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雨が降りしきる夜に 第二章
貴方との約束
「ソーラン節かぁ、、踊りたくないなぁ」
「えぇー?なんでぇ?」
「だって先輩に見られるじゃん!」
「あー、、そゆこと、、」
そう話しているのは私と遙だ。遥は好きな先輩がいるらしく、ソーラン節を踊るのが嫌らしい。
「由姫は恥ずかしくないのー?」
「んー、、恥ずかしいけどそんなかなぁ」
「えー、、まじ、、」
「まあがんばりなね」
「がんばる、、」
私だって結斗に見られるのは嫌だ。というか結斗とは幼稚園のときにソーラン節を一緒に踊ったから余計見られたくない。幼稚園の頃はまだそんなガチにならなくても良かったけど中学生となるとガチにならないといけない。本当に嫌だがどうせ見てない事を祈って頑張るしかない。
「由姫さんっ」
「どしたー?璃乃さん」
「えっと、、今日部活あるらしいですっ」
「わかった!ありがとね!」
今日はどうやら部活があるらしい。忘れていたから璃乃さんが伝えてくれて助かった。もう少しで帰りのHRだから頑張らないとな。
「それじゃー帰りのHR始めます」
「気をつけーお願いします」
「お願いしまーす」
「明日から体育祭練習が始まっていくので、ジャージ登校になります」
「それで、、応援練習も始まっていくので頑張りましょう」
ジャージ登校か、、嫌ではないけど制服を着ていたい気持ちがある。そういやこの前結斗が私のジャージ姿をもっと見たいとか言ってたな。明日から体育祭当日までジャージ登校だから結斗は喜ぶかな。
「これで帰りのHRを終わります。号令」
「起立っさようならー」
「さようならー」
部活に行かないと、、あ、遙は今日部活ある事知ってるのだろうか。知っていなかったら教えないとまずいだろう。
「遙ーっ」
「んー?」
「今日部活あるらしいよ」
「がちー?先行ってて」
「ん、わかったー」
どうやら知らなかったようだ。まあまだ予定表が配られていないからしょうがないか。私だって璃乃さんに教えられていなかったら今日部活がある事を知らなかったから。
「あ、由姫さんっ」
「ん?」
「遙さんって今日部活ある事知ってる?、」
「うん!さっき伝えたから大丈夫だと思う!」
「わかった、ありがとうっ」
「どーいたしましてっ」
遙はまだ来ないみたいだな。何かあったのかな。あ、そうだ結斗に今日部活あるって伝えてない。どうしよう、結斗とは同じ部活だけどまだ結斗来てないみたいだし。
「ねーねー璃乃さんっ」
「あ、はいっ」
「今日結斗に部活あるって伝えた?、」
「あっ、、ごめんなさい、伝えられてないですっ」
「わかった、ありがとっちょっと結斗いないか探してくるね!」
「あ、じゃあ部長に伝えておきますっ」
「ありがと!」
結斗何処にいるのかな。早く見つけて連れてこないと、、帰ってるっていうのはないだろうけど、なんだか不安だな。同じクラスだから伝えられたなと思いながら足を進める。
「あ、いたっ!」
「あ、由姫、」
「ごめんっ、、今日部活あった、、」
「え、まじ、」
「うん、、」
「ほら!いくよ!」
「え、あ、うん、、」
やっと結斗を見つけれた。なんとなくここにいるんだろうなと思いながら校門に来てみたら本当にいたからびっくりだ。もう遙は被服室にいるかな。
「戻りましたっ」
「あ、由姫!」
「遙っ、」
「由姫、、遅かったじゃーん」
「ごめんってー結斗連れてきたんだもん」
「そゆことねー笑」
さっき校門まで走っている時に色んな人に見られたけれど無事に結斗を連れてこれて良かった。
「全員揃いましたか?じゃあ部活始めていきます」
「よろしくお願いします」
この人は部長の神谷小鳥(かみやことり)さんだ。あと遥斗のお姉さんだ。
「ゆーきっ」
「んー?」
「一緒に絵かこっ?」
「いいよー」
ほんとは個人でやる部活だが私は遙と一緒にやっている。特に部長からなにも言われてないし大丈夫だろう。
「どんな絵かこっかなー」
「あ、じゃあさっ」
「うん」
「風景画とか描かない?」
「え、いいじゃんっ」
「でしょー?」
やっぱり遙はいいアイデアをだすな。昔から遙のアイデアに助けられていてほんとにありがたいって思ってる。
