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⚠️注意⚠️
夢小説です!
夢主は男装をしてます。
監督生(ユウ)が少し出ます。
なんでも大丈夫な方だけどうぞ
今回は👑
ナイトレイブンカレッジの夕暮れは、いつもどこか冷たい。
寮の中庭で、〇〇は遠くからその背中を見つめていた。
ヴィル・シェーンハイト。
完璧で、気高く、誰よりも美しい存在。
男装してこの学園に入学して三年。
教師陣以外、誰一人として〇〇が“少女”であることを知らない。
それでいい、と自分に言い聞かせてきた。
――少なくとも、彼のそばにいられるなら。
「今日のリハーサル、完璧だったわね」
隣に立つユウちゃんが、穏やかにそう言う。
るりは小さく笑って頷いた。
「ああ。流石はヴィルだな〜」
その声は、よく出来た“偽物”だ。
本当の想いを、何重にも塗りつぶした声。
ヴィルは努力する者を評価する。
だから〇〇は、必死に彼の期待に応え続けた。
姿勢、言葉遣い、立ち居振る舞い。
彼の「美」の基準に、少しでも近づきたくて。
「〇〇」
不意に、ヴィルが振り返る。
その視線がこちらを射抜いた瞬間、胸が強く脈打った。
「……貴方、本当に優秀ね。自分を律することを知っている…それを忘れないようにね。」
「ありがとうございます」
それ以上の言葉は、喉の奥で凍りついた。
――“好きです”なんて、言えるはずがなかった。
ある夜、ユウちゃんに呼び止められた。
人気のない廊下で、彼女は少し言いづらそうに切り出す。
「あ、あの〇〇先輩……先輩はヴィル先輩のこと、好きなのですか?」
一瞬、時間が止まった気がした。
「……さあ、どうかしら」
笑って誤魔化す。
けれどユウちゃんは、悲しそうに目を伏せた。
「ヴィル先輩が言ってたんです…
“自分の隣に立つ者には、嘘のない覚悟が必要”だって」
その言葉は、刃のように胸に突き刺さった。
――嘘。
〇〇は、存在そのものが嘘だった。
数日後、ヴィルは新たなパートナーを公にした。
自分の美を真正面から肯定し、対等に並び立つ存在。
拍手に包まれる中、〇〇はただ立ち尽くしていた。
「おめでとう…私のL’homme」
そう言えた自分を、少しだけ誇りに思った。
そして同時に、どうしようもなく惨めだった。
夜、鏡の前でネクタイを外す。
抑え込んできた本当の自分が、そこにいた。
「……やっぱり、届かなかったな」
美しさも、覚悟も。
そして、恋も。
翌朝、〇〇は変わらず男装で学園を歩く。
ヴィルはいつも通り完璧で、〇〇を一人の同級生として扱う。
それでいい。
それが、僕(私)が選んだ結末だから。
𝒇𝒊𝒏