「……ん゛〜〜〜、?」
ズキン、と痛む首元。唸り声をあげながら身体をゆっくりと起こす。 痛みの残る首元を軽くさすり、瞼を開くとそこに広がっていたのは見知らぬ部屋。先程までドライブをしていたはずなのに何故こんな部屋にいるのだろう、困惑しながらこんな事に至ってしまった経緯を思い出す。顔を顰めながらひたすら記憶を辿る。まだ混乱しているのか少し頭痛がする中、ある1人の人物を思い浮かべる。
「…ウェスさん」
そうだ、あの人だ。何度か記憶を辿ってみるが行き着く先は同じ、やはり最後に相手と話してから記憶がプツンと途切れている。確かゴメン…と言っていた気がするが、余りハッキリと覚えてはいない。未だに痛む首元を抑え、今の状況にまた頭痛が走る。どうしてこうなったのだろう、ぐしゃりと自分の髪の毛を掻き乱す。そこでふと違和感に気付いた。普段であればヘルメットがある為、自分の髪の毛に触れることはないのだが、今の自分の手はどうだろう、何故か髪の毛に触れる事が出来ている。そういえばいつもよりも視界も広い気がする。思わず自分の顔をぺたぺたと触った。愛用しているヘルメットがない。思わずえぇ、と言葉を漏らしてしまうが、もしかしたらこの部屋にあるのかもしれないと思い、ひとまず探して見ることにした。
ひとまず周りを見回す。目視で棚の上、ベッドの上、自身が寝ていたソファの近く、机の上。一通り見てみるが、探しているヘルメットは見当たらない。棚に入るような大きさでもないし、見つからない程小さい訳でもない。もしかして自分を攫ったであろう相手が持っているのだろうか、そう考え付くとため息を吐き、一度外へ出ようと歩みを進めてドアノブへと手をかける。どうせ自分を此方に連れてきた相手もいない為、いる意味などないだろうと思考を纏めた瞬間、ガチャリ、と音を立てて目の前の扉が開いた。
「…ッあ、ウェスさん、?」
「あ、らだおくん。起きたんだね?」
目の前の相手はまるで何事もなかったかのように自分へと語りかける。部屋の空気の冷たさと相手の雰囲気で火傷してしまいそうな程差があるのに、そんな事など気にしないといった様子で。少しの間沈黙が続く、相手の言葉にどう返していいのか分からなかったから。ぐるぐると頭の中で回る思考、放棄してしまいたい。それでも重たい口を開き、ようやく一言相手に話しかける。
「……あの、何でこんなことしてんすか。拉致監禁っすよね、切符切りますよ??」
相手の顔を見詰めて軽く睨む。こんな事をしても威嚇になどならないだろうな、なんて思いながらも暫くの間睨み続け、1分程経った頃に視線を逸らす。また何も喋らなくなってしまった相手に少しの気まずさを感じつつ、目下で指を軽く弄る。それでも耐えられなくなってしまったのかもう一度顔を上げ、相手の事を見ようとすれば相手も此方を見ていたのか視線が交じり合う。反射的に視線を逸らしてしまえば困ったように下を向く。すると、そんな雰囲気を感じとったのか相手が口を開く。
「何で…か、どうしてだと思う?まぁ分かんないよね…、いつからかとかはもう忘れたけど、私は君の事が好きなんだ。この気持ちは餡ブレラに欲しいとかじゃなく、君を私のモノにしたいって気持ちなんだと気付いてね。誰かに取られてしまう前に自分のモノにしなければ…ギャングなら強硬手段とか普通でしょ?」
「っは、え?…いやいや、流石に冗談キツイっすよ、?」
「私が冗談でそのような事を言う男だと思ってるのかな?らだおくんは。」
分かっている、そんな冗談を言う人ではない事が分かっているからこそ尚更戸惑う。普段会話している人とは思えない程雰囲気ががらりと変わってしまっているため、わずかに恐怖を覚えながら1歩、また1歩と後ろへと後退りをする。トン、と足が先程までいたソファへと当たると、もう後ろに下がる事も叶わず足を止める。すると、此方が止まったのを確認してか、相手がゆったりとした足取りで自身へと近付いてくる。思わず強ばってしまう体に嫌気がさす、それでも相手から視線を逸らす事はせず、睨み続ける。そして自身の目の前で相手が止まると、また口を開く。
「ねぇ、らだおくん」
「………なんすか、」
「らだおくんさえ良ければ私のモノにならない?」
「…はぁ???」
何を言うのかと思えば、とてもではないが受け入れられない内容。怪訝そうに眉をひそめながらそのまま相手を見続ける。しかし、冗談を言っているといった雰囲気でもなく、寧ろ少し真剣な顔をしてるともいえる表情であり、自分は何も悪いことをしていないはずなのに少々たじろいでしまう。それでも受け入れることが出来ない、というのは自分の中では変わらなくて。警察とギャングのボス、決して相容れない存在であるにも関わらず気持ち…はたまた執着というのだろうか、そんな感情を伝えてきた相手に多少は凄いな、と思ってしまう。勿論、手段は凄いとは思わないが。
「えっと、お気持ちは嬉しいんすけど…流石に遠慮させてもらいます、すみません、」
「…そうか」