「えっと、、それじゃあ片付けに入りますっ」
「わかりましたー」
掃除頑張らないとな。といってもあんまり活動してないからすぐ終わるだろう。
「なーっ由姫っ」
「なにー?」
「こっちチリトリやってくんねー?」
「わかったー」
結斗は毎回私にチリトリを任せてくる。私以外にも璃乃さんとか遙とかいるのに。まあ多分私以外に頼むのはなんか嫌なんだろう。
「掃除終わりましたかっ?」
「それじゃあこれで部活を終わります。ありがとうございましたっ」
「ありがとうございましたー」
やっと帰れる。もう17:30だ。早く帰らないとな。
「あ、由姫っ」
「んー?」
「今日一緒に帰れるよな?」
「ああ、うん」
「じゃ、いこーぜ」
「んー」
なんか、結斗とこうやってちゃんと帰るのは久しぶりだから緊張するな。今まではこの前みたいに会ったら帰るみたいな感じだったから。
「由姫ー」
「んー?」
「あのさ、今度水族館一緒に行かね?、」
「いいけど、」
「まじ?ありがとな、」
びっくりした。今まではこんな事言われたこと無かったから。親になんて言おう、一応彼氏がいることは知ってるけれどびっくりされそうだな。デートに行くなんて言ったら。
「なー、おれさ親に由姫のこと言ってないんだ、」
「え、それいける、?」
「多分、、な、友達っていえばなんとかなるだろうし、」
「変なことはしないでね」
「わかってるよ笑」
あーほんとに親になんて言おう。デートなんて、どうしようかな。高校生になったらいいだろうけど。でも高校生になったらほぼ会えないだろうな。
「あじゃあ、おれこっちだから」
「あ、わかった、またね」
「おう、」
なんだかぎこちない形で終わってしまった。明日はたしか休みだった気がするからまあ少し気まずいぐらいだろう。
「ただいまー」
「おかえりなさい」
「ねむー、、」
「もー、、あんたは、、また夜遅くまでスマホ弄ってたんでしょう」
「そんなことなーい」
しょうがないじゃないか。基本的に勉強はスマホで記録してるんだから。弄るなと言われてもなんともできない。
「はぁ、、疲れた。」
そう言ってベットに寝転がる。勉強時間記録しないとと思いながらスマホを開いた。そうしたら丁度結斗からLINEが来ていた。
結斗『水族館の話おれ行けることになったけど由姫はどうなりそう?』
完全に忘れてた。どうやって伝えよう、流石にダイレクトに彼氏と水族館デートに行くとは言いずらい。
由姫『あー、、その事なんだけど今親にどうやって伝えるか悩んでて、』
結斗『適当に友達と行くって言えばいいじゃん』
そうしたいがうちの親はなにちゃんと行くのとか聞いてくる親だ。本当にどうしよう。
由姫『そうしようと思ったんだけどうちの親めっちゃ聞いてくるから無理そうなんだよねー、、』
結斗『じゃあおれが伝えてやるよ』
由姫『え?』
どういう事だ?どうやってうちの親に伝えるんだ?まさか今からうちには来ないよな?来たらほんっとに恨むかもしれない。
“ピンポーン”
「はーい?誰かしら、、って結斗君じゃなーい、どうしたの?」
「あーえっと、今度由姫と水族館行こうと思ってて、、お母さんが由姫に伝えて貰ってもいいですか?」
「えー全然いいわよ!今いるから呼ぶわね!」
「あ、わかりました」
これはやばいことになった。というかお母さん結斗が来て喜んでたな、、なんか意外だな。
「由姫ー!結斗君が来てるわよー!」
「わかったからー」
「あ、由姫」
「えっと、?」
「今度水族館いかね?」
「いいけど、、お母さん、いい?」
「いいわよー!いってらっしゃい!」
「よっし、じゃまたなー」
「うん、またねー」
まあなんとかなったからいいのか、?というかほんとに来るとは驚いた。冗談だと思っていたから。
「由姫、、楽しんできなさいよっ」
「あーはいはい」
うちの親はほんとに恋愛好きだ。私に彼氏がいたと知った時は本当に大変だった。どんな人とか色々聞かれてもう、、ほんとに大変だった。あ、結斗からLINEだ。
結斗『これで水族館いけるな』
由姫『そーだね』
結斗『楽しみにしてるからなー』
由姫『はいはい』
「、、水族館、なんだかんだいって楽しみだな」
次話へ続く