テラーノベル
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朝、日差しが差し始めた頃に目が覚めた。
カーテンの隙間から差し込む光が、部屋の壁に淡く影を落としている。
まだ眠気が残る頭を抱えながら、今日が春休み最終日なこと明日が高校の入学式なことを思い出した。
そんな不安を抱えつつも最後の休みの日が始まる、と言っても家でゴロゴロするだけだ。春休み中盤と同じ、午前中はスマホを眺めたり、アニメの世界に没頭したり。午後には少しだけ外に出て、春の風を感じながら歩いた。けれど、ふとした瞬間に明日のことが頭をよぎり、胸の奥がざわつく。気づけば、窓の外は茜色に染まり、春休み最後の日が静かに終わろうとしていた。
そして、ついに入学式の朝が来た。
はぁー…今日は高校の入学式だ、とても緊張するし、中学の友達が誰もいないと考えるととても憂鬱だ…ため息をひとつついて、鏡の前でぎこちなく髪を整える。新しい制服の袖を何度も引っ張り、見慣れない自分に戸惑いながら家を出た。初めて乗る電車の中、窓の外の景色がどんどん流れていく。駅に着き、改札を抜ける手が少し震えているのに気づいた
駅を出たら風が吹いていて少し肌寒かった、周りには新入生らしき人がたくさんいた。
校門をくぐり校舎がだんだん近づいてくる。
階段を登り、下駄箱の前に立ち靴を入れようとした時に、ふと左に目をやると何故か空き缶を持っている新入生がいた
『どうした?空き缶持って』
と笑いながら聞くと彼は、
『なんか靴入れようとしたら、奥に何か入ってて、取ってみたら空き缶が入ってた、これどうすればいいかな』
と笑いながら言った。
いや、先生に言いにいけよ、とつっこんでしまった。そいつはその通りに先生に言いに行った。
『何て言われた?』
『 あ、ごめんって言われた』
この瞬間、先生の曖昧な謝罪に、心の中で小さな警報が鳴った。きっと、この学校には何かある――そんな予感が、のちに現実になるとは、このときはまだ知らなかった。
『ねぇ、名前何?』
デカくて身長も高いからクマみたいだ熊字が入ってたら面白いな〜…なんて思ってた。
『熊本っていう、君は?』
まじか、まじで熊ついてるやんか…
『お、俺は松本って言うよ、よろしく!』
ここで2人は熱い握手を交わした
『熊本は何組なの?俺は、11組だよ』
これで同じクラスだったら、最初の二週間は何とかなるはず!と強く願った
『お、一緒俺も11組よ』
きたー…これでこれで二週間は何とかなる!!心は安心に満ちていた、まさかこんなに早く話せる人ができるなんて…不安もいつの間にか消えていた。
自分のクラスは一番奥にあるため長い廊下を歩かなければならなかったが、そんなに苦痛じゃない。だって今は1人じゃない…熊本もいるから!何を心配してたんだよ…教室に入ると、みんな静かに席に座っていた、そこから読み取れるのは、みんな緊張していた。
これからどんな高校生活が始まるのかな〜…楽しみで仕方ない!
そんなことを考えていると、担任らしき人が教室に入ってきた。
担任らしき人は体育館に移動する時や座席の位置などについて説明していた。
『友達作るの正直苦手な人、苦手な人は自分から積極的に話しかけないけ、まっとったらひとりになるぞ』
いやー…担任らしき人…それが難しいからなんよ…もちろん誰も話してないシーンとしている。
『みんな緊張しすぎやろ、もっとかたのちからぬきいーや』
担任らしき人は笑いながら言うがまだ会って一時間もしてない。
無理だよ…まぁ後ちょっとで入場時間だからいいかと静まり返る教室自分の鼓動だけが響く。いくら静かな環境が好きでも、静かすぎるとなんかお腹が痛くなる。
そろそろ入場時間だ。
「よし、そろそろ廊下に並ぼうか、よしみんな起立。」
ガタガタと椅子が鳴り、みんなが立ち上がる。廊下は風がなく、制服の中がじっとりと汗ばむ。
少しずつ進む列。体育館の入り口が近づくにつれ、胸の鼓動も速くなる。拍手の音がだんだん大きくなり、制服の内側は汗ばむけれど、不思議と前を向く勇気が湧いてきた。
これから、僕の高校生活が始まる。
コメント
1件
作るのは三回目です。思いつきで描いてるので場面が飛んでしまうかもしれませんがそれは…すみません