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エルル様
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第四話「五人目の王」
「――五人目の王?」
神代蓮が呟いた。
その言葉に、黒瀬終はゆっくり振り返る。
「その呼び方、嫌いだって言っただろ」
「じゃあ……お前は何なんだよ」
終は少し考える。
「……さあ?」
「は?」
「俺自身も、よく分かってない」
あまりにも普通の答えだった。
だが――夜凪零王だけは笑っていなかった。
「嘘だ」
終が零王を見る。
「お前は知っている」
「何を?」
「自分が――世界を壊した存在だということを」
その瞬間。
終の表情が変わった。
「……黙れ」
空気が震える。
零王は一歩後ろへ下がった。
「やはりそうか」
「黙れ」
「お前が眠っている間、俺たちは何度も――」
「黙れ!!」
――ドンッ!!
衝撃波が走った。
蓮たちは全員吹き飛ばされる。
天城迅が地面を転がりながら叫ぶ。
「何なんだよ、こいつ……!」
白峰澪は終を見つめていた。
その目には恐怖よりも、悲しみが浮かんでいる。
「……朔」
終が振り返る。
「?」
「あなた、本当は……朔なんじゃないの?」
終は答えない。
「零も、焔も、凪も……全部、朔を守るために生まれた人格なんじゃないの?」
沈黙。
終の瞳が僅かに揺れた。
その瞬間――
「……やめて」
初めて聞く声だった。
終の声ではない。
朔本人の声。
「みんな……僕の中で喧嘩しないで」
終の表情が苦しそうに歪む。
「……朔」
「僕は……普通に生きたい」
その言葉を聞いた瞬間、終は目を閉じた。
「……そうだな」
そして――
「だったら、俺が全部終わらせる」
「え?」
終が空を見上げる。
雲の向こうから、無数の黒い光が降りてくる。
零王が叫んだ。
「来たか……!」
蓮が構える。
「何が来たんだ!?」
零王は答えた。
「五王機関だ」
「五王……?」
「黒瀬朔の五人格を知る者たちが作った、対人格専用部隊だ」
その瞬間。
空から一人の男が降り立った。
白いコート。
銀色の髪。
そして――片目に黒い紋章。
「確認しました」
男が終を見る。
「対象――黒瀬終」
「……」
「あなたを再び封印します」
終が笑った。
「やってみろ」
男が手を上げる。
「全員、戦闘開始」
数十人の異能者が一斉に襲いかかる。
蓮が叫ぶ。
「朔!!」
終は振り返った。
「安心しろ」
「俺が――」
その瞳が黒く染まる。
「全部、片付ける」
そして。
五人の人格のうち――
まだ一度も戦ったことのない人格が、目を開いた。
『……久しぶりだね』
終が驚く。
「お前……まだいたのか」
『うん』
その人格は笑った。
『だって俺は――』
――「朔を殺すために生まれた人格だから」
終の顔から、初めて笑みが消えた。
コメント
1件
「五人目の王」ってタイトルからして気になってたんだけど、第4話でいきなり終が“世界を壊した存在”とか言われてるのヤバすぎる…! しかも朔本人の声が出てきたあたりで感情揺さぶられたわ。そしてまさかの“朔を♡♡♡ため”の人格がまだいたってオチ? 終の笑顔が消えたラスト、めっちゃ続きが気になる🔥 エルル様、この設定の重ね方ガチで好きです!