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どういうこと…?
「ウィル…?」
ウィル「…はぁ…めんどくさ…」
え…?なに?どういうこと…?
ウィル「ほんとにやめてくれない?」
ルシィ「と…言いますと…?」
ウィル「あんたは…俺の婚約者でもなんでもないでしょ…?思想が強い妄想は辞めてくれないかな?」
ルシィ「…は?殿下…何を言って…」
ウィル「…ルイス…連れてって…精神病棟にでも入れといて」
ルイス「御意…」
ルシィ「?!ちょっと離してくださらない?!」
ルイス「大人しく着いてきてください」
ルシィ「ッ…くそっ!ブォンッ!」
ウィル「!オルカ…ッ!危ない!」
やばいわ…これは避けられない…
ウィル「ッと…オルカ…?平気?怪我してない?」
「えぇ…それより…ウィル!貴方の手の方が…ダメよ!止血できてないわ…」
ウィルは私に向かって投げられたフォークをキャッチして…
その時に刺さったのね…流血が…血が止まらないわ…
私…あの能力…今人魚じゃないけれど…使えるかしら
「ウィル…手を見せて…?」
ウィル「…ん?はい」
よし…
「ッふ…」
私が力を使うと…ウィルの手が光を放っていた
ウィル「…おぉ…治ってる…」
「よかったわ…まだ使えて…」
ウィル「これは…?」
「私の能力よ…人魚は王族のみ能力が与えられるの…私は治癒と水を操る能力」
ウィル「それは…ここで言わない方が良かったんじゃ…チラッ」
男爵「皇女様ッッッ!!!是非私の息子と婚約を!」
公爵「いいえ!私の子と!!!!!!!!!!」
男爵「なんだと…ッッッ?!?!」
どこでも…やっぱり私を能力として…皇女としてしか見てくれないのね…
けど…それはウィルもだわ…
「醜い争いね…」
ウィル「しょうがないんだよ…王族である以上」
「…そうね…」
ウィル「ふふ…オルカ…!こっちに」
「?ええ」
急に手を出されてびっくりしたわ…!ウィルは普通に…か…かっこいいし…優しいしで…私…好きになりそうだわ…
なんて…いけない!いけない!私は皇女だとしても…人魚では無い限りただの平民よ!…そんな…第二王子なんかに恋をしては行けないのよ…
ウィル「ここなら落ち着けるでしょ?」
「あら…素敵ね…!」
ウィル「ふふ…よかったオルカが笑顔になって」
「私…そんな酷い顔をしてたの?!」
ウィル「…ずっと苦しそうな顔をしてたよ…」
「…!でも…それはウィルも同じではなくて?」
ウィル「…!よく気づいたね…」
「あの完璧な笑顔の裏には何かは絶対あるものね…私と同じだから…わかるのよ」
それは…
「ウィルも同じでしょ…?」
ウィル「うん…そうだね…俺も同じだよ」
「ふふっw…」
こんなに気を許してお喋りできることなんてないんだから…まだ王宮に住まわせて貰ってるうちに楽しまなきゃ…!
ルイス「もうそろそろ帰りますか」
ウィル「ルイス?!…いつの間に」
ルイス「…?先程からずっと居ましたよ…?」
ウィル「そんなことにも気づけないなんて…俺ももう少し鍛えないとね…w」
ふふ…こんな毎日が続けばいいのに。
そんなことを思いながら…行きと同様にウィルの手を取り馬車に乗る
馬車に揺られていると気づいたことがある
正面に座っているウィルが…こんなにも静かだということ…
行きはあんなにも喋っていたのに
「ウィル…?疲れているでしょ…?」
ウィル「…バレちゃった…?」
「こんなに動いたのだから…疲れるのは当然よ…だって…貴方だって第二王子なんて地位がなければただの人間なんだもの」
ウィル「!やっぱり…オルカは違うね…みんなそんなこと言ってくれなかったのに…」
「…!ウィル…?」
ウィル「うん?どうしたの?」
月明かりが美しい彼の髪に透ける
今の表情も相まって…いまにも消えそうな…儚い…妖精みたいね…
これだけは言わなくちゃ…
「ウィル…隣に行ってもいいかしら…?」
ウィル「うん」
「ウィル…貴方は一人しかいないのよ…?貴方が第二王子という地位に疲れたなら放棄もしていいと思うし…逃げてもいいわ」
「貴方は人間で…人間には人権が…人間として生きる権利があるもの…ずっと疲れて…もう嫌と思っていて」
「辞めたいのに辞めれなくて…いやいややっているのは…違うと思うの…それは人ではないわ…もの見たいね…」
「つまりね…言いたいことは…」
「あなたも人間なのだから」
これは私の大事な人が言ってくれた言葉
“地位なんかただの名前に過ぎないから貴方の好きなように生きなさい”
「地位なんてただの名前に過ぎないのだから…好きなように生きてもいいのよ…今までよく頑張ったわね…」
ウィル「…!ありがと…!もっと好きなように生きてみるよ…」
「ふふ…ねむかったらねてもいいのよ?w」
ウィル「それもバレたか…じゃあちょっと借りるね」
なにを…?
ポスッ
「わわわウィル?!」
ウィル「ちょっとおるか寝られないでしょ…?クスッ」
「はぇ…」
ウィルのいじわる…