リリーside
急に死にたくなった。
特に理由はないけど。
でも1つはあるかもしれない。
誹謗中傷かもしれない。
今日はツィッターで見つけたリスカというものをやってみようと思うその為だけにカッターとカミソリを買ってきた。
手首にカミソリを当てる。そっと引いてみる。
ピッと切れたかと思ったら血がドロっと出てきた。
「リスカって楽しいんだなぁ…ふふっ」
無意識に笑みが零れた。
何時間経ったんだろう。気づいたら朝になっていた。
「ッツ…イッタ」
なんだろうこの痛み。
気持ちいい。
今日は10ステある。あぁ嫌だな。
適当に手当をし俺はNGKに向かった。
「おはよ。」
「おはよう!リリー」
この人は相方の盛山。通称モリシ。
「1ステって何時から?」
「えっと10時からやな」
「おk」
こんな日に暮れない会話をしながら俺は本当に相方に恵まれたなぁとふと思う。コンビ仲も良いし、モリシのおかげでここまで来れたと言っても過言ではない。
「リリー出番やで」
「おう」
今日もだいすきなしごとがはじまった。
痛い。痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
今は漫才中なのに腕がとてつもなく痛い。
モリシにはバレんように漫才を続けていく。
傷口がズキズキする。
だけど少し気持ちいい。
あぁ俺はもうこれから腐っていくのだと思う。
「もうええわ!どうもありがとうございました!」
これを聞く度あと少しと思う。
漫才中1番辛いのは動作。
特に腕を動かす時が1番。
後3…2…1..後1ステまで来た。よく頑張った。
あと1ステだけなのに…
「リリー。今日様子おかしいで?」
相方に気付かれた。
「えっ?全然元気だけど?」
「そうか?体調悪そうに見えるけど」
「見取り図さん出番です!」
「リリー行こう。」
「おう。」
やっべ危なかった。
「どうも〜見取り図です!」
いや待てよ。舞妓のネタじゃん1番辛い。
はぁ泣きそ。頑張ったご褒美にリスカしよ。
…
「どうもありがとうございました。」
よっしゃ終わった。早く帰ってリスカしよう。
「じゃ俺帰るわ」
「リリー!家行っていい?」
「なんで?」
「悩みあんねん」
「ええよ。」
まさかの予定外の事が起きた。
モリシ来るのかよ。
てかリスカのカッターとかティッシュ片付けてない
終わった。
「ほなリリー入るで!」
「モリシ部屋が悲惨だからちょっとまってて。」
「おう。」
とりあえずカッターとティッシュはゴミ箱に入れて
はぁめんどい。早く帰らせよ。
「んで悩みって何?」
「悩み無いねん。今日はリリーの悩みを聞きに来ただけ。リリー。なんか悩みあるやろ」
げ。やっぱり感いいな。
「無いけど?」
「無いならええわ…悩みあったらすぐ言えよ?」
「おう。新ネタでも作るか?」
「それええな作るか。」
なんやかんやネタを作って
「ほな明日マンゲキで」
「バイバイ。」
「うっ…ふぅふぅ」
やばい吐きそ。トイレ。
「うぐっぅふっなんで…吐けない」
吐けないのに吐気は増していく。
そこで喉の奥に指を突っ込む事にした。
「アガッうっ」
トイレにボタボタと音を立てながら吐瀉物が便器に落ちていく。なのに吐き気が治まらない。そこで俺は吐き気が治まるまで吐きまくる事にした
「ふぅっふぅっ治まった…」
水分不足やなんやらで頭がくらくらする。
でも何故かそれが心地よく気持ちいい。
一度暗転。
モリシside
リリーの家から帰った後タバコを忘れたのに気づいたから今リリーの家に来たんやけど…
ピンポンしても出てこうへん
ドアノブを触ってみた
キィッと音を立てながらドアが空いたからリリーには申し訳ないけど入らせてもらうことにした
「リリー?入るで?」
返事無い…なんかあったんかな
ビチャビチャビチャ
そんな音がトイレの方から聞こえてきたかと思った
その時
バタンっ
俺は急いで音のした方へ行った
次の瞬間目を疑った。
吐瀉物だらけの便器にそのトイレの床には苦しそうな表情をしたリリーが横たわっていた。
「リリー!」
「ウッ…モリシッ…」
「大丈夫…ではないなベットに運ぶで」
「カハァッ…ゴメン」
「謝るなや…」
続く
作者です
初めまして奏琉斗(そると)と申します。
この度は芸人さんが病んでしまうお話を手に取って読んでくださりありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。
PS リリーさんの恋愛小説も書いてまス!
コメント
1件
言うのを忘れていました。 文才がありません。