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私が到着し少しした後フックショットをくれたギルマスが指揮を取り出した。
「これよりファストリア防衛戦を開始する!指揮はこの俺ギルド《シシオウ》ギルドマスター『ガリアス』が承った!」
あのおっさんガリアスって言うのか。それなりに長い付き合いになるかもしれんから一応覚えておくか、私物覚えがあんまりよくはないんだけどね……。
「今回相手するのは『ゴールド』クラスの相手ワイバーンだ。シルバーの貴様らには荷が重いのを承知の上集まってもらった。なぜワイバーンが流れてきたのかは不明だが今はとにかくこの街を守ることに専念しろ!相手はゴールドクラスだが勝てない相手ではない!さらに言えばランクアップするためには必ず倒さねばならない相手だ。今回倒したとしても昇進は無いが、代わりにワイバーンの動きを生で味わえるいい機会でもある。死ぬ気で取り組むといい!!」
おぉ……。私詳しく存じ上げないけどあれはいわゆる体育会系の人間かな?鼓舞の仕方がまんまそれっぽいけど、作戦とか勝算があるかとか話さないとだめなんじゃね?私馬鹿だから知らんけど。
「では、簡単に今回の防衛戦の作戦を話そう。まず集まってくれた冒険者の総数約100人、そのうちの4割が後衛職である。君たちには申し訳ないがこの作戦のみアタッカーとして活躍してもらう。ワイバーンは飛行能力が高く地上に降りてくることが極端に少ない。ゆえに前衛はやれることが少ないため後衛である君たちに任せることとなる。また、前衛はワイバーンのブレスや鉤爪による攻撃から皆を守ってほしい。こちらは一人でも後衛職を失えばそれだけ倒すのに時間がかかる。なので前衛は死んでも後衛職を守るんだ!」
まぁ、それが妥当な判断だよな……。実際空飛んでる相手に剣なんておもちゃみたいなもんだからな。一応バリスタとかもあるが人数的に厳しい……。集まってるのはシルバー以下の冒険者だし意思疎通なんて早々できないだろう。だからこそ、ガリアスのおっさんのような先導者がいると一つの組織としてのまとまり、統率が生まれる。こういうのは私にはない能力だからうらやましい限りだよまったく。
「そして今回の作戦には最速で『ミスリル』に到達した天才冒険者シリルが来てくれている。彼女の力も借りればこの群れをいなすことはたやすいだろう!だからこそ皆の衆気を引き締めろ!!彼女がいるとおごり高ぶるとその一人の油断が全体に悪影響を及ぼす!」
私の名前出しても士気が上がるのか分からんが少なくとも一定数には効果があるようで……。ま、とにかく私は向かい来るワイバーンを乗り次いで数を減らすことに専念しよう。周りに気を使えるほど私も器用じゃないしね。
「では!皆の者構えよ!!これよりファストリア防衛戦を開始する!!」
その合図とともに攻撃が開始される。後衛職は迎撃態勢に入り前衛職は守りの態勢をとる。それを確認した後私は先ほどと同じように外壁に上りワイバーンの数を改めて確認する。今この場にいるのは10前後で第二波は倍の20くらいだろう。最初の波はそんなに苦労はしないだろが問題はその次だ。恐らく最初の波でガス欠になる、そんな状態で次の相手は難しいだろうからこの最初の波で私がある程度削りを入れないといけない。だが、ワイバーン相手にこのフックショットを当てられるのかは別問題だよな……。ま、何とかなるか!
近くに寄ってきたワイバーン目掛けて試しにフックショットを放つ、がしかし簡単に避けられ反撃の火球をお見舞いされた。もちろん私は難なくそれを避けて再び打てる機会を伺う。その間にもシルバーの冒険者たちがいくつもの魔法球を空に向けて放つが命中率は5割あるかどうかって感じだ。それでも当てれているだけすごいな、私はフックショットを外したからねぇ……。
けどもあいつらの動きは大体理解した。当たり前と言えば当たり前だが、こちらの攻撃に対しては必ず回避行動をする。それが致命傷でないとしてもだ。それを逆手に取り適当な攻撃を連打して隙を作らせ確実にフックショットをぶち当てる。これでまずは確実に一体を倒すことができ、そいつを足場に次の相手をできるだろう。これを繰り返せば何とでもなるが問題は……これ次々ワイバーンに乗り継げるのだろうか……。私の身体能力があったとしても怪しいよな。けどもやらないことには分からんよなぁ。やるだけやってダメだったらその時考えよう。
とりあえず今考えた策を早速実行してみる。弓を構えて矢を何本か射る。すると、予想通り全てを避けようとして少し態勢が崩れた。そこを見逃さずすぐさまフックショットを再度構えて放つ。今度は狙い通り背面に突き刺さりそのままワイバーンの上にと乗り空中戦を可能もすることに成功した。
「よし!振り落とされないようにフックショットは刺したままにし、これを手網替わりで扱いながらほかのワイバーンにちょっかいでもかけてやるか。」
その思惑は意外と有効だったようで第一陣のワイバーンの隊列を大きく乱して隙を作り出し、そこに下の奴らが作った魔法球なり矢なりが飛んで、比較的楽に突破できた。だが、これでも魔法使い達はガス欠になってきており、魔力の回復を始めている。シルバーの冒険者ではやはり荷が重いよなぁ。私も負担をかけないようこういった策を考えたが私一人では限度がある。それでも私がやらないとファストリアは滅んでしまうからな。踏ん張れよ私!
第二陣は先程の倍の20前後、やることは変わらず私が掻き乱して下のやつらに倒してもらう。もちろん私も輪を乱すだけでなく定期的に剣で攻撃するがキツいことこの上ない…。
「さすがにずっとフックショットを掴んでいればその手の握力が…。」
言ったそばから最悪の事態が起きた。私の手の力が緩まったタイミングで乗っていたワイバーンに下のやつらの攻撃が直撃した。それにより大きく態勢を崩したことで私はやつの背中から放り出されてしまった。空を飛ぶなんてことの出来ない私は宙に浮けばそれはワイバーンの餌になるも同然。この好機を逃さまいと一匹のワイバーンが凄まじい勢いでこちらに向かってきており口を大きく開けている。
なるほど私は食われて死ぬのか。自由の効かない空では満足に剣も振るえないし、弓も的確に射ることは難しい。これはそうだな詰みってやつか。
「………僕の返事を聞く前に死ぬのはやめてよ。」
突如私の目の前に現れた彼がそう告げると抜剣したであろう弟と同時にワイバーンの悲鳴が聞こえ斬撃音も鳴る。そして剣を鞘にしまうと空では不自由な私を抱き、まるでそこに床があるのかのように空を歩き、地上に着くと私を丁寧に扱ってくれた。
「…あんたは」
「……慎重派で疫病神で根暗で相性最悪だけど、さっきの件は受けるよ。」
「……サンキュー、『アズキ』さん!」