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「トラ男! ジェイデン! 助けに来た~!!」
「ルフィ!」
「よかった、生きてて!」
「ここに用はないはずだぞ、麦わら! 工場はどうした! 壊したのか?」
「多分別行動だろ」
「ちっ」
「ローの手錠の鍵はあるのか?」
「ここだ!」
そうルフィは小さな鍵を俺に堂々と見せた。よっしゃ! さすが!!
「…せっかくだが、おれとお前らの同盟はもう終わったんだ。ここから失せろ!」
「え? お前勝手だな。そういうのはおれが決めるから黙ってろ!」
「どっちが勝手なんだ!」
「いいから鍵!!」
「あっそうか」
「同盟が切れりゃ、また敵同士。おれを逃がせば、お前を殺すぞ!」
「動くな! 海楼石に触れねえから鍵外すの難しいんだ」
「いや、能力者じゃない俺がやるからよこせって!」
「おれの言うこと聞いてねえだろお前ら!」
「あっ、ジェイデンは能力者じゃねえから海楼石にも触れるじゃねえか! ジェイデン、代わりに…」
ルフィが俺に鍵を渡そうとした時、聞き慣れた男の笑い声が聞こえた。それは先ほど首を落とされたはずのドフラミンゴの声だ。
俺たちの足場がきゅに盛り上がり、吹っ飛ばされる。
「フフフフ……想像以上にしてやられたな」
落とされた首が話し出す。まさかこいつ、能力で分身を作れるのか?
「おもちゃどもの解放によって国中が大混乱……どういうわけだか、革命軍も潜入しているようだ。そして王宮はこのザマ。これはマズい事態だ。〝鳥カゴ〟を使わざるを得ない」
「な…鳥カゴを!?」
ローの反応から見て、それは圧倒的に俺たちが不利になる技なのだろう。一刻も早く糸を解き、自由にならなければ。
俺は烏融の柄を咥えて引き抜く。すると烏融は待っていた、と言わんばかりに小刻みに震え、そして勝手に動いて俺の足の糸を斬る。
「手の方も頼む」
――カタカタッ
今度は腕の糸を切る。よし、これで動けるようになった。俺は烏融を握ったままローの方に駆け寄ろうとしたのだが、圧を感じて一瞬動けなくなる。
「ドフラミンゴ…!」
本体の方がお出ましか。首を落とされた分身の方も動いていやがる。すぐにルフィがドフラミンゴへ向かう。
だが分身とはいえドフラミンゴ、2体1にルフィはすぐに吹っ飛ばされてしまった。
ひとまずローを椅子から離さねえと、烏融を握りしめたのだが、ピーカが俺たちをまとめて掴んで下へと落とす。
「クソッ、ロー! ルフィ! 他の奴を受け止めてくれ!」
「わかってる! ゴムゴムの、風船!」
地面に着地し、俺はひとまずローの椅子を切り刻む。海楼石は密度が高くてこっちが刃こぼれするかもしれねえ。
「ピーカがいる以上、ドフラミンゴには近づけないわ」
「…なんだ? 糸が空に伸びてる」
「始まった、鳥カゴだ!」
「鳥カゴ? ロー、教えてくれ」
「ドフラミンゴは、この国の真実が漏れる前に今この島にいる奴らを皆殺しにするつもりだ」
「まさかあれ、このドレスローザのすべてを覆っているのか?」
ローはコクリと頷く。
地面が沈んでいく。考えなくてもこれがピーカの能力だということがわかる。王宮だけが俺たちから離れていく。
『ドレスローザの国民たち、および客人たち』
ドフラミンゴの声が国内に響く。ドフラミンゴは語る。初めから恐怖で支配しても良かったのだ、と。真実を知り、ドフラミンゴを殺したいと言う奴は多い。その為にゲームを用意したとドフラミンゴは口角を上げながら言った。王宮にいるから、殺しに来い。ドフラミンゴの命を取れば、そこでゲームセット。悪趣味なゲームだ。
『だがもうひとつ、ゲームを終わらせる方法がある。今からおれが名前を挙げる奴ら全員の首を君らが取った場合だ。なお、その首1つ1つには、多額の懸賞金を支払う。殺るか、殺られるか。この国にいる全員がハンター。お前らが助かる道は、誰かの首を取るほかにない!』
誰も助けに来ない。外への通信も不可能。鳥カゴによって、俺たちは外の誰にもバレることはなく、殺されていく。
それに加え、無数の人間がドフラミンゴの能力、寄生糸で操られ、目に見える人間を無差別に殺すマリオネットになっている。鳥カゴの維持は1日や2日ではない、幾日もかかる。
『おれの首を取りに来るか、我々ドンキホーテファミリーと共におれに楯突く13名の愚か者たちに裁きを与えるか。選択を間違えればゲームは終わらねえ。星1つにつき1億ベリー。こいつらこそがドレスローザの受刑者たちだ!』
一ツ星 レベッカ、ロビン、錦えもん、ヴィオラ、フランキー、俺
二ツ星 キュロス、ゾロ
三ツ星 ルフィ、ロー、サボ、リク王
五ツ星 ウソップ
「えっ、ウソップ!? ウソップ5億! 五ツ星なんだけど!!? てか俺も入ってんだけど!!! 俺1人で1億なんだが!?」
「うるせぇ、おれと来た時点で何もないはあり得ねえんだ」
「クソ~~……ドフラミンゴに攻撃仕掛けすぎたか…? ああクソ~!! やったらァクソボケ!!」
もうこうなったらやけくそだっつうの。ルフィの勝利に俺もついて行くだけだ。
「わかってんのか、麦わら屋」
「あ?」
「おれたちの作戦はSMILE工場を破壊し、ドフラミンゴとカイドウを衝突させることだった。今ドフラミンゴを討てば、SMILEを失うカイドウの怒りはすべておれたちに向けられる。怒れる四皇と、直接戦うことになるんだぞ!」
「そんな先の話、あとでいい。この国をよく見てみろ! 今おれが止まってどうすんだ!」
そう言ったルフィは両脇にゾロとローを抱える。
「ジェイデンはおれの背中に乗れ」
「ん? お、おう」
「さあ行くぞ!」
「待て、まだおれの錠が…」
「そのうち外れるよ」
「外れるか!」
「鍵なら私が」
「心当たりがあるのか?」
ヴィオラが頷く。落ちる時に鍵を見たらしい。だからこの王の台地のどこかにあると……っておいおいおいおいおい!!!!!
ルフィがいきなり走りだす。背中にしがみついている俺は、ルフィの首が閉まらない程度にギュッとしがみつく。これ腕の力緩めたら振り落とされるだろ!!? ローは分かるけどなんで俺とゾロは抱えられてんだよ!?
「どういうルートで行くんだ?」
「まっすぐ!」
「なっ」
「おまっ、飛び降りる気じゃねえだろうな!?
そう言った瞬間、ルフィは高く飛んで飛び降りた。ふ、ふっざけんなああああああ!!!!!!
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