申し訳なさそうに俯く。恋愛感情とかではないが、相手の事は好きなので幸せになってほしいとは思っている。だからこそ、俺なんかじゃなくて…なんて考えてしまう。いや、変なことを考えるな。首を軽く横に振り、余計な思考を振り払う。はぁ、本日何度目になるか分からないため息を吐く。相手の要件はこれだけだろうか、盗み見るように顔をチラ見しようとすると、自身の頬に手が触れる。何だ?と思い顔を上げるとすぐ目の前に相手の顔があった。
「…っへ、」
驚き間抜けな声をつい出してしまう。瞬きをひとつした次の瞬間には、何故か相手と唇が触れ合っていた。何で、どうして、沢山の疑問が胸の内から溢れる中、そんなのを全て吹き飛ばしてしまう程恥ずかしいという感情が頭を支配する。一気に顔を赤面させると、目の前がクラクラした。角度を変えられ、何度も口付けを繰り返される。段々と羞恥心が限界を迎えてきたのか、目に涙が溜まっていくのが自分でも分かる。ただ、それでも理性というものはあるらしく、相手から離れようと体を押す。しかし、相手の方が力が強いのかビクともしない。
「ッは、ん、〜〜〜っ、♡」
息が苦しい、ドンドンと胸を叩いて訴える。様子を察してくれたのか離してくれたが、それと同時に急に力が抜けてしまい、後ろのソファに倒れ込んでしまう。ギシ、と音を立てながら軋むソファ。一生懸命深呼吸をしながらばくばくと音を立てる心臓を静める。
「…ッ、なにして、!!」
潤んだ瞳で相手の事を精一杯睨むが、効果がないのか笑いを堪えている様な表情で此方を見詰めている。今すぐにでもこの場を離れたかったが、ソファに倒れ込んだことをいい事に相手が覆いかぶさってきているので身動きが取れない。どうにかして逃げられないかともがいてみるが、そんな抵抗も虚しくまた口付けをされてしまう。
「ん……ふ、ぅ、ッ!?ふぁ、ん、ッあ、♡」
「………ッふ、」
先程と変わらない口付けかと思っていたがそんな事はなく、油断をしていると相手の舌が自身の口の中へと入ってきた。厚い舌で口の中を蹂躙され、上顎を擦られると変な声が僅かに空いた唇の隙間から漏れ出てしまう。自分の物ではないようなその声にぎゅ、と目を閉じ現実逃避をする。3分程経っただろうか、相手が満足したのかようやく口付けをやめてもらえた。今度こそ文句を言おうと軽く咳き込みながら相手を仰ぎ見る。しかし、そんな隙を与えてくれるはずもなく、口を開いた瞬間自身の性器に触れられる。大きく肩を揺らし、ひぁ、と情けない声が零れる。自分の性器を触られるのは生まれて初めてで、どうして良いのか分からない気持ちで沢山になった。
「ッや、やら、ウェスさん…ッうあ、♡ひ、ん゛ぅ♡うぇすさ、ひぅ゛♡♡」
唇を噛み締めても出てしまう声、恥ずかしくて自分でも耳まで赤くなっているのが分かる。何度か名前を呼んでみるも、相手は何かに耐えるような表情をして返事をしてくれない。最初は服の上から軽く擦るだけだった動きも、段々と大胆な動きになっていく。直接ズボンの中に手を入れられ、暖かい下半身の温度と冷たい相手の手の温度にまた体を揺らしてしまう。
「はは、こんなに濡らして…そんなに気持ち良かったの?」
「ッ……!!」
気持ち良くなかった、と言えば嘘になる。先走りのせいでじわりと滲んだ下着に目を向けたくなくて、無理矢理襲われているのに気持ち良さを感じているなんてバレたくなくて、顔を勢い良く逸らす。すると、視線を逸らした事に気を悪くしたのか、下着の上から性器の先端を押し潰されるように刺激される。ずり、と僅かに布が擦れ、更に強い刺激へと変わる。
「ッぁ〜〜〜!!♡♡」
声も出せずに腰を弓なりに反らす。何度か繰り返し同じことをされると、吐息の混じった甘い声が何回も出てしまう。体をびく、と反応させながら達しそうになるのを必死に堪える。
「や、ぁ゛、ぃぐ、イっちゃ…ッ、!!♡♡」
「良いよ。イきな、らだお」
「ッイ゛、ぐ、〜〜〜〜ッ゛♡♡」
イきな、と声が聞こえると同時に一際強く刺激を与えられ、腰を揺らすと若干涙目になりながらも達してしまう。掠れた声を漏らしながら、相手の服を掴み握りしめる。達したばかりの余韻に震える自身の体に相手が触れる。ぴく、と反応しつつ多少声が出てしまう。ぐったりと力が抜けて動けない自身を相手が抱える。両手で支えられ、所謂姫抱きという状態になってしまい、抵抗しようとするも全く体が言うことを聞かない。為す術もなくそのままソファの後ろにあったベッドへと寝かせられる。上に相手が覆い被さり、視界が影で暗くなる。
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一旦ここで切らせてもらいます〜、!!
思っていたより反応が多くて…!!早く出した方が良いかな、と思って取り敢えず出来ているここまで出させてもらいます🙌🏻
次の話もなるべく早く出せるように頑張りますね〜!👌🏻
それとネタがなくて…😢もし良かったらリクとかくれたら有難いです、では👋🏻
コメント
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出来ればで良いのですが,調教や,脳イキの箇所を,別ペアでも,今作ペアでも良いので入れて下さると有難いです。性癖ぶっ刺さりプレイなのでやって下さったらハート押しまくります。 語彙力凄くて本当に尊敬します。 体調を崩さず,程々に投稿を続けて欲しいです。