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「 No.1ホストと幼馴染」 ― ya × et
店の裏口で、えとさんと抱き合ったまま。
静かな夜風の中、二人の影はひとつになっていた。
――そのとき。
「……へぇ。やっぱりそうだったんだな。」
低い声が闇を割いた。
振り返ると、そこにはうりが立っていた。
煙草の火が赤く揺れて、彼の笑みを照らしていた。
「仕事終わりに姿が見えないと思ったら……裏でお客と抱き合いか。」
「……うり。」
ゆあんくんの声は低く硬い。
えとさんの肩を庇うように抱き寄せる。
「やめろ。これは――」
「誤解? それとも……本気?」
挑発するような目。
その視線はえとさんに向かって、鋭く刺さる。
「なぁ、えとさん。俺は前から言ってるよな?
『ゆあんじゃなくて俺を見ろ』って。
……今日みたいに泣かせるくらいなら、俺が幸せにしてやれる。」
えとさんは息を呑んだ。
胸がざわめいて、言葉が出てこない。
「やめろ、うり。」
「はは、なにがやめろだよ。お前が『ホスト辞める』とか言っても、周りが許すと思うか?
店にとっては売上の柱。勝手なこと言ってんじゃねぇよ。」
ピリピリとした空気が漂う。
二人の間で、えとさんの心臓は早鐘を打っていた。
「……っ」
ゆあんくんは一歩前に出る。
うりと真正面から視線をぶつけ合い、低く言い放った。
「――えとは渡さない。」
夜の静けさを裂く宣言。
その言葉に、えとの胸が強く震えた。
コメント
4件
やーばい!最高すぎます天才 次も楽しみにしてます!!💓
お ぉ ~ !