テラーノベル
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翌朝、いつも通り、夫婦仲良く出社。
「おはようございます」
「おはようございます」
そして、井上が出社し、
「おはよう」
「あ、おはよう」
「お前、大丈夫か?」
「ん? 何が?」
「……」
「おや? 何? やっぱり?」
──やっぱり! 片岡ちゃんと……♡
「ふふ」笑ってる
「聞いたのね?」
「うん」
「ということは、やっぱり、付き合ってるのね?」
「うん」と、恥ずかしそうに頭を掻く
「ふふふ、良かったね」
「お〜」
「あ、でも、お願い!まだ、安定するまでは、言わないでね」
「あ〜もちろん」
「彼女のこと、山本には?」
「まだ言ってない」
「どうして?」
「なんか、茶化されそうで……」
「あ〜そうだよね、でも、後で知ったら怒るわよ〜」
「だよなぁ〜そろそろ話すかな」
「うん。まあ、私は見てれば、すぐに分かったけどね〜ふふ」
「おはようございま〜す」
「あ、来た来た」
「オッス」
「おはよう」
「なんだ? 2人で、こそこそ」
「別に、こそこそなんてしてないわよ」
「杉野さんに言いつけてやろう」
「大丈夫よ、ダーリンは、そんなことで動じないよ」
「ケ! 朝からご馳走さま〜」
「ふふ」
「山本、ちょっと……」
2人で、トイレに行ったもよう
しばらくすると……
「えーーーー‼︎」
声デカ!
そりゃあ、言うのも|躊躇《ちゅうちょ》するわよ
どんな顔して戻って来るのか?
楽しみ。
ニコニコしてる井上の横で、
どんよりした空気を纏い、ガッカリ頭を|項垂《うなだ》れさせ、肩を落として、やっとの思いで山本が歩いてる。
ふふふふ
裏切らないなぁ、|アイツ《山本》は……ふふふふ
笑っちゃいけないけど、笑える
──頑張れ〜山本!
ピースする井上
グッドで返す
どうか山本にも、素敵な出会いがありますように〜!
と願った。
1ヶ月後
洋平の車が納車された。
「やった〜!カッケ〜‼︎やっぱり、これで正解だったなあ〜美優」
「うん、そうだね。良かったね」
「今から式場の打ち合わせだけど、美優、体調大丈夫?」
「うん、最近、悪阻も治まってきたし、あと少しでラクになるかなぁ〜?」
「じゃあ今日ドレス合わせる?」
「うん、今ならバストも大きくてイイよね〜」
「胸の開いたドレスはダメだよ〜来月は、もっと大きくなってるんじゃない? へへへ」
「変態〜! あーじゃあ、ゆったりしたドレスにしないと胸が窮屈で入らないかも〜Eカップだし〜ふふふ、1度言ってみたかったのよね、このセリフ」
「忘れないように、目に焼き付けておきます」
「ハハ、ホントに産んだあとは、しばらくすると、ビックリするぐらい|萎《しぼ》んじゃうらしいよ」
「え〜イヤだ〜写真撮っておこう!」
「洋平より私の方が悲しいよ。育乳ブラ買ってもいい?」
「はい、おっぱいの為なら、どうぞ!」
「ふふ、おっぱいって言わないでよ。美乳の為よ」
「なるほど! おっぱいは、赤ちゃんの為、美乳は俺の為」
「え? 私の為よ」
「えーーーー!」
「危ないから、ちゃんと運転して! ふふ」
「なんだか、洋平のイメージがどんどん崩れていくんだけど……」
「え? そう?」
「うん、付き合い始めた時は、4つも年上だし、すごく大人だと思ってたよ」
「今も、それは変わらないよ」
「そりゃあ、そうだけど……もっと紳士だった」
「あ〜背伸びしてたかな〜今は?」
「おっぱい星人!」
「あははは、酷っ。あながち間違ってない!
パパに言わないでね」
「ハハハハ、言えるわけないよ……ふふふ」
「美優だって、知り合った頃、ホントに可愛かったよ〜」
「今は?」
「今も可愛いけど……」
「けど?」
「ママになるから、俺にもお母さんみたい!」
「そうかなぁ? まだまだ、これからじゃない?」
「美優は、優しく可愛いままで居てください!」
「ふふ、それは自分でも分からない……」
「まあ、俺は、どんな美優でも愛してるよ」
手を繋ぐ
「何? 最近、急に……何か|疚《やま》しいことでもあるの?」
「ないよ、そんなの」
「ふ〜ん。この前のことかな?」
「あ〜アレは、会わせたくなかったのは事実」
「どうして?」
「アノ人には、悪いけど、若気の至りって言うか……
俺がそういう感じだったから、違う人に心変わりしたんだと思うし……う〜ん悲しい思い出でしかないから……」
──やっぱり、おっぱい星人だったんだ!という言葉を飲み込んだ。
「そうなんだ」
「だから、そのあと美優を見つけた時、ホントに
可愛いくて可愛いくて、絶対付き合いたい!って思った」
「そうなんだ。それなのに、5年間も置き去りにされたけど?」
「この5年間ずっと美優が隣りに居てくれたら……って何度考えたことか……」
「そうなんだ、私だって考えてたよ。
あのまま隣りに居たら、どうなってたんだろうね?」
「すぐに結婚してたと思う」
「そうかなぁ? 私まだ22歳だったよ」
「だから、離したくなかった。美優は、俺の彼女なのに、ちょっかいかける奴がいっぱい居たから……」
「ふふ、そうだっけ?」
「いっぱい告られてたくせに……」
「ふふ、もちろん全部断ってたじゃない」
「そうだけど、やっぱり不安だったよ」
「え〜初めて聞いた」
「初めて言ったもん」
「ふふ」
紳士なイメージの洋平が崩れて、可愛いく思えた。
「だから、日本に帰る!って決まって、真っ先に美優の住所を調べた」
「あ、隣りの部屋事件ね」
「事件って……そう、それから美優の顔が見れて、すっごく嬉しかった」
「私も……洋平、髭生やしてワイルドになってて驚いた。でも、更にカッコよくなってた」
「美優、そんなこと思ってくれてたの?」
「そうだよ。胸が張り裂けそうで、苦しかった。
だから、電話番号を教えてもらって嬉しかったし、
いきなり、私の部屋に来てキスされて、倒れそうだった。放心状態だったんだから……」
「そっか、会社で会った時、すぐにでも抱きしめたかったから……ごめんな、いきなりで……」
「ううん、愛してるって言われてすごく嬉しかった」
「愛してるもん」
「ふふ、良かった洋平で……」
「良かった、美優で……着いたよ」
美優からキスをした
「もう大丈夫なの?」
「そうみたい」
熱〜いキスを交わす
「あ」
「あ、ホテルのドアマンの方が……ふふ」
コメント
1件
言葉で伝えるって良いですね╰(*´︶`*)╯