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第五話「我儘」.
ー注意ーー
前話参照の為割愛させていただきます。
苦手な方は予めご了承ください。
ある夜、rbrは自室で静かに涙を流していた。
彼らの優しさが、あまりにも重かった。
このままでは、自分は彼らにとって、永遠に「病弱な弟」のままだ。
そんな自分では、彼らと共に歩む「wrwrd!」のメンバーとは言えない。
「…俺は、昔の俺に戻りたい。皆と、対等な関係でいたい…!」
心底、そう思った。
再び皆と肩を並べて、共に戦い、共に笑い、共に困難を乗り越えたい。
彼らから向けられる愛情は嬉しい。
しかし、それは「心配」や「同情」ではない、「信頼」と「対等な関係」に基づいた愛情であってほしい。
翌朝、rbrは意を決して、皆が集まるリビングへ向かった。
彼らの過保護な視線が、一斉にrbrに注がれる。
いつものように、tnが朝食を運んできた。
「rbr、今朝もよく眠れたか?体調はどうや?」
その声に、rbrはゆっくりと顔を上げた。
「皆に、話があるんや。」
rbrの声は、震えていた。
しかし、その瞳には、かつての彼が持っていた強い光が宿っていた。
「俺は、もう大丈夫だわ。確かに一度倒れて迷惑かけたけど、そこまで深刻な問題はない。だから、いつまでも俺を病人扱いするのはやめてほしい。俺は、皆と対等な仲間として、また一緒に戦いたい、昔みたいに、俺にだってできることがあるはずやろ、! 」
rbr必死に訴えた。
しかし、彼の言葉は、まるで聞こえていないかのように、皆の耳を素通りしていく。
utが、優しく、しかし有無を言わさぬ口調で言った。
その手には、rbrには理解できない精密機器が握られている。
「rbr、まだ無理したらあかん。俺が新しい脳波安定装置を作るから、もう少し待っとけ。これはrbrの健康のためなんやから。」
ciが、rbrの好きなゲームの話題を振ってごまかすように笑う。
「そうやで、rbr 最近は新しいゲームも出たし、ゆっくり休んで遊んでたらええんちゃう?俺たちと協力プレイもできるし!」
その隣でshpも、「無理はよくないです。rbr さんは、ただここにいてくれるだけでいいんですから」と冷静に頷いた。
tnが、普段と変わらない穏やかな声で、しかし有無を言わさぬオーラを放ちながら言った。
「rbr、今日の夕食はお前の好物ばかり揃えたんやで。たくさん食べるんやぞ。栄養をつけないと、体力が戻りませんよ。」
彼の背後では、knが心配そうにrbrを見つめている。
zmは、rbrの体が冷えていないか確認するように、そっと肩に触れた。
shoは、rbrが飲みたがっていた紅茶を淹れて、差し出した。
「rbr、熱すぎへんか?温かいうちに飲みな。」
emは、新しい絵本を手に、静かにrbrの反応を伺っている。
「rbrさん、この絵本はとても心癒されますよ。よろしければお読みしますか?」
彼らの優しさは、確かにrbrへの愛情からくるものだった。
しかし、その優しさは、rbrの心を締め付ける鎖へと変わっていた。
誰もがrbrの言葉を「病人のわがまま」として扱い、真剣に受け止めてくれない。
彼らはrbrの体調を気遣うばかりで、彼の心の中にある葛藤や焦燥には、全く気づいていなかった。
rbrは、絶望に打ちひしがれた。
自分の存在が、彼らにとって「守るべきもの」でしかなくなってしまったのか。
対等な仲間として認められたいという彼の願いは、完全に踏みにじられた。
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(合宿終わりました!活動再スタートします!)
コメント
2件
久しぶりの投稿嬉しいです いつも応援しています