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ぱち
🩵「…….」
起きてしまった。視界にはさっきと同じ一回りでかい豪勢な部屋。その広い空間が、俺を1人だと実感させる。こんなネガティブな捉え方をしてしまうのはさっきのことのせいだろう。
🩵「はぁっ…..」
これから俺はどうするべきなんだ。俺はどうしたい。もうここに居たって…..
🩵「ぁ”〜っ」
こんなネガティブな頭じゃダメだ。一回外に出て頭を冷やそう。
俺はベッドから降りて、ガラス窓が付いているドアを開ける。開けるとキィっと細い軋みが聞こえた。蝶番が少し錆びついており手入れはあまりされていないようだった。
ドアを開けた瞬間、ぶわっと冷たい風が頬を撫でる。そのまま、手すりの前まで行き景色を見回す。潮の香りが鼻をくすぐる。視界いっぱいに”橙色”が広がっている。海の水面に夕日が反射して宝石のようにきらきらと輝き、揺らめいていた。
🩵「…..綺麗だ」
「( ・∇・)」
ぼーっと景色を眺めていると視界の端に白色が映った。その白色はあの魔王サマの使い魔だった。しろくまさんだ。手すりにぽてっと座っており同じ景色を見ているようだ。
じーっと見ていたら視線に気づいたのかこちらを向く。
「きゅー」
🩵「しろくまさん、俺を慰めてくれるのか…?」
「きゅーd( ̄  ̄)」
🩵「うぅ、しろくまさん….」
俺は顔を伏せる。ぽてぽてぽてと手すりを渡り俺の頭に柔らかい肉球が添えられる。
「きゅーぅ」
“大丈夫だ。我が主人は貴様を嫌ってはおらん”
🩵「へっ?」
「きゅーぅ?」
突然頭の中に、中性的な声が聞こえた。
その声が聞こえ頭をばっと上げるとこちらに手をかざして止まっているしろくまさんがいた。
“我が主人の元へ行け”
白い目が真剣な眼差しでこちらを見る。
🩵「今の、しろくまさんの声、?」
「きゅー!」
そうだよ!と言わんばかりにドヤ顔をしてくる。あんな渋い喋り方なのに可愛いな。
🩵「魔王サマのとこ行けばいいんだね?」
「きゅ」
“今の、貴様の気持ちを伝えるのだ”
🩵「わかった。ありがとうしろくまさん!」
俺はしろくまさんにお辞儀をして自分の部屋から飛び出した。でも魔王サマどこにいるんだ?とりあえず城中を探そう。
それから俺は、長い廊下を走り厨房、客間、トイレ、警備室を全て見回った。だが、そこにいるのは衛兵達だけで魔王サマはどこにもいなかった。
🩵「ここにもいないのかよッ、はぁッ、どこだ?」
走り回って探していたから息が上がる。少し立ち止まり膝に手をつき息を整える。
🩵「ふぅ〜ッ、はぁッ…ふぅ〜…おい、そこの衛兵」
俺の横を通り過ぎようとした衛兵を呼び止める
呼び止められた衛兵は機嫌が悪そうに目を鋭くさせながらこちらを向く。
「なんだ。人間」
🩵「人間って、君も人間だろー?….まぁいいや。魔王サマどこ居るか知ってる?」
「….しらん。」
🩵「え、知らないの?衛兵なのに?魔王サマの部下なのに?」
「….用はそれだけか。失礼する」
🩵「えぇ、ちょッ」
まだ話そうとしたが、話も聞かず衛兵はまた見回り始めた。
なんか引っかかるなぁ、…..
違和感を覚えながらも、城全体を探したが結局魔王サマはいなかった。
…..城下町に居るんだろうか、?
