されるだけだろうと思っていた矢先、返ってきた返事は 背中に伝わる温もりだけだった。
善 ……なんか珍しいね 笑
獪 うるせえ。
善 ひひっ 笑、ありがとう獪岳!
獪 ………そんなことより腹あっためろよ
善 獪岳はあっためてくれないの?♩
獪 調子のんな。ぶん投げるぞ
善 ひどい!!
そんなこと言っときながら、結局獪岳はうしろから俺のお腹をさすってくれたりカイロであっためたりしてくれた。
獪岳の耳は終始真っ赤だった。
END