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「バレンタイン誰にあげるのー?」
「まだ決めてなーい」
もうすぐバレンタインの日。
教室ではそんな女の子たちの会話が聞こえてくる。僕も男子ではあるがバレンタインにチョコをあげたい。
あげる相手は僕の彼氏、ころちゃんだ。ころちゃんと付き合って、初めてのバレンタイン。
今まで、自分の気持ちを隠してきた僕はもちろん、バレンタインにチョコを渡すなんてなかった。
だが、この気持ちを隠さなくていい今、彼にチョコをあげたいと思うが……。
✘✘✘
「莉犬〜」
結局僕一人ではどうしようもなかった為、親友莉犬に相談することにした。
「莉犬はバレンタインさとみくんに渡そうと思うの?」
莉犬はさとみくんと付き合っている。莉犬は僕と同じ同性愛者なのでこの手の質問は聞きやすい。
莉犬は少し間を置いてから「渡す予定だよ」と言った。
「るぅとくんはあげないの?」
「うーん…あげたいんだけどどうしようかなって」
「料理も出来ないし」と付け足すと莉犬は「なるほどね」といい唸りながら何かを考えている。
莉犬が考えの答えを出すのを待っていると、莉犬は何か思いついた用で手を叩くと「るぅちゃん!俺とチョコつ作ろう!」と言われた。
僕も1人で、作るよりは莉犬と作る方がきっと成功するだろうと思い頷いた。
「じゃあ、来週の13日俺の家で作ろう!」
「なーに話してんの?」
莉犬とチョコを作る約束をしていると声がしたので、声のした方を見ると莉犬の頭の上に顔を乗せているさとみくんがいた。
「さとみくん、委員会は?」
莉犬が話を逸らすように言うと、「終わったから帰ろーぜ」とさとみくんが言った後「ころん多分今教室いるよ」と付け足すように言って教えてくれた。
「あ、ありがとうございます」
僕がさとみくんにお礼を伝えると、莉犬が「るぅとくんごめんね!また明日!」そう言いながら手を振ってくれる莉犬に僕も莉犬の姿が見えなくなるまで手を振る。
✘✘✘
ころちゃんの元へ行くところちゃんは寝ていた。
「ころちゃーん、起きてくださーい」
ころちゃんの肩を揺さぶると「んー」なんていいながら起きる彼。
「おはよう」
「おはようございます」
挨拶をした後「なんでここにいるんですか?」と聞くところちゃんは「るぅとくん待ってた」と返してきた。
僕が先に帰ったとは考えなかったのだろうか。
「僕のこと待ってたんでしょ?」
僕もころちゃんと帰りたいと思っていたので少し嬉しかった。
きっと彼は僕が莉犬と委員会が終わるのを待っていることもわかっているんだろう。
僕は恥ずかしくなり「帰りますよ」と言い立ち上がるところちゃんも急いで、僕の隣まで歩いてくる。
僕は、ころちゃんと隣に並んで家まで帰った。
13日。
莉犬の家まで行くと莉犬既に材料を用意して待ってくれていた。
「よし!るぅちゃん、頑張ろう!」
僕と莉犬が作ろうと言って作り始めたのはマカロン。
マカロンは、作るのは難しいがマカロンを渡す意味に惹かれて莉犬と2人で話し合って決めた。
現在の時刻、21時38分。
僕も莉犬もあまり料理はしないので凄く時間がかかってしまったが何とか完成した。
「めっちゃいい感じじゃない?」
「これなら、喜んでくれそうですね!」
2人で笑い合いながらその日は莉犬の家にお泊まりをした。
学校へ行くところちゃんが既に学校に来ていた。
ころちゃんに「今日は早いんですね?」と聞くと「なんかめっちゃ呼び出されてんだよね〜」と答えた。
きっと告白だろうなと思うと少し胸が傷んだ。ころちゃんは顔がいいためもちろんモテる。
付き合ってるからと言ってもやっぱり嫉妬する。
「それじゃあ、そろそろ行くね」
ころちゃんは申し訳なさそうな顔をして言ってしまった。
僕もその後、女の子に呼び出されてバレンタインのチョコを渡されたのはきっと秘密にしておいた方がいいだろう。
そろそろHRが始まる頃、ころちゃんは沢山のチョコを抱えて戻ってきた。
きっとほとんどが本命だ。僕は少しムッとしながら自分の席に着いた。
放課後。
ころちゃんに「一緒に帰ろう」と誘われて一緒に隣を歩いている僕。
未だに僕はころちゃんに渡せていない。
「ころちゃん、そんなにチョコもらって食べれるんですか?」
純粋に気になった質問をするところちゃんは「え?」と言って立ち止まった。
「何言ってんのるぅとくん。僕これ食べないよ?」
「え?」
「だって、何入ってるかわかんないし。別に好きじゃないし」
意外だった。ころちゃんなら誰の作ったものでも食べると思っていたからだ。
「それとさ、るぅとくん。」
急に名前を呼ばれて俯いていた顔が自然とあがる。
「僕、1番欲しい人から貰ってないんだけど」
ムッとしながら僕を見てくる。
「僕にないの?バレンタイン」
そこまで言われてようやく理解する。
鞄から用意していた物を取り出して「どうぞ」と渡すと「ありがとう!」と言って笑顔で受け取ってくれた。
「食べてもいい?」
そう、目をキラキラさせて聞かれダメなわけがないので「いいですよ」と答えるとより1層目をキラキラさせて袋を開けた。
「マカロン?!僕食べたことなかったから嬉しい」
そう言ってマカロンを頬張る。
「美味しい!」
「喜んでもらえて良かったです」
微笑んで返すと「ところでさマカロンってどういう意味なの?」と聞かれた。
僕はころちゃんの耳元でマカロンの意味を言い、ころちゃんの顔を見ると顔を紅くしていた。
きっと僕の顔も今凄く紅いだろう。
僕ところちゃんは手を繋いで帰った。
まるで付き合いたてのカップルのように。
マカロン : 貴方は特別な存在
今日はバレンタインですね!
間に合って良かった〜!
私好きな人にバレンタインをあげるならマカロンにするってずっと決めてるんですよ!
なので今回はマカロンでやってみました!
皆さんはバレンタイン誰かにあげましたか?
私はあげる相手がいなくてあげてないです( ̄^ ̄゜)
最後まで読んでいただきありがとうございました!!