だいすきなひとに
だいすきと言ったら
「…え?あ、うそ?」
「違います、ほんとです…」
まるで時が止まったかのように、固まってしまいました。
みなさんお元気ですか?
こんにちは、るなです。
るなはリスナーさんになりました。
元気のない時は、あの、わいわいぎゃーぎゃーしてるマイクラ実況者さんをみるのがオススメですよ?
え、誰のこと?なんて
わかってるくせに。
「返事もらわないで帰ってきたのぉ!?」
「えとちゃん声おおきいよ!」
えとちゃんとの通話。
私の内緒の想いを知っていたのはえとちゃんだけだったから、二人の会話の内容はもっぱら恋の話になる。
「だって、るな返事大丈夫ですって…言っちゃったし」
「なんで!?つかなんでなんも言わないの!?」
「え、るなちゃんと言った「ちがう!
シヴァさんがだよ!」
だいぶ興奮気味のえとちゃんに圧倒されながら、そばにあるスナック菓子を口に運んだ。
告白を、したの。
メンバーとして最後の、あの、みんなが来てくれた大阪で。
バーベキューのあと片付け、えとちゃんがこっそり見計らってくれて。
ひとりになってるところに私は現れた。
ずっとずっと好きだったひとに
勇気を振り絞って、好きです。
声はとっても小さかった。
るなはもともとおっきな声出さないけど、普段より何倍もちぃちゃな声だった。
独り言みたいに、想いを伝えた。
言われた当の本人はそれはもう固まってしまって。
口に入れようとした、あなたの好きそうな立派なお肉を落としていた。
るなからの言葉、そもそも嘘だと思ったらしい。
そんな嘘つかないですよ、と心の中で思ったけど。
「仕方ないよー…だってシェアハウスにいた時、仲良くお話とかあんまりしなかったもん」
「んもー何やってんだ…ちょっと私文句言ってこようか!?いまヒロと遊んでんじゃないの!?」
「ダメダメやめて!絶対だめ!!…あとはお手紙書いたから、いいの。お返事がないって、ことはそーゆーことだよ…」
楽しかった二日間はあっとゆうま。
体が動かなくなるくらい遊んで、お腹が捩れるくらい笑った。
「もぉー…笑いっぱなしでお腹痛いです…」
「泣く暇なんてあげないから」
そう…泣く暇なんてないくらい、じゃぱぱさんとのあさんがたくさん企画してくれた。
ふたりが顔を合わせて笑ってる。その姿をみて、全部るなのためだったのかって、その後大泣きした。
お手紙を、みんなに渡した。
文字を書くのは得意じゃないけれど、思いが伝わるように一生懸命書いたの。
メンバーカラーの封筒に、お手紙いれて
黄緑いろの封筒だけは、みんなよりも少し分厚くなってしまった。
「ありがとう」
あれは、どんな顔だったのかな。
お手紙をもらって嬉しのか、一人かけちゃって寂しいのか。どう反応していいのか困ってるのか。
私の手紙、あなたの大きな手に渡った時
もうそれでいいやって…満足した。
「や、だめでしょ返事もらいなって」
「でもーでもーごめんって、気持ちだけって言葉るな聞きたくないよー…」
「んなこと言うならシメるわ」
「えとちゃんそれ脅しだよ」
ぜったいぜったい、シヴァさんにこの件、るなの話はしないでね!
えとちゃんにはきつくそう言ってある。
…でも時間の問題かも、はらはらしながらえとちゃんの次の言葉を待った。
「ねぇ、るな大学楽しい?」
「?楽しいよ?大変だけど」
「友達できた?」
「できたよ?」
「男の子も女の子も?」
「うん、まぁ、うちクラスでみんな仲良いの…実習とかあるから」
私が通う学部は医療技術学部だ。
お医者さんでもなく、看護師さんでもない。
そうだなぁ、ちょっと難しい医療機械を扱う、専門の人になるお勉強をするところ。
って説明したほうがわかりやすい。
わかってはいたけど、すっごく忙しい。
テストはもちろん、卒業には国家試験を受けなきゃいけないから、入ったばかりだけど一生懸命お勉強してる。
目的意識が一緒だから男の子も女の子も、みんな仲が良かった。
「えとちゃん?」
「んー…」
さっきから眉間に皺寄せて黙りこくってしまったえとちゃんを画面越しに覗き込んだ。
えとちゃんにしては珍しいお顔してるのに、もともと綺麗なヒトだから、それすらサマになってる。いーなぁ美人は。
「るなはね、気持ちがつたえられてね、お手紙ももらってくれた。それでいいんだ」
「…」
「気持ちが吹っ切れたら、るなも次の恋頑張っちゃおっかな、なんて…えとちゃん?きいてる?」
「え、あ、うん聞いてる」
「えとちゃんも、うりりんと頑張ってね」
「わっ、私のことはいーからっ!!」
えとちゃんの彼氏の話を出したら、真っ赤になって大慌てしてる。
さっきまで綺麗だったえとちゃんが、だいすきなひとの名前を出した途端真っ赤になっちゃって、かわいいなぁ。
このギャップに、きっとうりりんはやられちゃったんだね。
…いいな。
るなも、いつか、そんな素敵な彼氏ができたら、
いいな。
コメント
5件
めっちゃ面白いです‼︎ 🐸❄️ちょっと好きになりそうです…✨✨
どおおおおっしても書きたくてこっちはノベルでお送りします✍️ 🐸❄️です。このジャンル全然いないので、3人くらい見てくれたらもうそれで満足です。