ここに居なかったらもう城下町ぐらいしかないよな。行くか。
お城の門を出ると少し静かな町に出た。
夕方だからかお店は大体閉められていて、飲食店っぽいところがちらほら明かりをつけている
少し歩くと、公園らしきところにつきおばさん達がたむろして世間話をしている。ぶっきらぼうで大きい笑い声が公園中に響き渡る。
こういうおばさん達…おばさま達は色々情報持ってそうだな、一回聞きに行くか。
🩵「すみませーん!」
「あら?こんなイケメンこの国にいたかしら?」
「旅人かしらねぇ?それにしてもイケメンだわぁ♡しかもオッドアイって珍しいわねぇ、そういえば最近イソノさんのとこ、オッドアイの猫飼い始めたらしいのよ!」
「あらほんとにぃ?見せてもらおうかしらぁ」
🩵「あのぉ、…..」
「あぁごめんなさいね。ほらおばさん達お話し大好きなのよね♡」
🩵「はぁ」
だるいと思いつつも笑顔を作る。
「それで何のようなのかしら?デートのお誘いかしらん?♡」
「ちょっと抜け駆けずるいわよぉ」
🩵「….ここらへんで魔王サマ見ませんでしたか?」
そう聞いた瞬間、おばさん達の笑みが消えた。
それを見た俺は、少し背中に汗が滲む。
「なんで探しているのかしら」
さっきの声のトーンより明らかに低い声のトーンだった。明らかに地雷を踏んでしまったようだ。
🩵「あーっ、ぇっとその魔王を倒そうと思って、軽く観察しようかと。」
即興で作った言い訳だけど…..
そう言うとおばさん達は満面の笑みになり俺の手を握りぶんぶん振ってくる
「あらあらそーなのね!やっとこの国に光が現れたのね!ようやくだわ!」
もう1人のおばさんも少し目に涙を溜め声を籠らせながら言う。
「やっと、息子が浮かばれるわっ、!」
🩵「息子さん、?何かあったんですか、?」
俺が聞くとおばさんは続けて言う。
「、こないだね、…魔王の部下がね、国中の10歳以下の子供達、私の息子も連れて『ローズ•シャドウ•オーヴァーロード』の国へ連れて行ったのよ。」
「問答無用で連れて行かれたわ、最後に話すこともできなかった。衛兵さん達によるとあっちの国は人手が足りないからって、でも衣食住、命は保証するって言ってたんだけど」
「いくら手紙を送っても返事が返ってこなかった。忙しいだけかもしれない。私、心配で心配で気が気じゃなかったのよっ、だから、…その国に日帰りで行ってきたの。息子の様子を見るためにっ..そしたら….っ」
🩵「…そしたら….?」
おばさんは目に溜めた涙を溢しながら手を口元に抑え、泣くのを堪えるようにして言う。
もう1人のおばさんは背中をさする。
「人形にされていたのッ」
人形?
「ッ、確かにあの子だったの。屋台にね、夫譲りの赤色髪色、私が繕ったスカーフが巻かれてあった人形があったのよ。っ隣には良く一緒に、遊んでいたッ、子とよく似ているッッにん、ぎょうがぁッって他にもみたことがある人形がったくっ、さんあったわ、」
🩵「人を人形にする、?そんな魔法、」
あるはずない。
「噂で聞いたことない、?その国で人体実験が行われているっていう、非人道的な実験で魔物と人間の融合生物を生み出そうとしてる。」
「うッ、しかもッ、その人形達を見ると魔物のっ一部が不自然に繋がっていたのよっ、ッ無理矢理縫われたかのようなッ」
ぅああああ”っ
おばさんは崩れ落ち声を出しながら泣いてしまった。
🩵「じゃ、じゃあ…っ、その実験に、ッッ」
なんてことを…..
酷すぎるだろっ
「私の息子はもう、ッだからッだからだからだからッッ!連れ出した魔王が憎いッ憎くて憎くて仕方がないのよッ!」
「勇者様、どうか、…冷酷無情の魔王を、どうか…っ!」
🩵「…..わ、かりまし、た…」
「魔王はこの国からちょっと離れた海沿いの渓谷にいますわっ!」
「よく、そこらへんで目撃されるの」
🩵「….ありがとうございましたっ、」
俺は泣いているおばさん達を背中に逃げるように走り、この国を出た。おばさんの泣き声が、頭から離れない。
魔王、サマがそんなことするはずないっ、
する、はずっない…..
あのへにゃりと蕩けた笑みをする、人を粗末にしなさそうな、…“マゾク”。
魔族。マゾクだ。人間ではない、マゾクは心が欠落していると言われている。何も感じない。人を殺しても、命を粗末にしても非人道的なことをしても、
でも、魔王.サマは違うはず、そんなことしない、しない、
俺は、自分の考えに自信が持てずに迷いながら魔王、サマの元へ向かった。
コメント
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魔王サマ…もしや、あの人か???? 素晴らしい展開になってきたことに感謝、拍手致します👏👏👏👏👏👏👏👏🙇♀️👏🙇♀️👏🙇♀️👏🙇♀️👏🙇♀️👏🙇♀️👏🙇♀️👏🙇♀️👏🙇♀️👏🙇♀️👏🙇♀️👏🙇♀️👏 最高💗