「花嫁修業って……」
困惑のあまり、傍らに立つ彼の顔を見やるけれど、
「陽介様も、それでよろしいですよね?」
有無を言わさぬ華さんの口調に、
「いや、そういうことは、彼女の気持ちを尊重した方がいいだろう」
蓮水さんの方も、やや押され気味だった。
「尊重していたらいつになるのか。ようやく思いが通じ合えたのはいいですが、お二人に任せていたら、進むものも全く進みませんから。ですから、すぐにでもご結婚をとは申しませんから、せめて同居をされて、仲を深められなさいませ」
畳みかけるようにも言われて、言葉もなく彼と顔を見合わる。
「三ッ塚さん、お返事は?」
「ああ、えっと……」
どう答えたらいいのかをためらっていると、
「私が、手取り足取り家事のいろはを教えて差し上げますので、言う通りになさってください」
華さんにそう断言をされて、ますます拒みづらいような状況に追い込まれてしまった──。
コメント
1件
華さん、この2人に任せていたらいつになるかわからないのって頷ける。 華さん、押し切って‼️🎵