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兄の一周忌が過ぎて、最初の一年よりも、父の経済的なフォローのお陰で少しだけ母も顔色が良くなった頃。
それでも母と私は掛け持ちの仕事をして何とか、まともに食事は出来ていた。
負債額は、あまり変わらない。
親戚にも消費者金融にも鉄道会社にも少しずつ返済をしていっていた。
夕方までのカフェのバイトが、夜番の急遽な病欠で最後までの勤務になった。
たまたま、翌朝の清掃が休みだった私は快く引き受けた。
賄いも出るので、母にご飯は要らないことと、遅くなる旨をメッセージで伝えた。
―――
『藤田さん、遅くまで悪かったね!お疲れ様』
『いいえ、お疲れ様です。失礼します』
時間は夜の十一時
私は急ぎ足で帰宅した。
運が悪かったと思った。
人通りの少ない夜の大きな公園
昔、兄が彼女とキスしてた林の奥近くで
数名の見知らぬ男に声をかけられた。
無視して通りすぎたけど
後ろから羽交い締めにされて、
そのまま、林のさらに奥へ連れていかれた。
両手を頭の上で縛られ、騒ぐと容赦なく顔を殴られた。
初めて人に殴られて、耳元にいつまでもキーンと音がしていた。
ブラウスは引き裂かれ、スカートは履いたまま下着を脱がされ……
乱暴に髪を鷲掴みされ、頭皮が突っ張る痛さ、足首を握られた痛さ
そして、殺されるという、恐怖心
――怖い
――助けて!!
――おにぃ助けて!
涙目で頭の中で叫んでいた
そしてフラッシュが何度も光った
私の酷い姿は、何枚もスマホのカメラに撮られた
『やっべーこいつ濡れてんじゃん』
『やっぱ、淫乱だったな』
下卑た笑いで、私を蔑む声
何人居たのかすら記憶にない
全員が一斉に立ち去った後で
――よかった……終わった
そう安堵していた。
私は、本当にツイていない。
その時は、ただそう思ってヨロヨロと帰宅した。
母は寝ていて、起こさないように静かにシャワーを浴びた
所々が地面で擦ったのか、傷になっていてお湯が滲みた。
この日、私の自尊心は死んだ。
こんな目に遭うぐらいなら、勿体ぶってないでこれで稼ごう。
18歳になってすぐに私は風俗で働く事にした。
そして、皮肉なことにそこから先
生活がまともになっていった
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