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静かに、二人で

18 - 第18話 なんにもわかってない

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2025年10月16日

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玄関を開けた瞬間、家の中の空気が重いのがわかった。

時計の針は夜の八時を少し回ったところ。リビングの明かりがやけに眩しく感じる。


「遅かったわね、葵」


母の声はいつもよりも低かった。

ソファに座ったまま、テレビもつけず、じっとこちらを見ている。

隣にいる父は新聞を広げていたが、視線は完全にこっちを向いていた。

……なんとなく、もうわかっていた。

学校でのあの噂は、きっと家にも届いてしまったのだ。


「今日……学校でね」

母が言いかけたその声に、私はぎゅっと鞄の紐を握った。

嫌な予感が、胸の奥を冷たく撫でていく。


「……あなた、凛さんと付き合ってるって……ほんとなの?」


部屋の空気が、一瞬で張りつめた。

父の視線も母の声も、刺すように痛い。

嘘をつくこともできたのかもしれない。でも、それは凛を否定することになる。

だから私は、ゆっくりと頷いた。

葵:「……うん」


母の顔が見る見るうちに曇っていく。

「……何を考えてるの、葵……女の子同士で、そんな……」

葵:「でも、凛は……私にとって、大事な人だから」

「大事? そんなの、ただの思い込みよ! あなた、周りからどう見られてるか分かってるの!?」


声がだんだん大きくなっていく。

父は黙ったままだが、その顔には明らかな失望が浮かんでいた。

——ああ、やっぱり。

この家の中でも、私は「普通」じゃないんだ。


「……葵、これだけは言っておくわ」

母は深く息を吸って、ゆっくりと言葉を吐き出した。

「凛さんとは……もう、距離を置きなさい。いいわね」


その言葉に、喉の奥がきゅっと締めつけられた。

そんなの、できるわけない。

でも、どう言い返せばいいかも分からなくて、唇が震える。


葵:「……嫌だ」

やっと絞り出した声は、小さくて震えていた。

だけど、はっきりと届いたみたいで、母は一瞬言葉を失った。


「葵……っ!」

葵:「嫌だよ! 凛をそんなふうに言わないで!」

気づいたら叫んでいた。

頬に熱いものが流れる。止まらない。

葵:「凛は、私をちゃんと見てくれるの……! 周りがどうとか、関係ない! 私……っ、凛が好きなの!」


沈黙が落ちた。

母は息を呑み、父は新聞を下ろしたまま目を見開いている。


その沈黙が、怖かった。

次の瞬間、母の声が震えながら返ってくる。

「……間違ってる。そんなの、間違ってるのよ……! お願いだから、目を覚まして」


——違う。

間違ってるのは、私じゃない。

でも、それを言っても、きっと通じない。


私は涙を拭って、玄関の方に向き直った。

靴をつっかける手が震える。

でも、ここにいたら、きっと……自分が壊れてしまう。


葵:「……ごめん」


それだけ言い残して、私は夜の街へ飛び出した。






昨日さぼりました、、、、申し訳ございません!!!!!!!

最終回、もうすぐです。♡、コメント、フォロー、よろしくお願いします。

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