テラーノベル
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夏休み二日目。私達は会う約束があった。蒸し暑くてジメジメした夏。まだ七月だというのに、もう真夏のような感じだった。待ち合わせ場所はとあるスーパーの入り口。駐車場に車を停めて、三人全員が集合するのを待った。但し、一つだけ問題があったのだ、夏休み初日の前日。私達は朱里に待ち合わせの時間と場所をきちんと伝えた。朱里も了解と返事を残してくれた。私達は安心して翌日を迎えることができていたのだが、当日。待ち合わせ場所に朱里は現れなかった。
予定の時間が迫っている中、私達は限界まで朱里を待っていた。来るかもしれない、もしかしたら混んでいるいて遅れているのかもしれない。そう思うことにして。
結果、朱里は一人で先に行っていたらしい。忘れていたと言っていた。朱里のことだきっと何かをしながらメッセージを読んでいたのだろう、適当に返事をしたか、本当に忘れてしまったのか。どちらが定かかはわからない。
私達が用事を終わらせて帰ろうとしていた。朱里は私達とは別の場所に車が迎えに来るらしい。私達とは別の方向へ歩いて行かなければいけないところを、朱里はこちらへ向かって歩いて来てしまった。三人で行きたいから。そう口にして笑う朱里を私達は突き放すことができなかった。突き放してしまったらこの楽しい時間が無くなってしまう気がして。この三人でだからこそ、軽口が言い合えて時に本気の相談もできるというものだった。この三人でなければ意味がないのだ。
次、三人で会うのは四日後。随分と時間は離れてしまうけれど、三人で会えるのなら問題はないはずだ。今度は車ではなく三人で電車に乗って行く。電車の時間を要確認して皆で帰路についた。ちなみに、朱里を迎えに来てくれていた人は、わざわざこっちまで移動して朱里を拾って帰って行った。
美琴と菖はその時思っていた。朱里の口調や声のトーン顔色などの変化についてのことを。いつもにこにこと笑っていた朱里の顔には明らかに笑顔が減っていた。動画や曲は流せるみたいだが、それだけでは意味がないことも沢山あった。まず、三人で連絡が取れないこと、朱里がハマっているゲームやアプリを遊ぶことができないこと。朱里はどんどん心配な方向へと進んで行くことになる。ただ、不幸中の幸いだったのか否かはわからないが、私達を巻き込んで始まったのだ。
私達は全員で家出をした。朱里は笑っていた、幸せそうに楽しそうに。電子端末が一つもない生活になるけれど、私達も楽しかった。一つ醜い大人達にやり返すことができた。私達は何もできないんじゃない、ただ言いなりになっているんじゃない。あんなに家に帰りたくないと騒いでいた朱里の面影も今では全くなかった。家のことなんて考えなくていい。考えない方が、きっと上手く事は進むのだから。家出をしただけじゃ飽き足らなかった私達は、朱里の両親の財布からお金を抜き取った。私達のなけなしのお小遣いじゃ買えるものにも限度がある。とにかく、私達はあの家に…地獄に戻りたくなかったのだと思う。だからあんなに必死で頑張っていたのだろう。
これが、私達が世界を変えようと決意した始めの物語。
#ドラマ
鮎
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白冥
コメント
1件
うわあ…第4話、読んだよ…😢💔 朱里が待ち合わせに来なかったシーン、すごく切なかった。あの「忘れてた」って言葉、絶対嘘じゃないけど、なんか胸がギュッてなった…。 でも「三人で行きたいから」って笑って戻ってくる朱里、その笑顔が逆に痛いよ…。美琴と菖が気づいた「笑顔が減ってる」ってとこ、めっちゃリアルで心に刺さった。 最後の家出と財布からお金抜く展開、正しいかはわかんないけど、それくらい追い詰められてたんだなって思うと…三人の絆が眩しくて切ないよ😭💕 次が気になりすぎる!