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第四話「弱者」.
ー注意ーー
前話参照の為割愛させていただきます。
苦手な方は予めご了承ください。
次に目覚めた時、見慣れた天井が目に入った。
医療室のベッドの上だ。
隣には、心配そうな顔をした医療担当が立っている。
そして、ベッドの周りには、青ざめた表情のメンバーたちが勢揃いしていた。
gr、tn、kn、sho、zm、em、shp、ci、全員の視線が、一点に集中している。
rbrは思わず息をのんだ。
彼らの顔には、あの5年前の事故の時と同じ、深い絶望と恐怖が浮かんでいた。
医療担当の説明によると、rbrの脳に過度な負担がかかったことが原因で、一時的な意識障害を起こしたらしい。
この一件で、メンバーたちのrbrに対する過保護ぶりは、以前にも増して加速した。
それは、もはや「溺愛」という言葉では生ぬるいほどだった。
tnは、rbrのスケジュール管理をさらに厳格にした。
以前は許されていた軽い作業も一切禁止され、彼が手にするのは温かい飲み物か、メンバーが用意した娯楽雑誌だけになった。
tnはrbrが少しでも立ち上がろうとすれば、すぐに「rbr、まだ座ってろ。許可なく動かんで」と有無を言わさず押し戻される。
その目には、「二度とあんな思いはさせない」という強い決意が宿っていた。
knは、rbrの側から一切離れなくなった。
食事も、会議も、休憩時間も、常にrbrの近くにいる。
まるで影のように付き添い、少しでもrbrの表情が曇ると、「なんかあったんか?俺に言うてみい。 なんでも聞くで」と、心配そうに問い詰める。
その過剰なまでの気遣いは、rbrを窒息させそうになるほどだった。
zmは、rbrが一人でいることを極端に嫌がった。
夜中にrbrがトイレに起きれば、必ずzmが「ついていく」と言って、ドアの前で待機する。
rbrが「大丈夫だよ」と言っても、「念のためや。rbr が何かあったら嫌やろ?」と譲らない。
その行動は、もはやストーカーに近いレベルだった。
shoは、rbrの嗜好品を完璧に把握し、彼が欲しがる前に用意するようになった。
rbrが「少し喉が渇いたな」と呟けば、次の瞬間にはお気に入りの飲み物が差し出される。
「rbr、これお前が好きって言ってた紅茶やろ?熱すぎひんか?」
その手際の良さは、まるでエスパーのようだった。
utは、rbrの脳波や心拍数を常時監視するデバイスを開発し、rbrに装着させた。
このデバイスは、rbrの体調に異変があれば、即座にメンバー全員にアラートを送る仕組みになっている。
「これで安心やで、rbr。俺が常にrbr のことを見てるから、心配いらんよ。」
utは笑顔で言うが、rbrにとっては、常に監視されているような息苦しさを感じるものだった。
shpとciも、rbrに対する接し方が変わった。
以前は年長者のように接してくれていた彼らも、今ではrbrが何かをしようとすると、すぐに「rbrさん、それは俺らがやりますから」「無理はしないでください、僕たちがやります」と手を貸し、彼に一切の労力をかけさせようとしない。
まるで、彼らもrbrが壊れやすいガラス細工であるかのように扱うのだ。
emは、rbrの精神状態を気遣い、彼が退屈しないようにと、毎日様々な話題を提供してくれた。
しかし、その話題は、rbrの負担にならないよう、常に軽めのものに限定されており、以前のように深い議論を交わすことはなくなっていた。
「rbrさん、最近この国でこんな出来事が…あっ、いえ、これはrbr さんにはまだ早いかもしれませんね。気分を害するような話は避けるべきでした。」
そしてgrは、rbrへの指揮を一切行わなくなった。
かつては参謀として、どんな無茶な作戦にもrbrの知識を頼っていた彼が、今ではただrbrの回復を願うばかりだ。
「rbr、無理はするな。お前は我々の希望なのだから。お前が健康であれば、それでいい。」
その言葉には、かつてないほどの優しさが滲んでいた。
rbrは、メンバーたちの深い愛情と心配に感謝していた。
彼らが自分をどれほど大切に思っているか、痛いほど伝わってきた。
しかし、その一方で、心の中には拭いきれない違和感と、強い焦燥感が募っていた。
「俺は…こんなに弱かったっけ…?」
鏡に映る自分を見るたびに、自問自答した。
かつては、冷静沈着な情報分析官として、どんな困難な状況でも的確な判断を下し、皆を支えてきたはずだ。
なのに今、自分はただ守られるだけの存在になっている。
彼らの行動は、rbrの心を縛り付け、行動を制限し、まるで鳥籠の中に閉じ込められているかのような息苦しさを感じさせた。
「俺は…いつになったら、昔みたいに皆と並んで歩けるんや…?」
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(裏が明日から合宿の為、更新が遅れる可能性があります🙏💦)
コメント
2件
合宿頑張ってください 応援しています