‥‥‥一年が過ぎた。唐突だがそれほど早かったのだ。だと言っても私はまだ1歳。
「かな、おなかすーた。(キャナ、お腹すいた)」
「わかりました。何か食べれるものを持ってきますね」
タッタッタッタッタッ‥
「あやちまれるきゃな?(怪しまれるかな?)」
1歳、いや頑張って1歳半の赤ちゃんがここまで喋れるだろうか。否、喋れない。(と思う)
(普通に歩けてるし‥‥‥なにか言われるかも)
「お嬢様〜、お持ちしましたよ〜」
「あ~い!!」
「ゆっくりお食べください〜」
「いたあきあーす!!(いただきまーす!)」
「どうぞ、お召し上がりください!」
(‥‥‥‥敬語、やめてくれないかね‥)
約半年後、私の誕生日が迫って来た。2歳の誕生日だ。
(前と同様、お父様、お母様、ドラズお兄様とその他のメイドか執事かしらね)
「フォルラ〜、プレゼントは何がいいかい〜?」とお父様。
「なんでもいいのよ〜♡」とお母様
「僕もたくさん買ってあげるからね〜」とお兄様
「しょ、しょんにゃにいりゃないでしゅ(そ、そんなにいらないです)‥‥‥」
「遠慮しなくていいんだぞ!」
「そうよ!なんでも叶えてあげられるわよ!」
「そうそう!だから欲しい物とかなぁい?」
「な、ないでしゅ(な、ないです)‥‥‥ごめんなしゃい(ごめんなさい)‥‥」
「そ、そうか‥‥」「そう‥‥‥」「そうなんだ‥‥」
‥‥‥‥‥‥‥‥めっちゃがっかりするやん!?wイヤ、今の時点で結構揃ってるから要らないのよ。
(でも‥‥‥‥これは言おうかな‥?)
「‥‥ドラジュお兄しゃまいぎゃいのお兄しゃまにあっちぇみちゃい。(ドラズお兄様以外のお兄様に会いたい)」
「ヴェレクたちのことかしら?」
コクリ
「あぁ、そういえばフォルラが生まれた瞬間しか来てないからな〜。学園も忙しいのだろうな」
(?!?!学園があるのか‥。あってみたいのは山々だが仕方あるまい)
「ごめんなしゃい。お兄しゃまちゃちにめーどうごちょをさしぇるわきぇにはいきゃないきゃら、いまのはなちで(ごめんなさい。お兄様たちに面倒事をさせるわけにはいかないから今のは無しで〕‥‥‥‥‥」
「僕、兄上達に手紙を書いてみるよ!やり取りは、してるからね!」
「いや、その必要はない」
「えっ?どうしてですか?」
「今月忘れたのか?」
「今月‥‥‥‥‥あっ!!帰ってこれるんですね!!」
「あぁ!そうだったわね!天使たちの顔が久しぶりに!!」
「天使かどうかはわからんが、今回は一週間休みがあるだろう。ちょうどその週の中にフォルラの誕生日がある。ちょうど良いではないか?」
(…………勝手に話を進められて困り果てていたが、もう無理らしい)