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「そうだった、自己紹介が未だだったね。」
「私は森鴎外、仕事は__此の小さな寄合いの統括者だ。」
突如目の前の人物が自己紹介しはじめたことに着いていけず、云うべき言葉が或る筈なのに、缶にへばり付いた飴のように支えて出てこない。
「んじゃ改めて自己紹介だ、」
「俺の名前は中原中也、幹部だ。」
え、え、え、???
何自然に自己紹介してるの?
スマートってやつ?
え???
あ、之私が自己紹介するタイプか。
そうかそうか。
御二人共私のこと見過ぎでは?
顔面に穴が開く。
私の土砂崩れ、、否、雪崩を起こしている顔面に穴が、風穴が空いちゃう。
やめましょう((
「私の名前、は。」
やっべ之本名言ったらさ「え?調べても戸籍無いけど?」って言われるタイプ(
「偽名ですけど藤宮乃ノ香です。」
「は???」
○。._____________
首領が自己紹介をし、俺も自己紹介をした。
眼の前の少女を見れば慌てながらも自己紹介を始めた。
「私の名前、は。」
一呼吸分間を開け、澄んだ声が響いた。
「偽名ですけど藤宮乃ノ香です。」
「は???」
此奴、今偽名ッつったか???
疑問に思ったのは俺だけではなかった様で首領も固まっている。
偽名、詰り本名を明かす心算がない、と?
余りの事に驚き、首領と目が合う。
どうやら同じことを考えているようだった。
軽く首肯が返ってきたので座っていた椅子から立ち上がり__
少女の首に手刀を入れた。
○。._____________
偽名を名乗った少女。
妙にゴロが良い、、語感で選んだことが判る偽名だった。
少女は何とも云えない顔をしている、が。
其の瞳には決意の光が煌やいていて。
誰に何と言われようが意思を曲げない頑固者の様な表情だった。
少しの間迷った末に、中也くんの方を見れば椅子から軽く腰をあげていた。
彼がしようとして居ることは手に取るように判った。
其れが、此の場の最適解だからだ。
中也くんも随分と私の云いたいことが判るように成ってきたねえ、
そんな風に垣間見える成長をじんわりと噛み締め、首肯した。
相変わらず偽名を名乗った少女は未だ此の現状を把握しきれていないようだったが。
中也くんが素早く手刀をくらわせ、狙い通り少女の躰から力が抜けた。
脳震盪を利用した気絶だ。
「中也君、彼女を地下牢へ」
無言で頷き、少女を地下牢へ運び出す中也君。
その表情はもう少女に同情し、憐れむ表情ではなく。
感情を廃絶した中也君で。
そう云えば中也くんと合うのも久しぶりだなあ、あれ、そんなこともないか。
なんてどうでもいいことを考えていた。
此の先で、どうなるかも考えていなかった。
真逆彼女が_________
○。._________